VRで観光巡り! 次なる行動を生む発信を【箕輪町インタビュー】
観光地の魅力を発信するツールとして、VRの活用事例が全国各地で増えつつあります。
リプロネクストは株式会社宮澤印刷様(以下、宮澤印刷様)よりデザインを入稿いただき、長野県箕輪町様のノベルティ用VRゴーグルの制作を担当しました。
▶︎▶︎制作事例:長野県箕輪町 観光PR用VRゴーグル【オリジナル二眼VRゴーグル制作】
宮澤印刷様はVRコンテンツ制作に力を入れており、特設サイト「360°VRで巡る 長野県箕輪町」にて公開中のVR動画とバーチャルツアーを制作しています。
この記事では「観光×VR」をテーマに、箕輪町役場・清水様と宮澤印刷・山岸様にインタビュー。
VRを活用するに至った背景やコンテンツへのこだわり、さらに反響や今後の活用イメージまでお話を聞きました。
「360°VRで巡る 長野県箕輪町」について

令和2年9月、長野県箕輪町と東京都豊島区が森林整備(カーボン・オフセット)事業で連携しました。
そこで、箕輪町は豊島区との交流促進や、全国へ観光の魅力を届け、関係人口の増加を図る目的で「360°VRで巡る 長野県箕輪町」を公開しています。
サイトには「360°VR動画」「360°VR静止画ツアー」がそれぞれ公開されており、「もみじ湖」の愛称で親しまれている箕輪ダムや、豊島区と共に整備している森林「としまの森」を360度堪能することができます。
▶︎▶︎「360°VRで巡る 長野県箕輪町」サイトはこちら
様々な切り口で、観光PR×VRの活用シーンが見えた

たかはし
清水様に、どのようなきっかけで箕輪町がVRの活用を決めたのかお伺いしたいです。

清水様
まず第一に、森林整備事業で連携している豊島区への思いがありました。
豊島区は森林環境譲与税を活用し、箕輪町の森林整備に取り組んでいます。
その感謝を伝えるため、町として豊島区民の方々をぜひお迎えしたいと思っていたんです。そんな矢先にコロナ禍になってしまい、何とか他の方法で豊島区の皆さんに箕輪町の自然の魅力を体験していただきたいと思い、VRを活用するに至りました。

たかはし
コロナ禍で来訪は難しいけれど、体験に近い形で…という中で、VRに行き着いたんですね。

清水様
そうですね。また、新たな観光プロモーションツールとして、VRを他にも活用もできると思いました。
箕輪町のファンクラブ会員の皆様にもお届けできますし、どこからでも疑似体験できる強みを活かして、他地域からの誘客、関係人口の増加にも繋げられたらな、と。

たかはし
導入を検討する中で様々な活用シーンが見え、さらなる決め手となったのですね!
動画と静止画を使い分け。VRの二つの楽しみ方を提案したい

たかはし
「360°VRで巡る 長野県箕輪町」のサイトを見ると「もみじ湖」と「ながた自然公園」が、それぞれVR動画とVR静止画ツアーで用意されています。2種類の見せ方をした背景には、どのような意図がありますか?

山岸様
VR動画では、全体の雰囲気やイメージを伝え、VR静止画はじっくりと見ていただけるよう分けています。
VR動画の「もみじ湖」は、ドローンで360度撮影した映像を使い、現地に行ったとしても見られない視点で、紅葉のスケール感やダムの雄大さを臨場感と合わせて伝えました。
1:35あたりから、ドローンでの空撮映像に移ります

たかはし
上空から見下ろすことで、紅葉の鮮やかさだけでなく、ダム湖の広大さも知ることができました。
普段見られない視点も疑似体験ができるのは、VRならではの強みですね。

山岸様
一方でVR静止画は、実際にその場で巡るような感覚を体験してもらえたらと思います。ボタンをクリックすると、説明文や写真で補足説明が出るようになっています。立ち止まって案内板を見るかのように、使ってほしいですね。

たかはし
宮澤印刷様に制作を依頼する際に、何かこだわったポイントはありますか?

清水様
「もみじ湖」は、一番美しい時期を切り取れたらと思っていました。トップシーズンは現地だと観光客が多いのですが、撮影時間帯に配慮いただき、VRでは景色を独り占めしているような感覚で楽しむことができます。

清水様
「ながた自然公園」は、広い敷地内の中でアスレチックやキャンプ・宿泊など、様々な楽しみ方ができる点が表現されています。
当事者目線を生むVRゴーグル。デザインで紅葉のイメージを訴求

たかはし
VRゴーグルはどのように活用していらっしゃるのでしょうか?

清水様
2022年7月に豊島区と箕輪町は友好都市協定を結ぶ予定です。その際に豊島区にVRゴーグルをお渡しし、まずはVRで箕輪町の自然を体験いただけたらと思っています。
また、箕輪町役場にお越しいただいた方にノベルティとして配布したり、今回の撮影地「ながた自然公園」内にて、自宅で思い出を振り返ることができるお土産として配布しています。

たかはし
自宅で思い出を振り返るお土産、とても粋ですね! 山岸さんにVRゴーグルのデザインのポイントをお伺いしたいです。


山岸様
箕輪町が”紅葉の町”だということが、手に取った瞬間に伝わるようにしています。また、長野県の風土というか、おおらかな県民柄があるので、そんな雰囲気も届けたいとデザインしました。

たかはし
VRコンテンツと連動して、紅葉のイメージを感じ取ることができます。体験した方からの反響はありましたか?

清水様
今年、箕輪町に移住された方には「秋が楽しみ」とお声をいただきました。
VRが初めてだったお子さんも「不思議〜!」と言いながらくるりと回って景色を楽しんでくれていて、色んな方に見ていただきました。

たかはし
「秋が楽しみ」というお声があったように、季節問わず魅力を伝えられるのは、観光とVRの相性の良さと感じます。

清水様
町のデジタルアーカイブのような使い方ができるので重宝します。今後、他の季節なども展開していきたいです。
来訪のきっかけや、地域の魅力を見直す機会になれば

たかはし
最後になりますが、今後どのようにVRを活用していきたいか教えてください!

清水様
このVRは、箕輪町を知らない方については足を運んでいただくきっかけにできたらと思いますし、地元の方にも地域の貴重な資源を改めて知っていただけたら嬉しいです。

清水様
また、ご高齢の方で現地に行くのが困難な方にも、自宅で気軽に自然を味わっていただくアイテムになったらとも思っています。小・中学生の学びの機会にも活用できたら嬉しいですね。
当初の目的だけでなく、幅広く活用方法を広げていきたいです。

インタビューを経て、VRが一つの切り口だけでなく、様々な角度から活用できるフレキシブルなコンテンツだということを改めて実感しました。また、同じ場所をVR動画・VR静止画のそれぞれの特徴を活かした見せ方をしているのも面白いですね!
今回は長野県箕輪町の観光×VRの最新事例をご紹介させていただきました。
清水様、山岸様 ありがとうございました!
たかはし
広報・メディア
2020年4月入社。大学卒業後にUターンし、地方誌編集、企業広報を経て現在に至る。人の心を動かし、寄り添える広報を目指し奮闘中。お酒と新潟と音楽が好き。