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”じぶんの”暮らしや仕事を彩る「センス」の磨き方【千葉仁さんインタビュー】

こんにちは。リプロネクストメディア担当河合です。

新型コロナウイルスの感染拡大が一旦は終息に向かう中、リプロネクストも有難いことに忙しさを取り戻しています。

 

そんな忙しい時ほど、「暮らし」を大切にしたいな~と思う河合でありますが、なかなかできるものではないですよね。(最近は、近くで買ったカップラーメンやパンをお昼に食べています…。お弁当を持っていきたい!!)

 

“くらし”を大切にしている人は、仕事の時間も豊かだと思うんです。感じ取る力やセンスが暮らしの中で磨かれていき、仕事で得られる学びや、アウトプットの幅が広がるのではと感じます。

 

というわけで、そういうのって、大事なんじゃないかなと思うわけで、千葉仁さんにインタビューをさせていただいたわけなのであります。

 

千葉 仁さんとは?

千葉仁さん顔写真

宮城県富谷市出身のクリエイター。映画や映像のプロデューサー・監督・カメラマン・編集などを一手に担い、「新潟から世界に届く映画を発信すること」をテーマに活動している。大学進学を機に新潟に移住。今は新潟市の古町に拠点を構え、フリーランスとして生計を立てている。

千葉さんのFacebookはこちら

 

これまで何度も千葉さんとお話してきましたが、毎回千葉さんの「視点」や「深い思考」に驚かされています。
今日はどんなお話が聴けるのか…。 わくわくです!

 

それでは、インタビュースタート!

今回もオンラインで取材しています! 千葉さん、よろしくお願いします!

映像に関わる仕事

河合:なんだか改めて取材させていただくということで少し照れますが…笑 まずは、現在のお仕事について教えてください!

千葉:主に映像制作を行っています。企画・撮影・編集など、映像制作の工程のすべてを手掛けています。具体的には企業向けのPVや、教育系の動画制作などを行ってきました。

 

■制作動画の一部をご紹介!

 

河合:本当に数多くの映像を制作されていますよね~。 あとは、千葉さんといえば「映画」ですよね!

 

千葉:そうですね。映画もプロデューサー・監督・カメラマンを一手に担い制作しています。

 

河合:ちなみに、どんな作品を制作してこられたんですか?

 

千葉:以前、自分の活動を映画にしてほしいという方がいて、その方のドキュメンタリー映画を撮りました。その人は、フィリピンで俳句を教えている人で…。なんと、フィリピンでの撮影だったんです。

 

河合:フィリピン! なんだかおもしろそうですね!

 

千葉:それが、ま~大変で(笑)

そもそもフィリピンを知らないので、現場を想像できないんですよね。どんな場所かとか、現地の人たちはどんな暮らしをしているのかとか…。

本当に海外でのお仕事となると、現場に入らなければわからないことが99%だなって身をもって感じました。

例えば、事前にキャストの人に会うことができないので、フィリピンに行ったその日に、誰を主人公にするかを決めました。まあ、元々はこの人が主人公だなっていうのがあったのですが、もっと面白い人がいて主人公を変えたんですよね。

フィリピンの高校生たちのとの一枚

フィリピンの高校生たちとの一枚

その人の家で2日間撮影をしたのですが、本当に面白かったです。そこは超田舎で、ニワトリとか野良犬が普通にいて…人間と仲良く遊んでいるようなところでした。

日本では触れることのできないような暮らしに触れ、現地の人たちと交流して、楽しい日々でしたね

仕事は、やれて1日3~4時間

河合いつもどんな風に仕事をしているんですか?

千葉さん仕事風景

千葉:時間軸で言うと、自分の好きな時間に起きて仕事を始めます。大体7時~10時くらいですかね。そしたら、だいたい15時くらいには疲れてきて…。そういう時は仕事をやめて、外出します。

 

河合外出してどんな風に過ごしているんですか?

 

千葉:たいてい雑誌を買いに行ったり、映画を見たりっていう感じですかね。雑誌は男性誌だけではなくて女性誌も買って読んでいます。

 

河合:そうなんですか! それはなんでですか?

 

千葉:自分の知らない分野に触れるということを大切にしているんです。雑誌のレイアウトやテロップのいれ方などは、映像をつくる上で表現の参考になることもたくさんありますしね!

 

河合:情報収集や学びの時間・機会を意図的につくっているんですね。フリーランスとして自由に働き方をコントロールできるからこその良さかもしれませんね!

 

千葉:そうですね。仕事をする上では「最大限の価値を生み出すにはどうすれば良いか?」という問いに常に向き合っています。

 

動画編集画面

※イメージ

僕は、いいものをつくるためには、1日3~4時間くらいしか働けないんです。だから、そのほかの時間を自分の感覚やセンスを磨いていくための、情報収集や学びに時間やお金を費やしているんです。

 

河合:なるほど~。いろいろともっと聴きたい話が出てきましたが、一つずつ、お聴きしますね(笑)

まず、先ほど「最大限の価値を生み出すにはどうすれば良いか」という問いと常に向き合いながら仕事をしているとおっしゃっていましたが、それについてもう少し教えてもらえませんか?

 

千葉:やっぱり、お仕事をいただいたからには、いい仕事で返したいですよね。何かのせいにはせず、自分の今の力をすべてぶつけていきたいって考えています。

まあ、逆に言うと、「自分はここまでやったんだから」と思い切り人のせいにできるくらいの仕事をしていきたいって感じですかね(笑)

 

河合:なるほど~!とても素敵だなと感じました! ちなみに、具体的にはどんなことをしているんですか?

 

千葉:わかりやすい例えをすると、相手の要望に対応できる機材がなければすぐさま買うっていう感じですかね。

できることならなんでも…。特にお金で解決できる問題なら、すぐに改善します。

千葉さん愛用の機材カメラ

千葉さん愛用のカメラ 出典:Blackmagic

 

河合:いや~、本当にプロフェッショナルですね。

 

千葉:そういう風に言ってもらえるからプロらしくなれるんです。僕はフリーランスなので、上司はいません。

お客さんから言ってもらえる言葉が一番の学びなので、そこは本当に大切にしていますね。

千葉さんのセンスの磨き方

河合:先ほど、ちらっと「自分の感覚やセンスを磨いていくための、情報収集や学びに時間やお金を費やしている」とお聞きしましたが、どのように感覚・センスを磨いているのか、具体的に教えてください!!

 

千葉:わかりました。では、ざっとご紹介します!

1.読書

本棚

千葉:土台はやっぱり読書です。本屋で気になったものは読む読まない関係なしに買っていますね。もし、読んでみて違うなと思ったら、「いま、なぜ違うと思ったのか」を考えるんです。

だいたいの人は、本は買ったら読まないといけないと思っているかもしれないですが、1ページ~2ページ目で、「いま読みたいか・いま読まなくてもいいか」がわかります。

もちろん、本は娯楽だと思っているので、純粋に本を楽しみ、とにかく感動したい。ただ、その本を手に取った時、自分の内面がどのように動いたかということを観察することも、自分の感覚やセンスを磨いていくための第一歩になっていくのかなと思います。

 

河合:なるほど~。違うと思ったら、なんで、いま違うと思ったのかということに目を向けてみるということですね! そんな風に本と向き合ったことなかったです!

ちなみに、最近で「違うな」と思った本はありますか?

 

千葉:サドの「閨房哲学」や、カポーティの「冷血」ですかね。

例えば、サドの「閨房哲学」でいえば、この本は『悪役』を描いていて…。自分は『悪役』というものに興味があるんだと思っていましたが、いざ手に取ってみると興味の対象は『悪役』そのものではなくて、「どんな事件やイベントが起きていたのかに興味があったんだな~」と感じました。

 

河合:「違う」と思うものを「違う」と認識することも自分の感覚を研ぎ澄ませていく上で大切になってきそうですね!

2.ファッション

teny新潟一番

上記、4番目の動画に関するテレビ放送

千葉:あとは、ファッションですね。映像は、きれいなものをつくりたい。まずはそれが自分の体でできていないといけないと思うんです。一番気軽で手軽なアウトプットがファッションだと思います。

まだまだ、ファッションについて勉強し始めたばかりですが、毎日自分のこだわりを入れるようにしています!

3.音楽

BUMP OF CHICKEN

千葉さんの好きなバンド「BUMP OF CHICKEN」 出典:wikipedia

千葉:音楽もこだわっていますね。最近では自分で音楽をつくったりもしています。既存のドラム音源を組み合わせて繋ぎ合わせたりしながら、自分でつくることで映像にバチっと完璧に合う音楽ができるんです。

やっぱり何かの動画に音楽を合わせたいとき、既存の音楽で、自分の中のイメージと完璧に合う音楽ってないんですよね。自分の狙い通りの雰囲気をつくれたときは、めちゃくちゃ気持ちがいいんです。

 

河合:音楽も自分でつくっているんですか!

それは知らなかった…。確かに、既存の音楽では、自分が本当に表現したいことを100%表現できるわけではなさそうですが…。そこまでやってるなんてびっくりです。

ちなみに、音楽を聴くときも何か工夫をされていたりするんですか?

 

千葉:とにかく自分の知らない音楽を聴くようにしていますね。例えば、友人がいつも聴いている音楽を聴くために友人の家に行くっていう感じです。意図的にそういった時間をつくっていますね。

 

河合:なるほど。自分の好みではない音楽をとにかく聴くっていうのも大切なんですね。千葉さんが、そういう時間を意図的につくる時ってどんな時なんですか?

 

千葉:ん~、「尖りたい時」ですかね。音楽性、例えば好きなリズムや、好きなメロディとかってその人自身が表れますよね。だから、今の自分に違和感を感じた時とか、もっと突き抜けたいと思った時に、今まで聴いていなかったような音楽を聴くんです。

4.花

桜

千葉:あとは、最近すごく花が好きになったんですよね。すごく覚えているのが、「葉桜」を見たときに、とても美しく思えたこと。以前そこに咲いていた桜が心に映って…。なんとも言えない美しさを感じたんですよね。

そこにあるものだけでなく、「どう受け取るか」「どう映るか」ということに対しても目を向けていくことが大切だなと感じたんですよね。

5.味覚と嗅覚

千葉:普段の食事や、生活の中で感じる味覚や嗅覚も最近意識をするようになってきました。美味しいものを食べるとか、いろいろなもののにおいをかぐというのも感覚を磨いていくためには本当に大切かなと思いますね。

美味しいものを食べたとき、「美味しい」だけではなくて、「なんでこれは美味しいのだろう…」などと考えながら、料理を味わい尽くすということを心がけるようにはしていますね。

 

シャトーブリアン

千葉さんの誕生日に、近所に住む料理教室の先生が作ってくれたシャトーブリアン

幸い、美味しいものを作ってくれる人が近くにいて…。

いつも味わって食べています!

6.絵や写真

千葉:あとは、写真や絵を買うようになりましたね。それも直感で。この表現はきっといつか映画で使うだろうなと思ったっていうのもあります。

 

河合:いいですね~。写真や絵を家に飾るの、ものすごく憧れなんです。気に入ったものを見つけたいものですね。

 

千葉さんがしっくり感じる「老荘思想」

河合:なんだか、ある意味で自分を一歩俯瞰して見て楽しんでいるように感じました。「自分はどう感じているんだろう…」とか「自分にこんな一面があるのか!」という内面の動きを自分で見て楽しみ、新たな感覚や表現をひとつひとつ見出しているのかなと思います!

 

千葉:そうですね。僕は「老荘思想」というものがしっくりくるな~と感じていて…。まさにそんな感じなんですよね。

 

河合「老荘思想」…?

 

千葉:僕は自分が楽になれる哲学と捉えているのですが、ある種、中途半端な感じが肯定されている考え方なんです。例えば、「善」と「悪」があったとして、それは、どちらも「善」であり「悪」である。そして、「善」も「悪」もないんです。

どういうことか簡単に言うと、どんなことも二面性や矛盾を内包していて、捉え方次第でどちらにもなり得るということ。そして、それはそもそも、人の中にしか存在しないんです。

 

ただ、自分が起こす行動って一つですよね。だから、その自分が起こした行動を、自分のその時の感情を手掛かりに観察しているんです。そうして自分の行動に自分で納得しているんですよね。だから、失敗した時でも、自分の中でちゃんと納得できるし、もちろん、きちんと相手に謝るようにもしています 笑

 

河合:なるほど~。あの時の行動は「善」だったのか「悪」だったのか…というものさしではなく、「自分は何でこの行動をとったのだろう?」「このとき、自分はどんな感情だったっけな?」ということを、見つめているんですね!

今後も大切にしていきたい在り方

河合:いや~、千葉さんのお話を聴くのは本当に面白いです。最後に、千葉さんの今後も大切にしていきたい在り方について教えてください。

 

千葉「どうやったらもっとおもしろく遊べるか?」だけを考えていきたいですね。例えば、前もやっていたけれど、素人ばかりを使って映画をつくったり…。

とにかく、脳みそからアドレナリンを出す!って感じですかね!(笑)

 

映像は、その人を映します。どんな映像もその人が過ごしてきた日々が現れてきます。日常に楽しめるものがたくさんあるのだから、その日常を味わい、楽しんでいれば自ずと、楽しい作品になるんじゃないかなと思います。

 

河合:「どうやったらもっとおもしろく遊べるか」…。それに尽きると思いました。そこを考え抜くことが、自分の感覚やセンスなどを磨いていくということなのですね。

 

今日はありがとうございました!!!

まとめ:感覚やセンスを磨く「もっと面白がるには」という視点

いや~、深いお話を聴けて、めちゃくちゃ面白かったな~。

やはり、自分の感覚を磨いていくヒントは日常の中にあるんですね。それを”じぶんが”どう捉え、どう面白がるのか…。そんな視点を今回のインタビューでいただいた感じがします。

 

日々忙しく働いていたり、精神的な余裕がなかったりする時、無意識的に日常を「こなす」という状態になってしまうこともあります。

 

よりよく働き、よりよく暮らすために、日常の中で自分の感覚を開いたり、自分自身を観察してみたり、いつもと違う行動を意図的にとってみたりするということをもう少しやってみたいなと思ったわけであります。

 

さて、今回はここまで。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

 

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