静岡県|仏像体験会をメタバースで開催、距離・角度の制約を超えた文化財鑑賞体験を実現
#デジタルアーカイブ #メタバース
#観光 #広報・PR

DATA
株式会社リプロネクスト(代表取締役:藤田 献児)は、静岡県と連携し、県内文化財の仏像を3Dデータで展示する仏像メタバースギャラリーの構築と、ハイブリッド形式による仏像体験会の実施を支援しました。
背景・課題
自治体の観光・教育・防災分野において、自然・文化・環境資源は天候・季節・保全上の制約により常時公開が難しく、域外・次世代への価値継承が分断されやすいことが課題です。デジタルアーカイブの一環として、VR・メタバース・AIを活用することで、分野横断的な継続発信と活用設計を実現できます。
静岡県には国・県指定を含む多数の文化財が存在しますが、各地に点在していること、ならびに常時公開が行われていないことから、県内外の方が文化財にふれる機会は限られていました。物理的な制約を超えて文化財にアクセスできる場を整備する手段として、メタバース展示室の活用が検討されるに至りました。
実施内容
■空間URL
■レガシズ:イベントのお知らせ
https://lega-shizu.com/archives/news/1057561
既存施策と連携した仏像メタバースギャラリーの構築



静岡県では令和5年度に、静岡県を舞台としたメタバース空間「Metaverse SHIZUOKA」が整備されていました。また、令和6年度から「文化財3次元データ整備事業」として仏像等の3Dデータ化が推進されており、今回の仏像メタバースギャラリーはこれら2つの既存事業を連携させる形で設計されました。
さらに、県文化財ポータルサイト「レガシズ」内の「LEGA-SHIZU×3D」で公開されている3Dデータの中から厳選した仏像を展示する構成とすることで、既存のデジタルアーカイブ施策を補完・発展させる位置づけとしました。県事業としては、令和6〜8年度の3ヶ年事業「文化財3次元データ整備事業」の枠内で実施し、事業の財源には内閣府の新しい地方経済・生活環境創生交付金「デジタル実装型」の採択を受けました。
仏像への関心を引き出す展示設計
「仏像に興味を持ってもらう」「仏像の基礎知識を学んでもらう」という方針のもと、リプロネクストは展示設計の具体化を支援しました。巨大な仏像演出の採用やクイズの設置により、文化財に馴染みの薄い方にとっても参加の入り口となる学習導線が整備されました。当初は不明確だった展示方法のイメージが具体化されたことで、導入にあたっての不安が解消されました。
ハイブリッド形式による仏像体験会の実施

仏像体験会は、リアル会場とメタバース空間を組み合わせたハイブリッド形式で実施されました。メタバース空間は会場参加者向けのA空間と遠隔地参加者向けのB空間の2つに分けて運用され、それぞれに講師が配置されて仏像の解説が行われました。VRゴーグルを用いた体験では「迫力がある」という声も寄せられ、通常の観覧では得られない近距離・多角的な視点での鑑賞体験が提供されました。また、高齢の参加者が当初の想定を超える規模で集まり、幅広い年代の方が県内文化財にふれる機会が創出されました。
なお、当日はA・B両空間に対応した2組の講師が同一会場からアクセスしたため、解説音声が会場内で重なり聞き取りにくいという課題が生じました。この経験から、次回以降は単一空間での運用や講師の物理的な位置の分離など、音声が混在しない運用設計への改善が必要であることが確認されました。
コメント
各自治体で使える実物の文化財には限りがありますが、デジタルであればどんどん幅が広がると思います。また、他の自治体と協力した取組も出来れば、面白くなると感じています。ハードルを高く感じず、ぜひお声がけください。(静岡県 担当者様)
今後の展望
令和8年度は、3次元データを用いた文化財の日常点検の方法等についての検証が予定されています。また、今回構築した仏像メタバースギャラリーを活かした新たな取り組みの検討も進められる見通しです。