こんにちは。メディア担当河合です。
4月に入り新年度が始まりましたね。
実態のつかめなかった新型コロナウイルスの脅威を改めて実感しているような今日この頃ですが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
全世界で、猛威を振るっている新型コロナウイルス。
新潟では各企業がどのような影響があって、それぞれどのように対応しているのか…。今回はそんなところを調査してみたので皆様に共有致します。
ぜひ、今後の対応を考える際の参考にしていただけましたら幸いです。
まず、新型コロナウイルスの感染状況ですが、2020年4月2日時点で、国内の感染者数は2,384名(前日比+206)、死亡者数57名(前日比:±0)、国外では感染者数820,736(前日比+72,511)、死亡者数40,534(前日比40,534)となっています。
ちなみに、新潟県では3月28日(土)までに31例報告されています。
このような状況の中、国としてははどのように捉えているのでしょうか。こちらは、厚生労働省による「新型コロナウイルス感染症対策の状況分析・提言」から一部抜粋したものです。
「今のところ諸外国のような、オーバーシュート(爆発的患者急増)は見られていないが、都市部を中心にクラスター感染が次々と報告され、感染者数が急増している。そうした中、医療供給体制が逼迫しつつある地域が出てきており医療供給体制の強化が喫緊の課題となっている。」
▶厚生労働省:新型コロナウイルス感染症対策専門家会議の見解等
諸外国の現状と、今の日本の状況を比較しながらも非常に緊迫した状況であるという認識であるということがわかりますね。このほか、提言において「3つの密」※を避けるための取り組みの徹底や、自分が患者になった時の受診行動などについても指摘されています。
※①寒気の悪い密閉空間、②人が密集している、③近距離での会話や発声が行われる、という3つの条件が同時に重なった場のこと。
気になるのは、「新潟県内企業への影響」。
東京商工リサーチ新潟支店が3月16日に発表した、新型コロナウイルスの感染拡大による新潟県内企業への影響をまとめた第2回の調査結果では、「すでに影響が出ている」とした企業は54.9%で、「影響が出る可能性がある」との回答を含めると全体の94.5%に達したというデータが出ています。
主な影響は「イベント、展示会の延期・中止」や、「マスクや消毒液など衛生用品が確保できない」、「商談の延期・中止」が多かったそう。
▶日本経済新聞:新潟県内企業、新型コロナ「影響」94% 民間調べ
また、県内の雇用にも影響が出ています。
新潟労働局は3月31日に新型コロナウイルスの影響が拡大する中、新潟県内で学生が就職の内定を取り消されたケースが1件あったと明かしたそう。内定取り消しについての学生からの相談はこれまで約10件、解雇や雇止めの相談は約20件ほど。
▶新潟日報モア:内定取り消し 新潟県内で1件
東京商工リサーチによると、3月31日時点で、新型コロナウイルス関連の倒産は全国で19社。全国的には観光や飲食関連の倒産が多い傾向にあります。
新潟でも、上越市の髙倉商事株式会社が新潟地裁に破産申請を行い、倒産。新潟県では初めての新型コロナウイルス関連の倒産となってしまいました。
新型コロナウイルス・東京オリンピック延期の影響により今後も、倒産の危機に追い込まれる企業が増えてくると予想されています。
▶にいがた経済新聞:「新潟県発の新型コロナウイルス関連倒産」
観光にも大きな影響を及ぼしています。新潟県内で予定されていた2月~6月のイベントが、軒並み延期、もしくは中止となっています。
例えば、「にいがた酒の陣」、つがわ狐の嫁入り行列、胎内市チューリップフェスティバル…など県外からも人が集まるような大きなイベントを中心として中止の動きが依然続いています。
▶にいがた観光ナビ:「新型コロナウイルス感染症の拡大防止による新潟県内イベント中止及び変更について」
こういった現状を踏まえ、県内企業はどのように対応しているのでしょうか。前例のない事態に直面した際、最適解を探るためには他の企業や他の人がどのような行動をとっているのかということを注意深く観察することも一つ大切なことになってきます。
予防を徹底している会社が多く見受けられます。決まった時間に手洗いうがいをする・県外への出張やプライベートでの外出は控える・接客時のマスク着用…などなど、企業ごとに様々な配慮が見受けられました。
例えば、タクシー県内最王手の都タクシー(新潟市)では、乗客が降車した後の除菌や換気を徹底したり、乗車前の点呼でも社員同士が近づきすぎないようにするなどの配慮をしているらしいです。
また、第四北越フィナンシャルグループでは、取引先などとの面談記録を残すようにしているなど、各企業が予防や拡散防止に注意を払っています。
<その他参考>
▶新潟日報事業社:「弊社の新型コロナウイルス対策について」
▶ホテルオークラ:「新型コロナウイルス感染予防対策について」
また、テレワーク(在宅勤務)の動きが広がっています。アルビレックス新潟では12日まで原則・全職員の在宅勤務を実施しています。そのほか、webサイト制作や雑誌編集などを展開するクワサンプラスや、ダイニチ工業札幌オフィスなど、県内企業にも在宅勤務を推進する流れが広がっています。
▶FNN PRIME online:「新型コロナウイルス バス会社やアルビレックス新潟が対応策発表」
イベント等の自粛の流れを受け、オンライン対応をする企業や組織も増えてきています。新潟食糧農業大学では、webオープンキャンパスを開催。キャンパスツアーや授業体験、入試概要説明等の動画コンテンツが揃えられています。
▶webオープンキャンパスの詳細はこちら
その他、講座や読書会等もZOOMやWhereby等のweb会議ツールを使ってオンラインで行う動きがかなり活発に巻き起こっています。
長岡市を拠点に、中小企業のコンサルティングを手掛けるグローカルマーケティングは、「新潟マーケティング大学」のオンライン講座をYouTubeにて無料配信しました。
新型コロナウイルスの影響を受けている企業向けの支援策を、各自治体が中心となって検討しています。どの企業も苦しい経営が続いていることと思われます。
支援制度がだんだんと整いつつありますので、積極的に活用することをおすすめいたします。
・新潟県:新型コロナウイルス感染症対策情報「経営相談窓口や中小企業向け融資について」
・長岡市:「長岡市制度融資 新型コロナウイルス感染症対応要件」
・阿賀野市:【市内企業・事業所の皆さまへ】新型コロナウイルス感染症の発生に伴う支援
・三条市:新型コロナウイルス感染症関連の企業向け支援について
・柏崎市:【市内事業者の皆様へ】新型コロナウイルス感染症の影響に係る主な支援制度(資金繰り・雇用関係)のご案内
など、各自治体HPに支援策に関する情報がアップされていますので、チェックしてみてください。
新型コロナウイルスが様々なところに影響を及ぼし、そしてそれがまた次のところに影響を及ぼし…という、新型コロナウイルスを起点に連鎖的に問題を引き起こし、それらが複雑に絡み合っています。
こういった時に、どんな対応が一番良いという絶対的な解はありません。
まずは、一人ひとりがこの状況を冷静に観察し、見極め、自分はどのような行動をとったらよいのかということを考えていくことが大切なのかなと感じます。
それでは、今年度一年のみなさまの健康をお祈りしています。
また来週!