今後も成長が見込まれている動画広告市場。中でも、毎月20億人以上のユーザーが利用しているのが「YouTube」です。
そんなYouTubeにも広告枠があり、多くの企業がプロモーションの場として活用しています。
今回は、YouTube広告の種類や料金、メリット・デメリット、さらには広告事例や広告の作成手順をご紹介します。
動画広告やYouTubeへの出稿を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
YouTube広告とは、YouTubeの利用者に向けて表示できるCMのこと。YouTube広告は、再生時間によって料金が発生するかどうかが決まります。
Youtube広告はYouTube adsから出稿し、広告を表示させたいユーザー層にのみ表示できることが大きな特徴です。
YouTubeユーザーは動画を探すために検索機能を使うことが多いです。そのため検索結果に関連させ、興味関心のあるユーザーに絞って広告を表示する仕組みになっています。
YouTube広告の種類は以下の通りです。
では、それぞれの特徴をご紹介していきます。
動画の最初や最後、途中に表示される動画広告です。YouTube広告といえば、これを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
TrueViewインストリーム広告にはスキップ可能なスキッパブル広告と、スキップ不可のノンスキッパブル広告があります。
スキッパブル広告は、広告動画が再生された5秒後にスキップできるため、最初の5秒間でいかにユーザーを惹きつけるかが重要です。
ノンスキッパブル広告は、最大で15秒間、広告動画を最後まで表示させることができるため、離脱されることがありません。しかし広告をスキップできないことで、ユーザーが嫌悪感を抱く可能性もあることに注意しましょう。
YouTubeの検索結果や関連動画、YouTubeアプリのトップページなどに表示される広告です。TrueViewディスカバリー広告は、ユーザーがクリックすることで、企業が設定した動画やWebページが表示されます。
TrueViewインストリーム広告とは異なり、ユーザーがアクションすることで初めて表示されるため、高い関心を抱いたユーザーにメッセージを届けることができます。また関連情報を探しているユーザーに表示されるため、高いクリック率が期待できる面も。
また強制的に表示される広告ではないので、ユーザーが能動的にアクションを起こす広告と言えます。
スキッパブル広告と同じように動画広告が表示されます。TrueViewインストリーム広告と異なるのは、ユーザーのアクションの促進に特化している点。
動画広告だけではなく、見出しや行動を促進するフレーズを付けることができます。ここにWebサイトへの導線も組み込まれており、見込み顧客の獲得にも効果的。
また高度な機械学習により、関心を抱きそうなユーザーに表示されるので、コンバージョンにつながりやすい広告といえます。
動画の最初や最後、途中に表示される6秒間のスキップ不可の動画広告です。
スキップができないため、ユーザーに最後まで動画広告を視聴してもらえる点はもちろん、6秒間という動画の短さも特徴です。ノンスキッパブル動画に比べて表示時間が短いため、ユーザーへのストレスも少なくなります。
6秒間では短すぎないかと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、伝えるメッセージを絞れば、認知度も高まりやすく、ブランディングにも効果を発揮します。
YouTube内ではなく、Google広告と連携し、Webサイトやアプリで表示されるモバイル専用の動画広告です。
特徴として挙げられるのは、低価格で広告を出稿することができ、YouTubeユーザー以外にも広告表示が可能な点です。YouTubeユーザーだけでなく、幅広いユーザー層に広告表示したい方におすすめの広告です。
ただアウトストリーム広告は音声が出ない状態で再生が開始され、タップすることで音声が出るという形で表示されます。音声がなくとも、ユーザーの関心を引きつけることがポイントとなります。
YouTubeのトップページの最上部に表示される動画広告です。表示させるユーザー層を絞ることはできませんが、国単位で配信エリアを指定することはできます。
トップページはYouTubeユーザーの目に触れる機会が多いので、短期間で認知向上することに効果的な広告です。
また動画の音声は出ていない状態で表示されますが、動画時間に制限はありません。YouTube広告で唯一の予約サービスの広告ですが、多くのユーザーにメッセージを届けることができます。
動画コンテンツ内の下部に表示される静止画広告です。画像を表示するものとテキストのみ表示するものがあり、ユーザーが広告をクリックすることでWebサイトなどに移ります。
動画コンテンツ内に広告が表示されるので、ユーザーの目に触れる機会が多く、認知の向上に効果的です。
ただ動画内に表示するとなると、ユーザーにストレスを与えるイメージがありませんか?しかしオーバーレイ広告は、動画の邪魔になりにくい場所に表示され、すぐに消すことができるので、ユーザーにストレスを与えにくいといえます。
関連動画やおすすめ動画の上に表示される静止画広告です。動画視聴中のユーザーや関連動画を探しているユーザーに見てもらいやすい広告。ユーザーがクリックするとWebページなどに移ります。
ディスプレイ広告は少し大きめに表示されるので、ユーザーの目につきやすいことが特徴。
「GDN(Google)ディスプレイネットワーク」とも呼ばれており、GmailやWebサイト、アプリなどのYouTube以外にも広告を配信することができます。
YouTube動画広告は低価格から出稿することが可能。低予算でトライアルを行って、成果があれば、予算を増やしていくという方法をとることもできます。
YouTube広告は、料金を先に設定するため、設定料金以上に料金がかかるということがありません。
また料金が発生するのは、ユーザーが広告を自発的に広告を視聴したり、クリックしたりとアクションを起こした場合だけです。
広告にかけた料金が無駄になることもなく、広告の効果を最大限発揮できることは大きなメリットですよね。
YouTube(ユーチューブ)動画広告の料金
料金が発生するのはユーザーが広告を自発的にアクションを起こしたときだけたとえば、ユーザーが TrueView 動画広告を自ら再生して 30 秒以上視聴した場合や、広告に対して何らかのアクションを起こした場合(広告の Call-to-Action オーバーレイやカード、コンパニオン バナーをクリックするなど)です。
出典:YouTube広告公式ページ「YouTube Ads」
ここでは、YouTube広告のメリットを3つご紹介します。
第一のメリットとして、特定のユーザーに広告を届けられる点が挙げられます。
テレビCMは番組と番組の間に流すもの。番組によって視聴する年齢層や視聴者の嗜好は変化するので、ある程度は興味のありそうな人に訴求ができます。
しかし、YouTube広告はユーザーの検索履歴や動画閲覧履歴からAIが志向を予測するので、より高い精度で興味のある人に訴求することが可能。
YouTube広告を出稿する際は、ユーザー層のターゲティングを特に重点的に行うことをおすすめします。
ユーザーの行動を促すアプローチができることもYouTube広告のメリットです。
テレビCMは比較的広い層に訴求するものなので、「興味・関心」を持ってもらうことが目的となりやすいです。そのため、説明するよりも良いイメージを持ったり、視聴者が気になったりするような演出をすることが多くなります。
しかしYouTube広告は、既に興味関心のありそうな人にアプローチすできるので、そこから一歩行動を促すということを目的とします。
自社サイトやホームページにアクセスしてもらったり、アプリをダウンロードしてもらったりと、商品PRやお問い合わせに繋げることが期待でます。
テレビCMだと動画+キャッチコピーが主ですが、YouTube広告であれば長文テキストやバナーを表示したりと、様々な伝え方のバリエーションがあります。
動画広告でも伝え方はさまざま。短い時間でメッセージを伝えるのはもちろん、スキッパブル広告の場合は最初の5秒間で興味を持ってもらえれば、数分の広告動画を視聴してもらうことができます。
広告のメッセージや広告を届けたいユーザーによっても、最適な伝え方は異なります。予算によっても、広告の種類の選択肢が変わってくるすので、自社に適したものは何か検討しましょう。
YouTube広告はメリットも多いですが、デメリットも存在します。ここでは、YouTube広告のデメリットを3つご紹介します。
YouTube広告を狙ったユーザーに届けたとしても、スキップ可能な動画広告の場合、スキップされて最後まで見てもらえない可能性があります。
ただ動画広告の最初の5秒間は必ず見てもらうことができるので、前半部分でユーザーの印象に残るような工夫、ユーザーの興味関心を引くような工夫をすることが必要。
静止画広告も含めて、伝えたいメッセージが最後まで伝わるような広告を選ぶことも一つの手です。
YouTube広告は、動画の冒頭や途中に強制的に入ります。
そのため動画を見ているユーザーにとっては、突然広告が入ると不愉快に感じることも。広告や企業に対しネガティブなイメージをもたれないために、慎重に動画を制作することが大切です。
また関心の低いユーザーに広告を届けてしまうと費用がかさむだけでなく、ユーザーにストレスを与えかねません。
どのような広告でも、ターゲティングは徹底しなければいけません。
広告に関心を抱いてもらうためには、一定以上のクオリティーが必要です。
クオリティーの低い広告を出してしまうと効果が得られないだけでなく、企業のイメージダウンにもつながりかねません。
ユーザーの興味・関心が高まるような広告を制作するには、プロに依頼することをおすすめします。
またYouTube広告の種類によっても、費用は変わってきます。それぞれの広告の特徴と費用のバランスを検討しながら、適したYouTube広告を活用しましょう。
それでは実際に、YouTube広告の事例を見ていきましょう。
それぞれの詳細が以下の通りです。
人気のアイドルグループ「BTS」のメンバーが登場するLOTTEの新CM。ロングバージョンの約2分間の映像では、メンバーが楽しそうに会話やダンスをする様子が新曲とともに映し出されています。
商品のガムを噛むシーンはさりげなく組み込まれており、ナチュラルに商品の魅力を届ける映像になっていますね。
ファンの方はもちろん、見ていて思わず笑顔になってしまう広告です。
漫画アプリ「LINEマンガ」のリニューアルを紹介する動画。
映像では、話題の漫画を見せつつ商品の使い方をまとめています。動画は縦画面に設定することで、スマートフォンユーザーへ効果的に届くように工夫を行っています。
「Google Home」の商品紹介動画です。15秒間の短い動画の中で、商品の使い方、活用シーンをコンパクトにまとめています。
使う際の情景もわかりやすく表現されており、利用時のイメージが湧きやすい映像になっていますね。
LINEドラマの新作「【LINEドラマ】家族のLINEがしんどいw」です。
とある4人家族の何気ない日常を舞台に、LINEでメッセージを送り合うことで家族の仲の良さや、それぞれの性格を表現している短編ドラマ。
家族あるあるが繰り広げられているのでクスッと笑えたり、ドラマが進むにつれ泣けたりと、物語として進んでくるので最後まで飽きることなく見ることができます。コロナ禍の状況もあり、共感した方が多かったようです。
人気デオドラントウォーター「シーブリーズ」を紹介するWebCMです。30秒間の動画では、シーブリーズと青春のワンシーンがたくさん登場。
さらにポップなテンポの曲が映像を盛り上げています。カット数が多く、何度も場面が切り替わるので疾走感のある映像に仕上がっていますね。
行政がウェブCMを配信し成果を上げた例です。
2020年に予定されていた東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、川崎市を訪れる外国人を増やすという狙いで、外国人向けのプロモーション動画を製作・配信しました。
動画に描かれていたそれぞれの観光地をまとめ、英語で紹介するwebページに誘導し、さらに魅力を知ってもらう導線をつくっています。
▶︎▶︎川崎市HP「川崎市のPR動画をYouTubeで広告配信し、世界で1,470万回視聴を達成!」
俳優の高橋一生さんが登場する「Amazon Prime Video」の紹介動画。「好きな時間へ、ひとっ飛び。」をコンセプトに、サービスの紹介を行っています。
映像ではAmazon Prime Videoを利用すると周りの風景が変わり、映画の世界に没頭する様子が描かれています。ストーリー展開で描かれているので、最後まで飽きることなく見ることができますね。
YouTube動画広告の作成手順をご紹介します。初めてYouTube広告を作成する方はぜひ参考にしてください。
YouTube動画広告の作成手順はこちら。
それぞれ詳しく説明していきます。
まず初めに広告を届けるターゲット・目的・内容を決めます。
広告の方向性を決めるだけでなく、どのようにすれば広告の効果を最大限引き出すことができるかを考えていくことが重要です。
広告とする商品やサービスなどは、誰に・どのような価値を届けるのか?というところから検討しましょう。
ターゲット・目的・内容が決定したら、動画広告の構成を決めて、動画を制作します。
効果的な広告動画を制作するとなると、構成や編集など、一定以上のクオリティーが必要です。
また、どの種類のYouTube動画広告を出稿するかによって、構成も内容も変わってきます。
動画が完成したら、動画をYouTubeにアップロードします。
動画のアップロードはPC・スマホのどちらからでも行うことができます。PCの場合は「YouTube Studio」の右上の作成ボタンから、スマホの場合は画面下の+ボタンからアップロードすることができます。
Google広告のホームページからYouTube動画広告を作成します。
画面左にある「キャンペーン」タブをクリックし、+ボタンをクリックし、「+新しいキャンペーンを作成」を選択してください。
キャンペーン目標を選択する画面が出てきたら、目標を選択します。
キャンペーンタイプに動画がある「販売促進」「見込み顧客の獲得」「ウェブサイトのトラフィック」「商品やブランドの比較検討」「ブランド認知度とリーチ」「目標を指定せずにキャンペーンを作成する」の中から選びましょう。
こちらは「ブランド認識とリーチ」を選んだ際の画面です。キャンペーンタイプの動画を選択したら、「キャンペーンのサブタイプの選択」が表示されます。
ここでYouTube広告の種類を選択します。選択したキャンペーンタイプによって、サブタイプの種類は変わるので、選択したいサブタイプがない場合は、他のサブタイプも確認しましょう。
サブタイプを選択したら、予算の設定や広告の配信開始日・終了日、広告のターゲットとなるユーザーの言語・地域など、詳細を決定・入力します。
次に、ターゲットとなるユーザー層を設定(広告グループの作成)をします。
ターゲットとなるユーザー層の設定は、性別や年齢、子供の有無といったものだけではなく、ユーザーが抱く興味・関心からも設定することができます。また広告を表示する場所も細やかな設定が可能です。
最後に広告として配信する動画を設定します。画面左の動画検索から、制作した動画を検索し、選択してください。
すると、実際の動画広告画面が表示されるので、広告の見出しやリンク先URLなどの設定を行います。広告の見出しはユーザーのアクションにも影響しやすいので、効果的なものにしましょう。
最後に「キャンペーンの作成」をクリックして完成です。
YouTube広告の面白いところは自由で多様な表現ができる部分。
既存のものにとらわれない効果的なプロモーションができるYouTube広告を、ぜひ一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。
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動画・映像制作の詳細に関しては、こちらのページからご確認ください。