岩手県大槌町|観光交流協会様の公式サイトに対話型AIコンシェルジュ「NOIM」を導入。
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ー 現地の人の魅力・あたたかさをAIとの対話で届ける ー
DATA
株式会社リプロネクスト(代表取締役:藤田 献児)は、一般社団法人大槌町観光交流協会と連携し、来訪検討者向けの対話型AIコンシェルジュ「NOIM(ノイム)」を設計・導入いたしました。
本プロジェクトでは、大槌町への旅行を検討しながらも「交通手段が分からない」「宿をどう選べばいいか決められない」「イベントでの来訪時、他にどこに行けば良いかわからない」といった迷いを抱える方を中心に、AIとの対話を通じて条件を整理し、公式サイトの宿泊・体験・飲食ページや問い合わせフォームへの接続率を高めることを目指しています。
背景・課題
大槌町は岩手県三陸沿岸部に位置し、海と山が近接する自然豊かな町です。三陸鉄道リアス線が走り、サーモン養殖やジビエなどの食文化、虎舞をはじめとする伝統芸能が根づいています。イベントや祭りの時期には一定の来訪者が見込まれるものの、通年で安定した集客には至っておらず、観光交流協会として、日常的な来訪のきっかけをどう作るかが課題となっていました。
観光協会の窓口には、高齢者層を中心に電話による問い合わせが日常的に寄せられています。その内容で最も多いのは交通手段に関するもので、盛岡駅からのアクセス方法、三陸鉄道の時刻表送付の依頼、冬季の道路状況や鉄道の遅延情報といった問い合わせが頻発しています。観光協会は鉄道事業者ではないため、リアルタイムの運行情報を常に把握しているわけではなく、確認に時間がかかるケースも少なくありません。
宿泊施設に関しては「おすすめの宿はどこですか」という漠然とした質問が多い状況です。観光交流協会としてはスタッフ個人が実際に訪れた際の経験に基づいて、問い合わせた方にあった宿を提案しているのが実態です。 ご案内の質はどうしても属人化しており、案内できる人・リソースが限られている大槌町にとっては、どう対話的なサポートをより効率的に行っていくかが課題でした。
一方で、Instagramの投稿をアルバム形式に改善し閲覧数は順調に伸びています。しかし、そこから実際の来訪につながる導線は確立できておらず、どの程度来訪につながっているのかという定量的な評価も難しい実態があります。
担当者は、イベントや祭り、伝統芸能以外に「目的地」と呼べるコンテンツが町に不足していることが、特に若年層の来訪を妨げている主な要因だと分析しています。隣接する自治体と比較した際、大槌町への来訪には「もうひと押し」が必要であり、その後押しの材料として、公式サイトでは記載しづらい「人柄」や「雰囲気」といった大槌ならではの魅力をどう届けるかが鍵であると考えています。
実施内容
■一般社団法人大槌町観光交流協会公式サイト
https://otsuchi-ta.com/
NOIMの設計
本プロジェクトで最も重視したのは、観光協会の窓口スタッフが日常的に行っている電話対応・窓口対応を再現するという設計方針です。旅行者に対していきなりおすすめを提示するのではなく、まず「いつ頃来るか」「何人で来るか」「どんな目的か」を確認した上で、その条件に合った提案を組み立てる構造としています。大槌町のNOIMは、回答のスタンスとして「中立だが温度感がある」ことを重要視しています。
加えて、公式サイト上では角が立つために記載しにくい「人柄」や「雰囲気」に関する情報を、対話型であるNOIMの中に限定して提供できるようにしています。たとえば、「あったかいおばちゃんがいる民宿」「地元の人にも親しまれている飲食店」といった表現は、Webページ上では中立性の観点から掲載しにくいものの、来訪の意思決定に影響する情報です。方言を表現しながら、対話の中で温度感を伝え、実際に大槌に来て雰囲気を感じてみたい、人々と交流してみたいという気持ちを湧き立てていきます。
対話構造
NOIMは、大槌町観光交流協会の公式サイト上に設置される対話型AIコンシェルジュです。旅行者がNOIMに話しかけると、まず来訪目的・人数・季節・移動手段・滞在日数・重視する点を短く確認します。これは観光協会の窓口スタッフが電話対応で行っている手順をできる限り再現したもので、条件が整理できれば「この人にはこの宿が合いそうだ」という提案が自然に組み立てられるためです。
全体として大きく分けて、交通・宿泊・食・観光・体験・情報サポートの6カテゴリで構成しています。NOIMの回答は定型文ではなく、ユーザーの状況やそれまでの会話に応じて文章が柔軟に変化する仕組みです。なお、天候・運行情報・イベント日程など変動が大きい情報についてはNOIMが断定的に回答することを避け、公式サイトのお知らせページやSNS(Facebookを最新情報用、Instagramをビジュアル情報用と使い分け)への誘導を基本としています。
計測指標
本導入では、会話完了率(途中離脱の低減)、次の一歩到達率(予約・問い合わせ・来訪計画の具体化に至った割合)を主要指標として追跡します。あわせて、問い合わせ工数の削減効果(電話・メールの一次対応がNOIMで完結した割合)などを計測します。加えて、会話ログの品質として「旅行者の迷い・不安・判断軸がどの程度言語化されたか」を定性的に分析し、観光協会の情報発信戦略や窓口対応の改善に活用する設計です。
今後の展望
本導入では、会話ログの分析を通じた情報発信の高度化を進めます。旅行者がどのような情報を求め、どこで判断に迷っているかを週次・月次で抽出し、NOIMの回答精度向上と公式サイト・SNSのコンテンツ改善に反映していきます。そして、より温度感を持った対話を実現するための改善を繰り返してまいります。