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メタバース×教育の革新事例7選|メリットや活用方法も紹介

メタバース×教育の革新事例7選|メリットや活用方法も紹介

メタバースを教育現場に活用する動きが加速しています。仮想空間を使った学びは、地理的な制約を超えた交流や、実践的で没入感のある体験を提供し、従来の教育手法を革新しています。

本記事では、鹿児島大学教育学部付属小学校や新潟工科大学などの実際の事例をもとに、メタバース教育のメリットや課題、そして未来の可能性について詳しく解説します。未来の学びを形作るヒントを、ぜひ最後までご覧ください!

メタバースが学校教育を変える:3D空間で可能になる新しい学び

近年、メタバース技術を取り入れる学校が増えています。この”仮想空間”は、地理的な制約を超えて子供たちに新たな教育体験を提供します。特に社会的な交流や3Dの没入型体験を活用した学びの場として、教育の枠組みを革新しています。本記事では、メタバース教育の最新事例を通じて、そのメリット、課題、そして未来の可能性について探ります。

1.メタバースとは?教育と融合の背景

メタバースは「超越」を表す“メタ”と「宇宙」を意味する“ユニバース”の造語で、仮想空間の中でアバターを通じて他者とコミュニケーションがとれる技術を指します。元々はゲーム分野で注目されていましたが、今日では教育やビジネスの分野にも急速に活用が進んでいます。この技術が学校教育に新たな可能性をもたらしています。

2.メタバースがもたらす教育の変革

メタバースを教育環境に導入すると、以下のメリットが期待されます:

  • 距離を超えた学びの提供
  • 子供の主体性を促進する3D体験学習
  • 実世界を超える教育空間

2-1.距離を超えた学びの提供

仮想空間を介して、遠方の先生や学生とリアルに近いコミュニケーションが可能になります。例えば、海外の学生と一緒に授業を受けることで、語学学習や文化交流が実現します。

これによって、子供たちに多様な社会的思考や国際感覚が養われます。

2-2.子供の主体性を促進する3D体験学習

メタバース内では単なる受動的な学習に留まらず、子供たちが自発的に動いたり、触れたりする体験が可能です。この能動的な学習方法が教育内容のさらなる定着を助けます。

2-3.実世界では体験できないことも学べる

メタバース内では単なる受動的な学習に留まらず、子供たちが自発的に動いたり、触れたりする体験が可能です。この能動的な学習方法が教育内容のさらなる定着を助けます。

3.導入の課題と解決のヒント

メタバース教育には大きな可能性がある一方で、いくつかの課題も存在します。

  • 初期費用と環境整備
  • VR特有の身体的不快感
  • コンテンツ不足

3-1.初期費用

一つ目は環境整備にかかるコストです。メタバースを活用した授業で、VRヘッドセットを生徒の人数分用意するにはある程度の予算が必要になります。また、学校独自のメタバース空間を構築するとなると制作・開発費もかかります。

プラットフォームによっては、VRヘッドセットがなくてもPC・スマホ・タブレットで体験できるため、用途に合わせて選択していきましょう。

3-2.VR酔いの可能性

二つ目は、VR酔いについてです。VRヘッドセットを装着して長時間メタバース空間に滞在すると、乗り物酔いに似た症状が出る場合があります。これは、左右の目に映る映像の差によるもので、個人差はありますが、VR酔いを引き起こさない工夫が必要です。短時間の利用や身体に優しい映像設計がポイントとなります。

3-3.コンテンツ不足

三つ目は、メタバースコンテンツの不足です。教育機関や企業による積極的なコンテンツ制作を進める必要があります。国や業界全体の支援が期待されます。

▶︎▶︎参考:PLATEAU

4.メタバース×教育の最新事例7選

ここからは実際のメタバース×教育の事例を7つご紹介いたします。具体的なイメージが湧くと思うので、参考にしてみてください。

  • 鹿児島大学教育学部附属小学校
  • 新潟工科大学
  • 長岡工業高等専門学校
  • スタンフォード大学
  • 学校法人角川ドワンゴ学園 N中東部・N/S高等学校
  • 英会話教室「イーオン」
  • メタバーシティ

4-1.鹿児島大学教育学部附属小学校:全国初。義務教育でのメタバース導入

鹿児島大学教育学部附属小学校 外国語学習向けメタバース

こちらはリプロネクストが制作を手がけた事例です。鹿児島大学教育学部附属小学校は、高学年向けの外国語授業にメタバースを活用しています。

メタバース空間にショッピングモールを再現し、フードコートを使って模擬接客をしたり、スーパーマーケットエリアで買い物をしたりと児童たちは様々なアクションを行いながら、英会話を行います。

児童はアバターを介して「行ってみる」「触れてみる」といったアクションを起こすことが可能で、体験しながら学ぶことで学習内容の定着を図ることができます。導入後、児童たちの発言量が圧倒的に増えたとのことです。

▶︎▶︎鹿児島大学教育学部附属小学校 外国語向けメタバース 詳細はこちら
▶︎▶︎メタバースを舞台に体験重視の外国語学習を【鹿児島大学教育学部附属小学校様インタビュー】

4-2.新潟工科大学:アクセス数が20,000突破

メタバースオープンキャンパス

リプロネクストが手がけた事例をもう一つ紹介します。新潟県柏崎市にある新潟工科大学から依頼を受け、キャンパス内の施設を再現したメタバース空間を構築しました。

来場型オープンキャンパスの予約や資料請求が可能な「コモンプラザ」や学生食堂、大講義室などへのアクセスが可能。また、国内最大級の大型風洞実験装置が設置されているエリアもあるなど、遠方にいながらも新潟工科大学の魅力を感じられる空間となっています。

▶︎▶︎新潟工科大学様【メタバースオープンキャンパス】

4-3.長岡工業高等専門学校

新潟県にある長岡工業高等専門学校は、2022年4月に全国の高専で初の取り組みとしてメタバース空間「長岡高専バーチャルキャンパス」を公開しました。

このメタバースは、授業・講演を聞く「セミナールーム」、学生同士でディスカッションする「グループワーク室」、進路相談ができる「ミーティングルーム」、学生同士が談話する「ラウンジ」で構成されていて、長岡高専の職員・学生だけでなく、全国高専の教職員・学生や、イベントによっては高専生以外の高校生・大学生や一般の方も利用できるそうです。

どこにいても繋がれる学びの空間として、今後も随時コンテンツが公開される予定です。

▶︎▶︎「長岡高専バーチャルキャンパス」公式サイトはこちら

4-4.スタンフォード大学

アメリカのスタンフォード大学には、VRヘッドセット「Meta Quest 2」を使った学習コース「Virtual People」があります。

授業のほぼ全てでVRを使っており、VRがどのように社会に浸透し、技術的進化を遂げてきたかをメタバース内で学びます。

人種差別に直面した男性の人生を経験する授業など、仮想空間だからこそ実現できる体験学習もあり、これまでの二次元の授業とは一線を画した内容になっています。

4-5.学校法人角川ドワンゴ学園 N中東部・N/S高等学校

「ネットの高校」として、スマホやパソコンから授業を受ける学校法人角川ドワンゴ学園 N中東部・N/S高等学校は、2022年4月にメタバース空間で入学式を行いました。

学校長は3Dアバターとなり、メタバース空間で式辞を述べています。

また、同校にはアバターで参加するVR授業もあり、3Dの教材に触れたり、歴史的遺産を360度見学することができます。

全国どこにいても、アバターの生徒同士で交流をしながら学べるメタバース授業を積極的に取り入れています。

▶︎▶︎学校法人角川ドワンゴ学園 N/S高等学校 公式サイトはこちら

4-6.英会話教室「イーオン」

英会話教室を運営する株式会社イーオンは、VR英語学習プラットフォームimmerseを使用した新レッスン「AOEN VR」のパイロットレッスンを提供しています。

実際に海外で英語を使用するシーンをリアルに体験できる学習コンテンツで、海外の雰囲気を味わいながら少人数のレッスンを受けることができます。

教室でホワイトボードを見ながら座学を受ける学びとは異なり、実践的で、身に付く英会話を習得できます。

▶︎▶︎英会話イーオン 公式サイトはこちら

4-7.メタバーシティ

2021年12月に、アメリカのVR・AR教育企業「VictoryXR」が、Meta社と提携したメタバース仮想大学キャンパス「メタバーシティ」を設立する計画を発表しています。

2022年中に、アメリカの10の大学キャンパスがメタバース化されるとのこと。

日本国内にいながら、アメリカの大学のメタバース講義を受けるという未来はそう遠くはないかもしれません。

▶︎▶︎VictoryXR 公式サイトはこちら

5.メタバース×教育の今後の可能性

最後に、今後の発展が考えられるメタバース×教育のカテゴリーをご紹介します。

5-1.医療分野の教育実習

メタバースが仮想空間であるという強みを活かし、医療分野の研修に役立てる動きが出てきています。

例えば、研修医が手術の練習をメタバース空間で行ったり、リアルでは見られない角度から3Dオブジェクトの臓器を研究することも可能です。

人体に関わる研究は失敗が許されないからこそ、メタバース空間で安全を確保しながら実施できるのは今後の医療教育の発展に多大なる可能性を秘めています。

5-2.バーチャル語学留学

メタバース空間で3DCGの留学先を作ることで、渡航せずに海外留学ができます。語学学校で現地の先生から学びながら、各国から集まったルームメイトと交流することもできます。

また、メタバースではイベントも開催できるので、授業だけでなく各国の特色を活かした伝統行事を再現し、アバターで参加できます。

将来的に開発が進めば、現実よりも費用を抑えて実現できる留学として、新たな選択肢の一つとなるかもしれません。

6.まとめ

メタバース×教育の事例はまだ多くはありませんが、着実に事例が増えてきており、今後の可能性を感じられる分野です。

メタバースキャンパスが普及すれば、学生たちが国境を越え、大学を行き来しながら学ぶことが当たり前となるかもしれません。


リプロネクストでは、学校・教育機関向けメタバースについて企画・プラットフォーム選びから開発までを一貫してサポートしています。「こんなメタバースは作れるだろうか」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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