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イベントxメタバース活用ガイド|事例10選とメリット・導入ポイント

イベントxメタバース活用ガイド|事例10選とメリット・導入ポイント

企業や自治体がオンライン施策を強化する中で、メタバース空間を活用したイベントが急速に広がっています。採用活動、社内研修、大学のオープンキャンパス、移住フェア、福祉領域の交流支援など、利用シーンは年々多様化し、従来のオンラインイベントでは実現できなかった体験価値が期待されています。
本記事では、メタバースの基本や導入メリットに加え、企業・自治体の実際の活用事例、運用時の注意点、企画段階で知っておくべきポイントをまとめています。初めてメタバース活用を検討する担当者でも理解できるよう、実務目線で整理しています。

企業や自治体がオンライン施策を強化する中で、メタバース空間を活用したイベントが急速に広がっています。採用活動、社内研修、大学のオープンキャンパス、移住フェア、福祉領域の交流支援など、利用シーンは年々多様化し、従来のオンラインイベントでは実現できなかった体験価値が期待されています。
本記事では、メタバースの基本や導入メリットに加え、企業・自治体の実際の活用事例、運用時の注意点、企画段階で知っておくべきポイントをまとめています。初めてメタバース活用を検討する担当者でも理解できるよう、実務目線で整理しています。

1. メタバースとは

メタバースとは、ユーザーがアバターを通じて参加し、移動・会話・体験ができる三次元のデジタル空間のことを指します。従来のオンライン会議ツールとは異なり、空間内を歩く・展示を見る・ブースを回遊するなど、リアルイベントに近い体験をデジタル上で再現できる点が特徴です。

昨今はブラウザでアクセスできる軽量型のメタバースプラットフォームも普及し、PCやスマートフォンから参加できる手軽さが導入の後押しとなっています。企業説明会、展示会、研修、自治体イベントなど、ビジネス領域と公共領域の両方で活用が進んでいます。

1-1. イベント領域でメタバースが選ばれる理由

イベント分野でメタバースが注目される背景には、次のような要因があります。

・参加者同士の偶発的なコミュニケーションを生みやすい
・リアル会場では難しい演出や世界観構築が可能
・全国・海外から参加でき、裾野の広い集客が可能
・回遊データ、視聴データなどの細かい分析ができる

オンラインとリアルの中間に位置する「体験型オンラインイベント」として、企業や自治体が検討するケースが増えています。

2. メタバースイベントを活用するメリット

メタバースイベントは、リアルとオンラインの強みを組み合わせながら、体験価値・参加しやすさ・コミュニケーションの質を総合的に高められる新しいイベント形態です。企業・自治体・教育機関・福祉領域など、幅広い分野で導入が進む理由を、実務での活用視点から整理します。

2-1. コスト削減とイベント運営の最適化

メタバース空間を活用することで、物理的な制約が大きく減り、イベント運営の合理化が可能になります。
会場費、装飾・施工費、交通費、宿泊費、輸送費といったリアルイベントで必ず発生するコストを削減できるため、年間施策の効率化が期待できます。

特に以下の領域で効果が大きく出ます。
・採用イベント(複数回開催)
・自治体の移住フェアや相談会(毎年定期開催)
・企業の研修や勉強会(全国拠点から参加)
・大学のオープンキャンパス(季節ごとに開催)

また、一度作った空間をテンプレートとして再利用したり部分改修したりできるため、運営側の負荷も大幅に軽減されます。リアル会場の空き状況に左右されず、短期間での開催やスケジュール調整がしやすい点も強みです。

2-2. 時間・距離・身体的制約を越えて参加者の裾野が広がる

メタバースの最も大きな価値の一つが、参加ハードルの圧倒的な低さです。

地理的な制約がなくなり、国内外どこからでもアクセスできます。
これにより、企業や自治体は「これまで接点を持てなかった層」にアプローチできます。

想定される参加者拡大の例
・地方在住の学生・求職者
・子育てや仕事で移動が難しい社会人
・海外拠点に勤務する社員
・高齢者や移動困難者
・引きこもりや不登校など心理的ハードルのある層

自治体イベントでは「移住を考えたいが地方都市まで行くのは大変」という層が参加しやすく、福祉領域では「人前に出る不安が軽減される」といった効果が生まれています。学生向けオープンキャンパスでも、保護者と一緒に気軽に参加できるため、関係人口の増加につながっています。

2-3. ブランド体験・地域魅力を立体的に表現できる

メタバース空間は、単に情報を届けるだけでなく、世界観を空間として表現できることが大きな強みです。

企業であれば
・オフィス・工場・店舗などを再現し、リアルさとワクワク感の両立が可能
・会社の理念や文化を反映した独自の空間演出
・製品やサービスを3Dで見せる展示体験

自治体であれば
・名所・名産・自然などをテーマに地域魅力を直感的に伝える
・観光ルートの疑似体験
・移住後の生活イメージを可視化

教育機関であれば
・キャンパスの雰囲気を立体的に紹介
・授業体験を組み込むことで参加者のイメージ形成を促進

福祉領域では
・安心感のある“居場所”をつくる
・関係者がリラックスして交流できる空間設計

といった具合に、伝えたい内容を空間化することで「情報」ではなく「体験として記憶に残る」イベントを実現できます。

2-4. 偶発的な交流やコミュニケーションを生みやすい

メタバースの特徴は、複数の参加者が同時に空間内に存在し、自由に歩いたり会話したりできる点です。これは従来のオンラインイベントでは難しかった要素です。

・ブース前での偶然の会話
・すれ違いざまの挨拶
・展示物の前での自然な雑談
・グループワークで生まれる協働体験

こうした「偶発的コミュニケーション」は、採用イベント・自治体相談会・企業交流会など、交流が価値を生むイベントにとって大きな強みです。

特に採用イベントでは
「企業理解が深まった」「職場の雰囲気が伝わった」
といった声が増えており、理解促進につながっています。

2-5. 参加心理のハードルを下げ、アクセシビリティを向上

アバターを介することで、参加者が人目を気にせず参加できるという心理的メリットがあります。

・人前が苦手
・初対面が緊張する
・体調や生活環境で外出しづらい
・周囲と比較される環境が苦手
など、リアル・カメラオン前提のオンラインイベントでは参加をためらう層にとって、メタバースは非常に参加しやすい環境です。

ひきこもり支援、不登校支援、障がい者支援などの福祉領域でメタバース活用が広がりつつある理由の一つがここにあります。

2-6. コミュニティ形成・継続的な接点づくりに活用できる

メタバース空間はイベント単発ではなく、常設空間として長期運用が可能です。

・自治体:移住相談ルーム
・大学:入試・進路相談ブース
・企業:内定者コミュニティ、研修空間
・福祉:居場所づくり・交流支援空間

単なるイベントではなく、継続的な関係づくりを重視した取り組みが行いやすく、コミュニティ運営との相性が良い仕組みです。

2-7. リアルイベントと組み合わせたハイブリッド運営で効果最大化

リアル会場とメタバースの併用は最も効果が出やすい運営方式の一つです。

・リアル参加者:現場の空気、臨場感、対面相談
・メタバース参加者:手軽さ、距離を超えた参加、資料閲覧のしやすさ

それぞれのメリットを組み合わせることで、イベント全体の満足度を底上げでき、参加者属性の広がりにもつながります。

3. メタバースイベント事例10選

3-1. 岩手県|メタバースを活用した食品関連就業セミナー

食品関連産業は地域経済を支える重要な分野である一方で、人材不足や若年層への認知不足が課題となっていました。特に就業希望者にとっては、現場の魅力や具体的な働き方を理解しにくい点が障壁となっていました。

岩手県ではこの課題に対応するため、メタバースを活用した食品関連就業セミナーを開催。仮想空間内で企業紹介や職場体験コンテンツを提供し、参加者はアバターを通じて気軽に情報収集や交流ができる仕組みを整えました。その結果、就業イメージを具体的に持ちやすくなり、食品産業への関心喚起と人材確保に寄与しました。

岩手県|メタバースを活用した食品関連就業セミナー 事例はこちら

3-2. 山梨県|ひきこもり支援メタバース「ふらとぴあ」

山梨県では、長期のひきこもり状態にある若者の孤立解消と、支援にアクセスしにくい方への新たな居場所づくりが課題となっていました。支援機関の存在が届きにくい、対面での相談に心理的ハードルがあるなど、既存施策だけでは取りこぼしが発生している状況が背景にありました。

こうした課題に対し、山梨県はメタバース空間を活用した「ふらとぴあ」を構築し、匿名で気軽に参加できる相談・交流の場を実現しました。VR空間内ではスタッフとの会話や情報収集ができ、利用者は自宅から安心して支援にアクセスできます。行政がメタバースを活用して支援の裾野を広げる取り組みとして注目されています。

山梨県|ひきこもり支援メタバース「ふらとぴあ」事例はこちら

3-3. アイネックス|DXハイスクール採択校における「メタバース空間の構築授業」

メタバース イメージ1

文部科学省の「DXハイスクール」事業に採択された学校で、株式会社アイネックスが実施した「メタバース空間の構築授業」を、株式会社リプロネクストがサポートしました。デジタル人材育成が求められる中、生徒が自ら空間設計を学び、創造的に表現できる教育機会を提供することが目的です。

授業では、3Dモデリングやメタバース制作ツールを活用し、生徒たちがチームで仮想空間を企画・制作。リプロネクストはメタバース構築のノウハウ提供や制作支援を通じ、実践的な学びの場を実現しました。今後は地域や企業との連携による教育DXの拡大も期待されています。

株式会社アイネックス|DXハイスクール採択校における「メタバース空間の構築授業」事例はこちら

3-4. 大阪府河内長野市|メタバース空間による記念式典

地域コミュニティの活性化や住民交流の機会づくりが課題となる中、自治体行事にもデジタル技術を活用する動きが広がっています。特に近年は、感染症対策や移動制約を背景に、オンライン形式のイベント開催が注目を集めています。

大阪府河内長野市では、こうした背景を踏まえ、市の節目を祝う記念式典をメタバース空間上で実施。3D空間内に市庁舎や記念会場を再現し、参加者がアバターを通じて式典に出席できる仕組みを構築しました。来場制限のない参加型の記念式典として、行政イベントの新しい可能性を示しています。

大阪府河内長野市|メタバース空間による記念式典 事例はこちら

3-5. 新潟工科大学|メタバースオープンキャンパス

新潟工科大学|メタバースオープンキャンパス

新潟工科大学は、キャンパス施設をモデリングした仮想空間を構築し、高校生などがいつでもどこでも大学の雰囲気を疑似体験できる「メタバースオープンキャンパス」を運用しています。現地見学が難しい遠方在住者でもPCやスマホを使ってアクセスでき、進学検討の第一歩として大学の施設や学びの環境を具体的にイメージできるように設計されています。

仮想空間には、キャンパス内の代表施設を複数再現しており、「コモンプラザ」「学生食堂」「大講義室」「風洞実験室」「ものづくり工作センター」の5つが含まれます。360°スキャンによる実際の施設の再現度が高く、入試制度や奨学金、教育の特色など、進路選びに関わる情報も展示されています。さらに、大学公式キャラクターのアバター「つくっ太郎」を使用可能とするなど親しみやすさも重視されています。

この取組みの目的は、大学の魅力を広く伝えること、進学を考える高校生に選択肢として新潟工科大学を意識してもらうこと、そして現地オープンキャンパスへの来場を促進することです。今後もPR活動を強化し、仮想空間の内容を拡充していく計画があります。

新潟工科大学|メタバースオープンキャンパス 事例はこちら

3-6. 日亜鋼業株式会社|メタバースによるテーマパーク「NICHIA METAVERSE WIRE WORLD」

NICHIA METAVERSE WIRE WORLD

日亜鋼業は、めっき線で業界首位の線材加工メーカーですが、一般消費者への認知度が低いという課題を抱えていました。そこで、自社製品の魅力をより多くの人に伝え、親しみを持ってもらう目的で、「NICHIA METAVERSE WIRE WORLD」を構築しています。

この仮想空間は、「Roomiq(旧DOOR)」をプラットフォームとして採用し、ユーザーが国内外からブラウザでアクセスできる形式です。空間内は「都市エリア」「山エリア」「河川エリア」「海エリア」「交流エリア」の5ゾーンに分かれており、それぞれのエリアで日亜鋼業の製品がどのように実生活や自然環境で使われているかを体験型に学べる構成です。エンタメ要素として、海に潜る体験や“ボルトをジャンプで渡る”ような遊び要素があり、子どもから大人まで楽しめるデザインになっています。製品解説は、平易な説明と専門的な解説の両方を用意しており、初心者にも知見のある人にも対応しています。

この取り組みの利点として、場所や時間の制約を取り払ってアクセス可能であること、製品や用途を立体的に表現できること、そして実物のテーマパークを作るよりコスト低めに維持・拡張できる点が挙げられます。今後もこの仮想テーマパークを通して、認知度向上やブランド親近感の醸成につなげていくことが期待されています。
日亜鋼業株式会社|メタバースによるテーマパーク「NICHIA METAVERSE WIRE WORLD」 の事例はこちら

3-7. リプロネクスト|自社のメタバースオフィスをRoomiq上で制作

株式会社リプロネクストは、採用イベントやオンライン説明会で「会社の雰囲気が伝わりにくい」という課題を抱えており、自社専用のメタバース空間が未整備でした。Roomiqへの移行を機に、自社オフィスのバーチャル再現プロジェクトを始動しました。

メタバースプラットフォーム「Roomiq」上に、エントランスや各フロアを回遊できる“バーチャルオフィス”を構築。ミッション・ビジョン・バリューや事業内容、制作実績をインタラクティブに理解できる情報設計とし、オンラインでも自社の雰囲気が伝わる体験を実現しました。想定用途は説明会・イベントだけでなく、営業プレゼンやオンライン商談などにも拡張可能です。

リプロネクスト|自社のメタバースオフィスをRoomiq上で制作 事例はこちら

3-8. 静岡県|広聴・広報活動に活用するメタバース空間構築

静岡県は、県の広聴・広報活動の新たな拠点として「Metaverse SHIZUOKA」を整備しています。丸ごと県内の町並みを3次元点群データでスキャンし、県の自然・地域風景・県政情報などを再現。常設空間として24時間アクセス可能で、意見交換会やタウンミーティング、知事への広聴などがオンラインでできる仕組みを備えています。

仮想空間内には、「FUJINOKUNI Entrance(富士の国エントランス)」を始め、伊豆半島、県東部・中部・西部それぞれの広報ルーム、そして自然を感じられる絶景スポットなど、全部で8エリアが設けられています。また、「ふじのくに広場」では県政情報掲示や県外・海外への情報発信が行われ、広報コンクールの入賞作品展示ルームも設置されています。2024年11月には、100名以上の参加が可能なイベント用空間を拡張し、規模の大きいオンライン集会にも対応できるようにしています。

この取組みは、物理的・時間的な制約により従来の場への参加が難しかった県民にも発言の機会を提供するとともに、地域のPR・移住促進など広報活動の幅を拡げることを狙いとしています。

静岡県|広聴・広報活動に活用するメタバース空間構築 事例はこちら

3-9. ドン・キホーテ|メタバース空間「METAドンキ」でオンライン来店体験

・出典:PR TIMES

小売業界でも新たな購買体験の創出に向け、メタバースの活用が進んでいます。株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスが展開するドン・キホーテでは、メタバース空間「METAドンキ」を公開し、オンライン上での店舗来店体験を提供しました。ユーザーは、3D空間内を自由に移動しながら、リアル店舗さながらのショッピング体験を楽しむことができます。

「METAドンキ」では、実際の商品棚を再現し、限定アイテムの紹介や購入ページへの導線を設計。リアルとデジタルを融合した新しい購買体験を提案しています。店舗に行かずともブランド世界観を体感できる仕組みは、エンターテインメント性の高いドン・キホーテらしいアプローチとして話題を集めました。今後は、他業態への展開やイベント連動も期待されています。

3-10. シャノン|メタバースイベントプラットフォーム「ZIKU」を活用したユーザーカンファレンス

出典:PR TIMES

マーケティングオートメーションツールを提供する株式会社シャノンは、自社ユーザー向けイベント「シャノン・ユーザーカンファレンス2022 Spring」を、メタバースイベントプラットフォーム「ZIKU」上で開催しました。従来はリアル会場で行っていたユーザーカンファレンスをオンラインに切り替えつつ、ブース回遊やセッション参加など、展示会に近い体験を再現した取り組みです。

来場者はアバターで会場内を移動し、各ブースでの製品紹介や講演コンテンツを視聴しながら、チャット機能を通じて質問や意見交換が可能。約400名が参加し、「大変満足・満足」が7割というアンケート結果も公表されています。BtoB領域におけるオンラインカンファレンスの成功事例として、企業イベント・展示会のメタバース活用を検討する担当者にとって参考になる事例です。

4. メタバースイベント導入時の注意点と準備すべきこと

メタバースイベントは、設計次第で大きな効果を生む一方、事前準備が不十分な場合は参加者体験が損なわれる可能性があります。ここでは企業・自治体・教育・福祉領域での実務を想定し、導入前に押さえるべき注意点と準備事項を体系的に整理します。

4-1. 目的とKPIの明確化が成功の8割を占める

メタバースを「使うこと」が目的化すると、運営側も参加者も方向性を見失いがちです。導入前に、イベントの目的とKPIを明確に設定することが不可欠です。

目的例
・採用:企業理解の促進、応募者との接点創出、説明会後のエントリー数
・自治体:移住相談件数、地域理解の促進、移住候補者との継続接点
・教育:学生の興味喚起、資料閲覧数、授業参加率
・福祉:交流回数、参加者の心理的安定、居場所形成

KPI例
・参加者数、滞在時間
・ブース訪問回数
・相談数やチャット数
・資料ダウンロード数
・フォローアップ施策への移行率

「何をもって成功とするか」を数値で定義することで、空間設計・導線設計・スタッフ対応など、あらゆる意思決定がスムーズになります。

4-2. 動作環境・アクセス手順の徹底した事前設計

メタバースはブラウザ型・アプリ型など複数の形式があり、プラットフォームごとに推奨環境が異なります。
イベント当日の混乱を避けるために、事前に以下を明確にしておく必要があります。

・推奨デバイス(PC/スマートフォン)
・推奨ブラウザ(Chrome/Safari/Edge など)
・通信環境(Wi-Fi 推奨、必要通信速度など)
・参加手順(ログイン方法、操作説明)
・FAQ(音が出ない/動作が重い/入れないなど)

自治体や大学・福祉領域ではITリテラシーに幅がある参加者が多いため、分かりやすい参加導線とサポート体制が特に重要になります。

4-3. 空間設計とコンテンツ量の最適化

メタバース空間は「広ければ良い」「派手なら良い」というわけではありません。目的と参加者属性に合わせた最適化が求められます。

重要ポイント
・空間の広さ(広すぎると迷う、狭すぎると物足りない)
・展示物の配置(回遊しやすい導線)
・ブース数の妥当性(情報過多を避ける)
・説明担当者の配置(話しかけやすさを担保)
・案内サインや誘導ボイスチャットの設計
・「どこに何があるか」が直感的にわかる構造

特に自治体イベントや合同企業説明会では、初参加の人が多いため、迷わせない空間構造が成果を左右します。

4-4. スタッフ配置と当日のオペレーション設計

メタバースイベントでも、リアルと同じく「運営スタッフの動き」が成功に大きく影響します。

■ポイント
・空間内で案内役を配置する(アバター形式)
・参加者から声をかけやすい距離感で待機
・トラブル対応担当を明確化
・想定質問リストの準備
・進行表(台本)の作成
・オープニング・クロージングの演出

メタバース空間内で「誰に話しかければ良いかわからない」状態になると、参加者の離脱率が上がります。常時コミュニケーション可能な運営体制が求められます。

4-5. 集客導線の設計と事前コミュニケーション

メタバースイベントは「作れば人が来る」わけではありません。
ターゲット層の行動特性に合わせた集客設計が必須です。

・LP(ランディングページ)の制作
・SNS告知(学生向け/一般向けなど属性別)
・メール/DM送付
・既存のコミュニティや学校・企業への周知
・自治体の場合は広報誌・地域メディアの活用
・教育機関では保護者向けの案内も重要

事前に操作方法を案内する「参加ガイド」も、参加者の不安を軽減するために重要です。
特に自治体や福祉領域では、事前説明の丁寧さが参加率に直結します。

4-6. セキュリティ・プライバシーの確認

企業・自治体のイベントでは、個人情報の取り扱いや参加データの扱いが非常に重要です。
導入前に以下を確認する必要があります。

・プラットフォームのセキュリティ基準
・通信の暗号化有無
・個人情報入力が必要かどうか
・ログデータの保存方法と範囲
・第三者提供の有無
・内部規定(ISMS 等)との整合性

特に自治体・教育機関では厳格なプライバシー基準が求められるため、チェックリスト形式で確認するのが有効です。

4-7. フォローアップ設計とイベント後の継続戦略

メタバースイベントは、開催して終わりではありません。
イベント後のフォロー施策が成果を最大化する鍵となります。

・参加者へアンケート送付
・資料・動画アーカイブの提供
・企業説明会や相談ブースへの誘導
・移住フェアの場合は、継続的な個別相談へつなげる
・オープンキャンパスの場合は、別イベントへの接続
・福祉領域では、継続的な「居場所」づくりに発展

アーカイブ空間を一定期間残すことで、イベント日以外の接点創出にも活用できます。

4-8. プラットフォーム選定のポイント

メタバースと一口に言っても、ツールの特徴は大きく異なります。
目的に最適なプラットフォームを選ぶことが極めて重要です。

選定基準
・ブラウザ型/アプリ型の違い
・同時接続可能人数
・アバターのカスタマイズ性
・音声・テキストコミュニケーションの仕様
・空間制作の柔軟性
・スマホ対応の有無
・URL入室の手軽さ
・自治体・企業利用実績
・セキュリティ基準
・費用体系(都度型/サブスク型/制作費など)

目的に合わないプラットフォームを選ぶと、参加者体験に大きなギャップが生まれるため、初期段階で慎重な検討が求められます。

5. イベント活用におすすめのメタバースプラットフォームのご紹介

メタバースイベントを成功させるには、目的に合ったプラットフォーム選びが重要です。ここでは企業説明会、自治体イベント、オープンキャンパス、福祉領域の交流イベントなど、BtoB・BtoGで利用されることが多い主要プラットフォームを紹介します。

5-1. Roomiq(リプロネクスト)

Roomiqは、企業・自治体・教育機関のイベント運営に強いブラウザ型メタバースプラットフォームです。URL入室が可能でPC・スマートフォンのどちらからでもアクセスしやすく、参加ハードルが低い点が特徴です。
日亜鋼業株式会社のように、企業の技術理解・PRを目的とした空間活用事例が増えており、採用イベント・企業説明会・自治体相談会など「参加者層が広い」イベントとの相性が良い仕組みとなっています。
ブラウザ型でスムーズに動作するため、初めてメタバースイベントを導入する組織でも運営しやすい点が評価されています。

▶公式サイトはこちら

5-2. cluster(クラスター)

・出典:cluseter公式サイト

国内最大級の利用者規模を誇り、企業や自治体の大規模イベントでの実績が豊富です。派手な演出や大規模同時接続に強く、エンタメ性の高いプロジェクトやブランド体験を重視したイベントに適しています。
アプリインストールが必要なため、学生・高齢者など幅広い層が参加するイベントでは事前案内が重要になりますが、空間表現力の高さは大きな魅力です。

5-3. HIKKY(Vket Cloud)

・出典:Vket Cloud公式サイト

Vket Cloudは、バーチャルマーケットなどで知られるHIKKYが提供するブラウザ型3Dメタバースエンジンです。URLからアクセスでき、ブラウザ上でリッチな3D空間表現ができるのが特徴です。

IPコンテンツやブランドコラボ、プロモーションイベント、オンライン展示会などでの活用が多く、世界観づくりやビジュアル訴求を重視したイベントと相性が良いプラットフォームです。ブラウザで動作するため、専用アプリのインストールが難しいユーザーにも参加してもらいやすい点もメリットです。

6.まとめ

メタバースイベントは、単なるオンライン施策の代替ではなく、体験価値・参加ハードルの低さ・交流促進など、リアルとオンラインの強みを複合的に活かせる新しいイベント手法です。企業説明会、採用イベント、自治体の移住フェア、大学のオープンキャンパス、福祉領域の交流支援など、領域を問わず幅広い組織が導入を進めています。

本記事で紹介したように、プラットフォーム選定、目的設計、空間構築、当日のオペレーション、フォローアップまで、メタバースイベントには成功のためのポイントが数多くあります。特に、参加者のITリテラシーや属性が幅広い自治体・教育・福祉領域では、「誰でも参加しやすい環境づくり」が成果の大部分を左右します。

また、Roomiq をはじめとしたブラウザ型サービス、cluster のような大規模イベント向けプラットフォームなど、選択肢が増えている現在は、「目的に合ったプラットフォームを選ぶこと」が非常に重要です。どのツールを使うかで、参加者体験も運営効率も大きく変わります。

自社や自治体の課題に対して、どの形式・どの空間が最適なのか迷う場合は、企画段階から相談できるパートナーと連携することで、目的に即した形でメタバースを活用できます。

リプロネクストは、ひきこもり支援、合同企業説明会、オープンキャンパスなど、幅広い領域でメタバースイベントの企画・制作・運営を支援してきた実績があります。導入をご検討中の方は、お気軽に株式会社リプロネクストまでお問い合わせください。

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