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VRで工事の危険箇所を確認。「安全研修ナビ」活用で建設現場に新たな変革を【株式会社興和様インタビュー】

VRで工事の危険箇所を確認。「安全研修ナビ」活用で建設現場に新たな変革を【株式会社興和様インタビュー】

新潟県新潟市に本社を構え、土木工事・建設コンサルタント・地質調査・建設の事業を展開する「株式会社興和」様。

建設業界には、普段私たちの目には触れないような過酷な現場が多数あり、この取り組みによって私たちの財産や生活が守られています。

重要かつ危険な業務だからこそ、同社が大切にしているのが作業員の方々に向けた安全教育。リプロネクストでは、VR技術を活用した安全教育コンテンツ「安全研修ナビ」の制作を担当しています。

今回は、この「安全研修ナビ」シリーズについて、制作に至る背景や、第一弾・第二弾それぞれのポイント、さらに今後の活用方法について株式会社興和 技術開発室長の栗原様にお話を伺いました。

「安全研修ナビ」とは

作業員の安全性・危機管理意識の向上を目的に、VRを活用した安全研修コンテンツ「安全研修ナビ」を制作。いずれも、パソコン・スマートフォン・ヘッドマウントディスプレイで体験できるマルチデバイス対応です。【第一弾】はバーチャルツアー(VR静止画)で、現場の様子を360°見渡しながら、安全に不備がある箇所を探し、クリック(タップ)すると正解と解説が出てきます。

【第二弾】はVR動画で、現場にいる作業員の動きを疑似体験しながら危険箇所を探し、危機管理能力の向上を図ります。

安全研修ナビ

安全研修ナビ【第一弾】の詳細はこちら

安全研修ナビ【第二弾】の詳細はこちら

疑似体験を伴う主体的な研修から、現場で活きる学びが生まれる

―これまでの課題について伺わせてください。

公衆災害を含め、事故をなくす・減らすというのが当社の掲げる目標にあり、その目標達成のために大切にしているのが作業員の安全教育です。しかしながら何十年も座学を中心とした教育方法は今も変わっておらず、定型的にパターン化された印象があり、時代に合わせて変えていかなければいけないと思ったからです。

そんな折に展示会で見つけたのが、VRを活用した現場研修コンテンツ。当社も360°カメラは持っていたのですが、上手く使えていなかったので「安全教育に役立てよう」「現場を体感しよう」と考えました。
作業員の仕事は、現場によって条件が全く異なるからこそ、疑似体験ができるコンテンツの方が知識や情報の定着につながると感じたのです。


―VRの“疑似体験”に着目した理由をもう少し詳しく聞かせてください。
他人目線で現場を疑似体験することで、そこから具体的な議論が生まれることを期待しました。

自分自身の行動よりも、他人の行動は目につきやすいものなので、VR研修後に「自分たちの現場だったらこんなふうに活かせそう」「ここはこうした方が精度が上がるんじゃないか」と良い点・改善点を洗い出すことで、より良い現場作りにつながると思いました。

現場条件が異なるからこそ、目的に合わせたVRで効果の最大化へ

興和様 インタビュー風景

―VRの活用を考えた中、リプロネクストを選んでいただいた理由を教えてください。

「安全研修ナビ」の相談以前から、採用向けノベルティの一眼VRゴーグルの制作や、プロモーション動画の制作などをお願いしたことがありました。この度のVR活用を検討する中、社員の皆さんが前向きで、新しい事業に積極的に取り組んでいる姿勢が印象的なリプロネクストに依頼したいと思いました。

ちょうど当社も、3年ほど前から20代の若手社員を集めたICTグループ「+ONE」を立ち上げており、アクションを重視し、イノベーションしていく土壌作りを行っています。そこで、「一緒に成長していきたい」という思いもあり、御社に相談しました。


―「安全研修ナビ」は第一弾がバーチャルツアー(VR静止画)、第二弾がVR動画と表現方法を変えているのが印象的です。ここにはどんな背景があるのでしょうか?

第一弾は、当社の仕事の約7割を占める斜面防災の「安全研修ナビ」です。斜面防災では、設備や体制面の危機管理に重点を置いてもらうべく、現場にトラップを置き、全体を見渡しながら不備を見つけてもらう静止画形式にしています。

一方で第二弾は、地下40mで作業をする地すべり防止のための現場です。こちらは、作業手順・作業の様子を時間の経過とともに把握し、危険箇所を見つける重要性があるため、動画になっています。

先ほどお話ししたように、現場によって条件が全く異なるため、各シーンに合わせた“安ナビ”が完成しました。

“安ナビ”導入後、研修時のコミュニケーション量が増加。採用シーンにも展開したい

―「安全研修ナビ」活用後の反響についてお聞かせください。

第一弾「安全研修ナビ」は、社内で実施している安全研修で4回ほど使いました。

「現場の雰囲気を事前に知れる」「仮設備計画に役立つ」など前向きな感想が多く見られました。実際「安全研修ナビ」を導入してから、研修時の作業員同士のコミュニケーション量が増えて、受け身ではなく主体的かつポジティブに学んでいる姿勢が印象的です。

興和様 安全研修

第二弾はこれから活用していくのですが、現場からのフィードバックを活かした形でVR動画版として完成したので、どんな反応があるか楽しみです。


また、今後は研修だけでなく他の活用法も検討しています。
例えば、就活生に向けた採用コンテンツとして、現場のリアルな様子と、ひとの命を守る仕事の意義を伝えたいです。他には、社外向けの事業紹介ツールとして横展開ができたらと思います。


―2023年2月には、リプロネクストの社員が講師となり「安全研修ナビ」活用勉強会も実施されました。その時の様子もぜひ教えてください。

若手社員を集めたICTグループ「+ONE」を集めて行った勉強会では、メンバーたちが積極的に意見を交わし合い、今後の“安ナビ”の活用法についても議論をしていて、とても頼もしく感じました。

今年で3年目を迎えたこのチームのキーワードは“実践”。これまでの基礎を活かして、今後は自分たちが主体となってアクションを起こしていきます。

“安ナビ”を含め、ICTを推進し、個人として、会社として、そして社会の一員として、より良い未来づくりを牽引していってもらいたいと思っています。

取材を終えて

興和様は“人”を最優先に考え、現場をより良くするために新たな技術の活用や、若手チームの推進力向上に向けて様々な取り組みをおこなっています。

こうした活動を通じ、「自社のみでなく、地域や業界全体のイメージアップにつながれば」と未来に目を向け、話されている姿が印象的でした。

私たちは今後も「安全研修ナビ」シリーズの展開はもちろん、興和様のICT推進を全力でサポートさせていただきます。

栗原様、インタビューにお答えいただきありがとうございました!

たかはし
たかはし
広報・メディア
2020年4月入社。大学卒業後にUターンし、地方誌編集、企業広報を経て現在に至る。人の心を動かし、寄り添える広報を目指し奮闘中。お酒と新潟と音楽が好き。