近年住宅会社の集客競争が加速しており、住宅業界のPR方法も変わり始めています。今まではチラシや紙媒体でのPRが一般的でしたが、時代の変化によりWebでの集客が中心になってきました。
今回は、住宅会社の集客力アップに役立つWebマーケティングの手法と事例をご紹介します。
「Webマーケティングをやったことがないけど気になっている」
「効果的に物件を紹介したい」
とお考えの経営者の方やご担当者様は、ご覧ください。
目次
住宅会社や工務店の集客における課題とは、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、3つの課題を見てみましょう。
現在、日本は人口減少時代を迎えています。2008年をピークに人口減少が続いており、2050年には総人口が1億人を下回るとの推測も。
さらに少子高齢化も進んでおり、2017年には27.7%を高齢人口が占めています。
予想データのため多少前後するところはあるでしょうが、今後人口減少が進むことは間違い無いでしょう。
人口が減少すると、住宅市場が縮小すると同時に空き家率も高まります。住宅会社や工務店では、今までとは違う新しい取り組みを行う必要があるのです。
2020年から対面営業が難しくなり、イベントの開催や住宅展示場への来店者が減少傾向にあります。
テレワークやオンラインでのやりとりが推奨される中、オフラインの集客は困難。
住宅業界でも今までのリアルなイベントで集客をするスタイルではなく、オフライン+オンラインというハイブリット型の集客に切り替わりつつあります。
しかしオンライン集客の知識や経験がない方も多く、Webツールに不慣れな方もいるのではないでしょうか。
人員育成やオンラインツールに対する知識を深めるために、社員それぞれのスキルアップが今後の課題となるでしょう。
今まで、リアルな営業と合わせてWebマーケティングを利用していた方もいるでしょう。
しかしリアルな営業が難しくなった今、これまで以上に広告の運用に力を入れる必要があるのです。
オンラインの需要が高まったことで、広告費も高騰しています。
今後は、広告を配信する目的を明確にして運用しなければ運用費が重なり、企業が大きなダメージを受けることになりかねません。
SNSや広告を運用している方は、目的や費用をもう一度見直すことが大切です。また、運用していない、もしくは力を入れていない場合も、新たな方法を考える必要があるでしょう。
ではなぜ、住宅会社や工務店はWebマーケティングに目を向ける必要があるのか。ここでは、住宅会社がWebをマーケティングを行うべき理由を3つご紹介します。
これまで情報を得る手段といえば、テレビや新聞がメインでした。
しかし今では誰もがスマートフォンを持つ時代。どこにいてもインターネットから情報を得られるようになったことで、Webを情報収集手段とする人が増えたのです。
また以前に比べるとWebの情報精度も向上。Webを活用したマーケティングの効果は高く、オンラインでの発信は重要なものになっています。
住宅購入は一生に一度とも言える大きな買い物。そのため購入検討者はより慎重に情報収集を行う傾向があります。
例えば、観光地へ旅行に行くとします。
事前に「どの旅館の雰囲気が良いか」「お土産には何を買おう?」など、旅館選びからお土産選びまで細かく調べる人も少なくありません。
口コミを情報源にするのも「買って後悔したくない」という思いからがほとんど。Web上に詳細な情報を掲載すれば、ユーザーの理解が深まります。
これまでは住宅業界でも飛び込み営業が行われていました。
事前にアポイントメントをとらずに企業や家庭に訪問し、営業を行う手法は連絡手段が限られていた時代では主流でしたが、WebやSNSから情報が手に入る現代は減少傾向にあります。
さらに、密を避けるため大型イベントの開催は困難に。Web上で情報がお客様との接点の機会となるので、Webマーケティングに力を入れることが大切なのです。
それでは、集客アップに効果的なWebマーケティングの手法をご紹介します。7つの方法がありますので、それぞれチェックしてみましょう。
SEO対策とは、検索エンジンに自社のサイトを上位に表示させるための施策のことです。
サイトの構造や記事コンテンツ内容の工夫を行い、サイトを上位に表示。ユーザーからのアクセスを集めます。
SEOは広告費がかからない集客方法。比較的導入しやすい方法といえますが、SEOの知識がないと運用が難しかったり、長期的な運用が必要になります。
SEO対策が学べる動画をはこちらの記事でまとめていますので、SEOの知識を深めたい方はぜひご覧ください。
SNSの利用が一般化されつつあり、SNSを利用したマーケティングは主流となっています。
対象ユーザーに対して適切なSNSを運用すると、高い効果が期待できるでしょう。
主なSNSは、Twitter、Instagram、Facebook。それぞれ利用ユーザーや特徴が異なりますので、SNSの特徴を正しく理解して企業の情報発信しましょう。
メルマガは、メールマガジンの略称。メールを用いてユーザーに情報を発信するマーケティング方法を指します。
住宅情報や資料の配布もメールで定期的に発信すれば、お問い合わせにも繋がるでしょう。
文章の作成から送信まで自動で行うツールも存在していますので、運用の手間も少なく、取り入れやすいマーケティング方法です。
リスティング広告は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンに、指定したキーワードに対して関連性のある広告を掲載できる手法。インターネット広告の中で一番人気のある広告です。
リスティング広告のメリットは下記の2つ。
例えば「新潟市 注文住宅」というキーワードで検索を行う場合、多くは「新潟市の注文住宅情報を求めている方」でしょう。
その方に向けて広告を配信でき、広告がクリックされた場合にのみ費用が発生します。
SNS広告とは、TwitterやInstagramに広告を配信するマーケティング方法です。
SNS広告の最大のメリットは、ターゲティングしやすい点。例えばInstagram広告では、20代・新潟市在住、そして住宅情報に興味がある方に対して約20秒の動画を流すことが可能です。
特定の地域やユーザーに広告を配信できるので、これまで会社の情報を届けられなかった人たちに対し、アプローチできるのです。
▶︎▶︎Twitter広告とは?特徴・配信場所&費用を簡単に解説【初心者向け】
▶︎▶︎Instagram広告の種類と特徴をやさしく解説【ポイントを押さえて効果を最大化】
▶︎▶︎Facebook広告とは【メリット・デメリットや効果が期待できる活用法を紹介】
Googleストリートビューは、施設内外を360度パノラマビューで表現できるサービス。Web上で施設の雰囲気を知ってもらえます。
施設内部を見てもらうことで、住宅展示場の雰囲気や空間をオンラインで伝えることが可能に。また、周辺立地や駅までのアクセスを伝えれば、実際に住んだ際のイメージも届けやすくなるでしょう。
VRなどの360度コンテンツはイメージをリアルに伝えられる体験型コンテンツなので、住宅業界とは相性の良いWebマーケティングツールです。
賃貸の場合は住人がいると部屋を見てもらうことは難しく、工務店の場合は家を建てた後に事例として紹介できないといこともあるでしょう。しかし、VRや360度動画は事前に撮影をしておけば、提案資料として活用することが可能に。さらに、簡易VRゴーグルをノベルティやグッズとして来場者に渡すことで、検討素材としても重宝するでしょう。
では早速、集客アップに成功したWebマーケティング事例を見ていきましょう。
ここでご紹介する事例は、弊社がサポートをさせていただいたものです。
Webマーケティングの手法や効果をまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
まずご紹介するのは、新潟にある総合住宅メーカー(以下「A社」)の事例です。
A社では一戸建て注文住宅の設計から施工まではもちろん、分譲住宅の販売やリフォームなど住まいのお手伝いを行っています。
以前はマンション販売に伴い、様々な媒体を使って広告を配信。配信当初は効果がありましたが、その後のお問い合わせに伸び悩んでいました。
改善を行うため、リスティング広告+SNS広告の配信を実施。リスティング広告20万円とSNS広告10万円(FacebookとInstagram)を配信し、お問い合わせが3件きて成約に繋がりました。
建設工事の設計や住宅のリフォーム工事、インテリアの提案・販売など幅広く営業を行う住宅メーカーです。
ナレッジライフ様は「住宅展示場に行くかを迷っている人に対してアプローチしたい」というお悩みをいただきました。
そこで、ホームページで展示場の雰囲気を届けられる「Googleストリートビュー」を導入。Googleストリートビューで打ち合わせスペースを紹介し、VRでは展示場を紹介する形にしました。
施策が話題になったことでWeb情報の質が向上し、3年継続して導入。ストリートビューについては打ち合わせスペースを見せることで、お客様の安心感に繋がっているとご好評いただいています。
▶︎▶︎制作実績:株式会社ナレッジライフ様 【Googleストリートビュー制作】
関東エリアを中心に、戸建分譲事業やリフォーム事業、不動産事業など様々な注文住宅事業を展開している企業です。
「自宅でも展示場の様子を見てほしい」とのご要望をいただき、VRコンテンツとVRゴーグルを制作しました。住宅展示場に来てくれた方に対し、ノベルティとして配布。
VRコンテンツを導入することで「展示場はゆっくり見ることができない」「2回目は行きにくい」「家族でゆっくり見たい」というお客様の悩みに寄り添うことができました。
Webマーケティングを成功させるために、押さえておくポイントがあります。
下記の5つのポイントを意識しましょう。
まず、解決したい課題や目的を決めます。
なんのためにWebマーケティングを行うのか、また、ゴールはどこかを明確にすることで、その後の施策もスムーズに決まるでしょう。
目的と連動する部分ではありますが、ターゲットを決めていきます。
年齢や性別、興味関心まで細かく決めるのがポイント。ターゲットが抱えている悩みや、求めている情報についても詳しくイメージしておきましょう。
目的・ターゲットが決まったら、いよいよ集客方法を選びます。
目的やターゲットが曖昧だと方法も定まりにくいので、施策が決まらない場合はもう一度目的やターゲットを掘り下げてみると良いでしょう。
また、集客方法は一つに絞る必要はありません。余裕がある場合は、複数の方法を試してみるのもおすすめです。
ただ施策を実践するだけでなく、効果を検証することも大切。
Web集客では、ターゲットの行動やアクセス履歴を確認できます。ターゲットユーザーがどこから来たのか、どのページを閲覧したのかなど詳しくチェックしましょう。
施策を行っても思うような効果が出ないこともあります。
その場合、改善しながら継続していきましょう。半年~1年ほど続けないと効果がでない場合もありますので、長期的な継続が大切です。
Webマーケティングをご紹介してきましたが、高齢者やターゲットによってはWebでのアプローチが難しいこともあるでしょう。
ここでは、Web以外のマーケティング施策を3つご紹介します。Webマーケティングと合わせてチェックしておくと安心です。
「オープンハウス」は、住宅の中を自由に見てもらえる現地販売会のこと。
予約の必要なく気軽に入れるイベントなら、ターゲットユーザーはもちろん「少し気になる」という方も立ち寄りやすいメリットがあります。
雰囲気や住み心地などをイメージできるので、購入検討層へのアプローチに効果的です。
Webツールに不慣れな高齢者の方への情報提供として効果的な方法が、チラシやDMなどのポスティングです。
ターゲットを明確にしながら配布エリアなどを絞っていくことで、購入検討層へのアプローチはもちろん、認知拡大にも繋がります。
公共交通機関は、多くの不特定多数の人が利用します。ふとした時に目に留まりやすく、知ってもらうきっかけづくりになるでしょう。
一方で、広告枠に制限があったり掲載コストがかかりますので、長期的な運用には注意が必要です。
時代の変化により、住宅業界でのWebマーケティングはこれから重要なものになります。
紹介してきた通り、Webマーケティングの方法は様々。どの施策を行うべきか悩んだ場合は、複数の方法を実践したり、専門に扱っている企業に依頼するのもおすすめです。
弊社は、住宅会社様のWebマーケティングのサポートをさせていただいております。複数事例もございますので、ご相談やご質問ありましたらお気軽にご相談ください。