
太陽の塔、東京スカイツリー、レゴランドジャパン、そして2023年3月開業予定の北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」。誰もが耳にしたことのあるような施設の数々を手掛けているのが、総合建設会社の株式会社大林組様です。
「MAKE BEYOND つくるを拓く」をブランドビジョンに掲げる同社は、建設DXに積極的に取り組んでおり、業務効率化に向けたVR研修システムの開発なども行っています。
私たちリプロネクストは採用向けVRコンテンツを体験するための、オリジナルVRゴーグルのデザイン・制作を担当させていただきました。
今回は同社の採用×VRの取り組みにフォーカスを当て、VRを活用して届けたい想いや活用方法について、人事企画課の山岡さんにお話を伺いました。
目次
1892年創業。2021年に策定したブランドビジョン「MAKE BEYOND つくるを拓く」を掲げ、国内建設事業・海外建設事業・インフラ施設の建設といった建設事業を軸に、脱炭素化に取り組む不動産の開発やグリーンエネルギー事業など、社会課題解決に向けた事業も展開。
さらに、建設業務での生産性や安全性の向上に向け、全てのプロセスでICTやロボット技術の活用を進めており、建設DXを推進している。
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まずはどのような経緯で、VRの採用コンテンツを制作するに至ったのか教えてください。
私たちは、採用活動を行う際に「現場を身近に感じてもらうこと」を大切にしています。以前は現地で案内をしていたんですが、コロナ禍で状況が変わり、動画で紹介していたのです。ですが、リアルな現場の雰囲気は表現しづらく、VRを活用しようという話になりました。360°の視点で届けることで臨場感が出るのではないか、と。
その場にいるような雰囲気を、VRを通して伝えたいという思いがあったのですね!
はい。弊社は国内外で建設事業を展開しているのですが、その中で北海道日本ハムファイターズの新球場「エスコンフィールドHOKKAIDO」と、横浜のみなとみらいにある複合施設の現場をVRコンテンツにしました。
大注目の新球場も大林組様が建設に携わっているんですね! ちなみに、このコンテンツは採用の中でも、誰に向けて、どんなシーンで活用されているんでしょうか?
基本的には新卒採用で使用しており、学生さんに向けた仕事紹介コンテンツとして役立っています。自社で行う会社説明会や、当社主催の学生向けセミナーで使っていますね。
オンライン、オフラインどちらのイベントでも使っているのですか?
現在はオンラインイベントのみで使用しています。
VRコンテンツは限定公開で、学生の皆さんには各々のペースで見てもらえる状態にしています。
VRコンテンツの内容についても教えていただきたいです!
現地を360°カメラで撮影し、若手社員が登場して施工方法の説明や仕事のやりがいなどを話しています。2本ともそれぞれ、30分くらいのボリュームです。
30分というと、比較的長尺ですね! VRコンテンツは短編コンテンツが多い印象ですが、長さには何か理由があるのでしょうか?
これまでの学生さんのアンケートを見ると「現場をじっくりと知りたい」「仕事の様子が見たい」という感想が多かったのです。いただいた内容を踏まえ、しっかりと見せる・理解してもらうということにこだわった結果、この長さになりました。
体験いただいた学生さんからは「細部まで見ることができてよかった」「具体的な施工内容を聞きながら、360°内部を見られた」と、好評をいただけたので安心しました。
ジョブセミナーでの満足度は、人気の高い座談会に次いで、2番目に選ばれたのがVRコンテンツでした。
リプロネクストでは、VRコンテンツを体験していただくためのVRゴーグルを制作させていただきました。ノベルティとして配布しようと考えた理由は何ですか?
やはり、リアリティにこだわりたいという思いからですね。VRゴーグルを使って見ていただくことで、その場にいるような感覚が生まれます。大林組の根幹は「現場でのものづくり」。本音は現地を見てもらいたいですが、遠隔でもそれに近い状態を表現するのであればVRだと思ったので、学生さんにもVRゴーグルを使って体験してもらいたいと思いました。
私たちにご依頼いただいた経緯も、教えていただけますか?
実は別の部署が以前に問い合わせをしておりまして、会社にサンプルがあったんです。そこで、素材の良さや丈夫な作りを実感したので依頼しました。
ありがとうございます!学生さんには、どのような形で配布しているんでしょう?
セミナーはオンラインが多いので、事前の申し込みフォームにてVRゴーグルノベルティの希望の有無を確認しています。その後、セミナー開催前までに郵送するというケースが多いですね。約7割ほどの学生がVRゴーグルを希望しています。100名参加の場合は70名くらいですね。
多くの学生さんに使ってもらえているなんて嬉しいです!
セミナーの途中でVRゴーグルの体験タイムを設けることもあり、自宅や学校などそれぞれの参加場所から使用いただいています。
大林組さんといえば採用VRコンテンツだけでなく、若手職員向けのVR研修システムを開発していたり、BIMモデル(※)を利用してお客様へのご提案・情報共有に役立てたりと、建設DXへの積極的な取り組みが印象的です。
(※)BIMモデル…BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)の略で、コンピューター上に作成した3Dモデルに複数の図面が自動生成され、設計から施工、維持管理までのあらゆる情報をデータで一元化して活用する手法のこと。
新しい技術の活用は、部門を問わず社全体で取り組んでいます。建設業界のリーディングカンパニーを目指して、業界全体を盛り上げていけるように挑戦する姿勢は大切にしていきたいと思います!メタバースの動きにも注目していますね。
メタバース空間に各現場を再現し、学生さんが職場見学をするなんてことも、できるかもしれないですね!今後の大林組さんの取り組みを楽しみにしています。そして、私たちもお力になれるように精進します!
大林組様の「MAKE BEYOND つくるを拓く」を初めて見た時「なんて素敵なブランドビジョンなのだろう…」と感動していましたが、今回のお話を通じて「建設」「持続可能な社会づくり」「DX」といった様々な文脈で「つくるを拓く」を体現していることを感じました。
今回、採用×VRの取り組みに少しでも携わらせていただけたことを誇りに思います。そして、このVRゴーグルが大林組様の未来を担う新たな仲間との結節点の一部になることを願っています。
山岡さん、インタビューにご協力いただきありがとうございました!