
学校の様々な行事のあり方がデジタルへと変化する中、オンライン入学式・卒業式を実施・検討する学校が増えています。
しかし、オンライン上で感動の瞬間を共有することができるのかと疑問視する声も少なくはありません。そんな中、趣向を凝らした演出やVRなどの疑似体験を上手く活用したオンライン入学式・卒業式の成功事例が増えてきています。
当記事では、オンライン入学式・卒業式のメリット・デメリット、開催事例をご紹介していきます。
生徒にとって一生に一度の大切な場をどのようにするのか、対応の参考にご一読ください。
目次
オンライン入学式・卒業式とは、オンライン上で開催・配信される入学式・卒業式です。
自宅にいながら参加することができるので、会場に大勢が集まる必要なく、昨今の新型コロナウイルス感染症の対策として導入する学校が増えました。
またオンライン上だからこそ、対面の入学式・卒業式ではできないような演出も可能となり、対面型とは異なる”新しいセレモニーの形”として注目を集めています。
まず、オンラインで入学式・卒業式を行うメリットを3つご紹介します。
では、ご紹介していきます。
オンライン上だからこそ、どこからでも参加することができます。
自宅からも参加することができるため、対面の入学式・卒業式のように同じ場所に密集する必要はありません。また遠方に住んでいる家族・親戚も自宅から参加できるので、距離を理由に参加できなかった方にも晴れ姿を見せることができます。
対面の入学式・卒業式は、保護者の方は1家族1〜2人など、参加人数に限りがある場合もありました。
しかし、オンライン・バーチャルの場合は画面越しに見ることができるので、対面式のセレモニーよりも人数制限を設けずに開催しやすいという点があります。
大切な節目を家族全員に見てもらうことができます。
オンラインでのセレモニーは、開催時に録画をすることで卒業生や関係者・保護者に何度も繰り返し見てもらうことができます。
これまでの対面式では各保護者が祝いの瞬間を写真や動画に収めていたと思いますが、オンラインサービスの録画機能を活用して、当日参加できなかった人にもその様子を後日配信することができます。これは生徒にとっても、保護者にとっても嬉しいですね。
オンライン入学式・卒業式のデメリットもご紹介します。
では、ご紹介していきます。
入学式・卒業式は生徒にとっても、保護者にとっても一度きりのイベントです。新たな出会いや友人との別れがある入学式・卒業式には、何ともいえない特別感があります。
オンライン入学式・卒業式では、参加者と接触する機会はないため、その場で偶発的に発生するコミュニケーションは取ることが難しく、臨場感が薄れる可能性も。
しかし、バーチャル空間であっても、リアルに近い交流型のイベントを実施することは可能です。
入学式・卒業式のようなセレモニーの場面でよく見られる記念撮影のシーン。
思い出として写真に残したいという方は多いと思いますが、オンライン入学式・卒業式では、集合写真を撮るのは難しいでしょう。
ですが、映像として記録に残すことで何度でも当日の様子を楽しむことができます。
オンラインでの開催・配信となると、PCやカメラ、マイクといった機材はもちろんのこと、通信環境に問題はないか、事前準備をする必要があります。
初めてオンライン入学式・卒業式を開催する場合は、想定以上に準備に時間をとられてしまうので、余裕を持って機材や通信環境の整備をすることが重要です。
またどの配信ツールを利用するのか事前に決め、リハーサルやテスト配信を行い、本番時にトラブルが起きたとしても対応できるように準備しておきましょう。
ここでは、動画やVRを活用したオンライン入学式・卒業式の事例を7つご紹介します。
それぞれの学校ごとの取り組みをぜひ見てみてください。
出典:NHK NEWS WEB
2020年、北海道江別市にある酪農学園大学付属とわの森三愛高校では、卒業式を中止するという判断を下しました。これを受け、教員たちが生徒に卒業式の雰囲気を感じてもらうべく動画を作成。
卒業生227名の名前をクラス担任が読み上げている様子や、教職員一同が校歌を歌う様子を収録し生徒たちに配信しました。
『卒業』
卒業式が
急になくなってしまった皆さんへ…YouTubeのロンブーチャンネルで、3月15日にリモート卒業式をやろうと思うのですが…家から出ずともネットで繋がって卒業式をやりませんか?このタグに↓#ロンブーチャンネル卒業式
名前を書いてくれれば
校長役の僕が名前を読み上げます。 pic.twitter.com/uTYYLe7KBT— 田村淳社長△ (@atsushilonboo) February 29, 2020
お笑い芸人のロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが、卒業式が中止となった生徒に向け、リモート卒業式を企画。
ハッシュタグで参加者を募集しYouTubeチャンネルで名前を読み上げることをTwitter上にて表明しました。
実際の動画がこちら。
急遽、機材トラブルにより生配信から収録に切り替えましたが、視聴していた生徒にとって思い出に残る卒業式となりました。
学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校は平成30年度入学式にて、「VR入学式」を実施。入学式の様子を360度VRで生中継。全入学生に事前配布されたN高オリジナルVRゴーグルを用いて全国どこからでも会場の入学式に参加できる環境を実現しました。
参加者はリアルタイムでコメントを投稿できるため、オンライン上ではありますが一体感のある入学式となりました。
BBT大学は完全オンラインの「アバター卒業式」を開催。
ANAホールディングス株式会社の協力を得て、同社が独自開発した「newme(ニューミー)」というアバターを用いた卒業式で、卒業生らが遠隔操作でアバターロボットを操縦し、入退場や卒業証書を受け取りました。
オンラインの今後の可能性が期待できる卒業式の例です。
北海道奥尻高等学校は、参列者を小規模に抑えた卒業式を実施しました。
卒業生しか会場に集まることはできませんでしたが、卒業生の様子はzoomで配信され、在校生や保護者の方々も一緒に参加することができました。
教室で表彰状やメッセージを受け取る場面や、合唱する様子からは一人ひとりの想いが伝わってきます。
佼成学園女子中学高等学校はYouTube配信による「オンライン入学式」を実施。
配布したURLにアクセスしてもらい、学校校長挨拶や担任発表などを行いました。今までの入学式とは異なりますが、オンライン上でも緊張感のある式になっています。
▶︎佼成学園女子中学高等学校 「オンライン入学式」詳しい情報はこちら
出典:横浜デザイン学院公式HP
初のオンライン入学式を行った横浜デザイン学院。
zoomを使用しての入学式は多くの新入生が参加しました。
先生や在校生から歓迎の言葉が贈られ、日本語学科の入学式では、横浜デザイン学院合唱部による歓迎の歌が送られるなど、会場は暖かい雰囲気に包まれました。
この記事では、オンライン入学式・卒業式のメリット・デメリット、開催事例をご紹介してきました。
入学式・卒業式は生徒だけでなく、これまで関わってきた全ての人にとって大きな意味を持つイベント。対面やオンラインに関わらず、思い出に残る式にしたいものです。
弊社(リプロネクスト)ではVRコンテンツの作成やオリジナルVRゴーグルの制作、動画制作などを行っています。「臨場感のある入学式を行いたい」「生徒の思い出に残るコンテンツを制作したい」など、お気軽にお問い合せください。