東京測器研究所|計測機器の選定に対話型AIコンシェルジュ「NOIM」を導入。製品選定の迷いを整理し、問い合わせの質を高める
#AI
#製造

DATA
株式会社リプロネクスト(代表取締役:藤田 献児)は、株式会社東京測器研究所(本社:東京都品川区、代表取締役:木村 真志)と連携し、ひずみゲージ・変換器・測定器などの計測機器検討者向けに、対話型AIコンシェルジュ「NOIM(ノイム)」を試験的に導入しました。製品選定の複雑さによるWebサイト上での離脱防止と、検討者の用途・条件を整理することで問い合わせの質を高める効果を検証します。
背景・課題
東京測器研究所は1958年の創業以来、ひずみゲージをはじめとする各種センサ・変換器・測定器を開発・製造する計測機器の専門メーカーです。ひずみゲージだけで約8,000種、変換器・測定器・データロガーなど多岐にわたるラインナップを擁し、官公庁から大学研究機関、自動車・重工業まで幅広い産業分野に製品を提供しています。
同社のWebサイトには製品情報や技術資料が豊富に掲載されている一方、検討者がそこから「自分の用途に合った製品」にたどり着くまでのプロセスには、構造的な難しさが存在していました。ひずみ測定は、センサとデータ収録機器を組み合わせて初めて結果が得られる性質があり、単体の製品を選ぶだけでは完結しません。さらに、測定対象が何か、使用環境の温度範囲はどうか、必要な精度はどの程度か、早い現象を捉えたいのかゆっくりとした変化を監視したいのかといった複合的な条件によって、最適な構成が大きく異なります。
同社の営業は「技術営業」としての側面が強く、安易に製品を販売することを避け、顧客の誤選定を防ぐための丁寧なヒアリングと技術サポートを重視しています。しかし、Webサイトの段階では「製品が多すぎて何を選んでいいかわからない」「何を揃えれば測定を始められるのかわからない」といった理由で離脱するユーザーが一定数存在し、その離脱理由がブラックボックスになっていました。特に、流入経路によっては、計測経験のない層は全体の4割から5割に達するとの見立てもあり、製品選定のハードルを下げる仕組みが求められていました。
実施内容
■株式会社東京測器研究所公式サイト
https://www.tml.jp/
NOIMの設計
本NOIMは、東京測器研究所の技術営業が現場で実践している「用途確認から条件整理、誤選定回避、最適提案」という選定支援プロセスをWeb上で部分的に再現する「計測コンシェルジュ」として設計しました。
設計にあたっては、同社が大切にしている「誤選定を防ぐために安易に売らない」という技術サポートの姿勢をNOIMの回答方針に反映しています。具体的には、型番や仕様を断定的に確定させることは行わず、ユーザーの条件に応じて候補となる製品カテゴリと理由を提示する方式を採用しました。すべての回答に「製品購入前の最終確認は弊社営業へご相談ください」という定型メッセージを含めることで、AIによる誤選定リスクに対する同社の懸念にも対応しています。
対話構造
ユーザーが対話型AIコンシェルジュを起動すると、まず「何を測りたいか」と「用途(品質管理・トラブル究明・研究・試験など)」を確認するところから対話が始まります。続いて、測定対象の材質や形状、使用環境(温度・湿度・屋内外)、必要な精度、測定が単発か長期かといった条件を段階的にヒアリングしていきます。
条件が整理された段階で、対話型AIコンシェルジュは該当する製品カテゴリ(高温用ひずみゲージ、防水型ゲージ、ワイヤレス測定システムなど)を候補として提示します。その際、なぜそのカテゴリが適しているかの理由も併せて説明します。さらに、「このゲージを使う場合は接着剤も必要です」といった関連製品の案内や、同社が運営する「e-ゲージショップ」での購入可能品目への導線も組み込んでいます。また、施工代行・測定サポートといったサービス情報もNOIMのデータベースに含めています。
計測指標
本試験導入では4つ標を中心に効果を計測しています。第一にCV指標として、見積依頼・技術相談フォームへの到達率を追跡しています。インターネット検索経由の問い合わせの半数以上が見積依頼であるという同社の特性を踏まえ、この指標を最優先としています。第二に会話開始率として、製品ページ訪問者のうちNOIMとの対話を開始した割合を計測しています。第三に平均会話ラリー数として、用途・環境・精度・設置条件といった主要項目がどの程度埋まったかを把握しています。
今後の展望
今後は、カタログ情報に基づく関連製品の紐付け精度の向上と、施工サービス情報の拡充・動画コンテンツへの誘導強化を段階的に進めます。同社が計画するWebサイトリニューアルにおいては、NOIMの運用で蓄積される会話ログをUX設計に活用します。