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#建設 #採用・研修 #インタビュー
対話型AIコンシェルジュ「NOIM」で建設業の壁を乗り越えていく福田道路株式会社の挑戦。
本音の質問が、採用を変えていく。
新潟を拠点に道路舗装・建設事業を全国に展開する福田道路株式会社。創業55周年を迎えた2026年、対話型AIコンシェルジュ「NOIM(ノイム)」を新卒採用サイトに実証導入しました(2026年4月23日公開)。2ケ月後の6月末現在のインターンシップ登録者数は昨年同期比約4倍、応募到達率(CVR)は非利用者比6倍という成果が生まれています。
本記事では、導入の背景・使ってみての実感・成果の変化・今後の期待について、管理本部長の佐藤栄一様にお伺いした内容をもとに紹介します。

「来てくれれば分かる」が難しい──建設業ならではの採用の壁
―建設業界での採用において、どのような課題を感じていましたか?
土木専攻の学生そのものが年々少なくなっており、業界全体で人材を取り合っている状況が続いています。合同説明会に参加していた時も、建設業というだけで素通りされてしまうことも少なくありません。
採用対象の幅も広がっています。技術系・土木系の人材だけでなく、経理・人事・総務などバックオフィス職には文系人材も必要です。女性社員も増やしたいと思っています。会社全体で見ても女性は1割ほど。女性の方が仕事でも力を発揮できる場面はたくさんあるし、管理職としても十分活躍できると思っています。
―採用体制の面ではいかがでしたか?
新卒採用を専門に担当している人事部員は1名のみで、新潟・東京・名古屋・大阪・仙台の担当者と連携しながら新卒採用活動を回している状況です。理系学生は昼間は研究活動があるため、夜の時間帯に採用担当者に相談したいという声も届いており、対応できるリソースの限界を感じていました。
また、業界のイメージの問題もあります。2019年の労働基準法改正で建設業には残業規制の猶予期間が設けられましたが、猶予があると公開された時点で、取り組みが遅れている業界だと露呈してしまった。福田道路は当時すでに4週8休を約9割で実現しており、現場に従事する従業員の処遇改善も他社より先に取り組んできました。ただ、それが外に伝わりきっていないのが現状です。来てくれれば分かるんですが、そこへの壁がある。
「一歩先を行く」スタンスと合致──NOIMを選んだ経緯
―NOIMの導入を決めた経緯を教えてください。
最大の決め手は、担当の河合さん(リプロネクスト:プロダクトリーダー 河合)です。約10年前から仕事でご縁があり、久しぶりに連絡したところ、NOIMを提案してくれました。以前は音声やアバターでの提案でしたが、今のAIコンシェルジュの形の方が最適だと感じました。
―導入を後押しした理由はほかにもありましたか?
福田道路は創業50周年に、タグラインを「Direction for Relation 一歩先ゆく視点で持続可能な未来を拓く」に刷新しました。4週8休や現場従業員の処遇改善も、他の建設業より一歩先に取り組んできた。AIの導入も同じ考え方です。そのスタンスに、NOIMは合っていました。
現場に従事する従業員の中には、残業や休日出勤が改善されることで給与が減ってしまうと心配、懸念する声も多くありました。そこで、働き方を見直すとともに、処遇の改善も実施しました。具体的には固定給のアップです。固定給を改善することで、残業や休日出勤が減少してもこれまでの処遇が維持できるようにしました。固定給の改善は、給与が一定になり、頑張った分が反映されなくなるんじゃないかという声もありました。ただ、実際に導入してみると、やっぱり土日は家族と過ごしたい、しっかり休みたいという声が届くようになりました。
またNOIMの採用は、夜間や休日でも学生の疑問に答えられるという点も大きかったです。現場の採用担当からは、学生が昼間は授業や研究で対応が難しく、夜間に相談できる場所が欲しいという声も上がっていました。NOIMなら、人員に関係なく24時間対応できる。そこは大きかったですね。
ログで明らかになった「本音の質問」──使ってみての実感
―実際に稼働させてみて、最初に気づいたことは何でしたか?
今年、新しい取り組みのひとつとして、NOIMと合わせてInstagramによる広告配信も開始しました。Instagram広告では「社用車の一人一台貸与」「初任給」などのテーマに関心が集まっていました。しかし、NOIMのログを確認したところ、「年収(3年後・キャリアパスごと)」や「離職率」「女性比率」などに関する質問が多く届いていてその違いに驚きました。
意思決定の流れに応じた関心テーマの深まりも感じました。Instagramで認知を獲得しHPへ誘導、そしてHP到達後はNOIMが個別の興味関心や不安感へ寄り添うことによって、一連の流れの中での検討者の心理・興味・不安を理解することにつながっています。「パワハラはあるか」など対面ではなかなか聞けないような本音の質問もありました。聞けていなかった質問が、NOIMを通じて表に出てきた感じがします。
―そのログの内容は、採用活動にどう活かしていく予定ですか?
まずはInstagram担当と人事担当にログの内容を共有しました。年収については対面では聞きにくかったんだな、と実感しています。30代になってのリアルな年収が気になっていたのかもしれません。今後は、インスタの配信内容に年収情報を盛り込んだり、面談で年収の話が出なかったら「年収について気になりませんか?」と逆に聞いてみるなど、採用活動に工夫を加えていきたいと思っています。
応募到達率6倍、インターン申込は約4倍に──成果と変化
NOIMを利用した学生の行動データには、明確な変化が現れています。(2026年7月13日時点)
| 指標 | NOIM利用者(56名) | 非利用者(1,339名) | 倍率 |
| 平均訪問回数 | 3.52 | 1.46 | 2.41倍 |
| 平均PV/ユーザー | 9.0 | 3.63 | 2.48倍 |
| 平均滞在時間 | 15分36秒 | 5分19秒 | 2.93倍 |
| 中央値 滞在時間 | 4分01秒 | 54秒 | 4.46倍 |
| CV転換率 (エントリーページ遷移) | 7.14%(4/56) | 1.19%(16/1,339) | 6.0倍 |
2026年夏のインターンシップ申込数は昨年4〜6月の20件から77件へと約4倍に増加。NOIMを利用した学生ほど深くサイトを回遊し、応募に進む傾向が定着しています。
個々の学生の行動も印象的です。福利厚生から平均年収・営業職の初任給と情報を確認し、NOIMとの対話からわずか11分後にエントリーした学生がいました。また、楽して稼ぎたいという率直な言葉から始まり、残業・休日のリアルをNOIMと丁寧に確かめた末、8日後に再訪してエントリーした学生も。意外と会話が多い、びっくりするぐらいいい回答をしてもらっているという手応えも感じています。
継続利用と、採用を超えた可能性──これからの期待
―今後、NOIMにどのような期待を持っていますか?
毎年、新卒採用で接する学生は変わります。ログを通じて今の学生が何を気にしているかを毎年確認したいですし、継続して使い続けたいと思っています。
一方で、次の課題として見えてきたのが採用サイトへの流入強化です。NOIMは来てくれた学生に深く伝える力がある。次は、そもそも採用サイトを見に来てもらえる仕掛けをもっと工夫していきたいと思います。
―採用以外への活用についてはいかがですか?
社内の話でいうと、工場との連絡まわりで使えたらいいなと思っています。アスファルト混合物は熱々の生製品なので作り置きができない。現場への移動時間も含めて、すべて人の感覚でやり取りしているんです。そこをAIで自動化できたら効率が上がると思います。
そのほか、個人としては、官公庁のホームページなど、情報量の多いサイトにこそ向いていると思います。たとえば粗大ごみの捨て方ひとつとっても、必要な情報にたどり着くのが大変です。そういう場所でNOIMが使えたら、住民サービスも大きく変わるんじゃないかと思います。
取材を終えて
―本日はありがとうございました。お話を伺いながら、福田道路様は社員一人ひとりの人生を考えながら、さまざまな取り組みをされている会社だと感じました。
「会社ですので、売上や収益はもちろん大切です。ただ、売上や収益はあくまでも手段であって、ではその目的は何かと考えたとき、従業員一人ひとりの幸せを達成することにたどり着きました。人生の多くの時間を過ごす会社、人生を左右するほどと言うと大げさかもしれませんが、そこを目指して取り組んでいます。」
<編集部より>
来てくれれば分かるという言葉が、取材を通じて印象に残りました。社員を大切にする制度、先進的な働き方、女性が活躍できる環境など。そのすべてが外からはなかなか見えにくい中で、NOIMはその壁を少し低くし、学生が本音で問い、会社が誠実に答える場所をつくったと感じています。
学生の検討に寄り添う伴走役としての可能性を感じるとともに、福田道路様の今のビジョン・タグラインとも深くつながるこの取り組みを、窓口にたどり着くまでの使い勝手の改善も含め、どんどんブラッシュアップしていきたいと思います。
本日は貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。
(取材・編集担当:桂)