先日公開した「難波製作所」様のインタビュー記事で、初めてメタバース空間を活用したバーチャル取材を行いました!
▶︎▶︎関連記事:製造業には人とITの調和が必要。強みの掛け算で更なる挑戦へ【難波製作所様 バーチャルインタビュー】
そこで今回は、このバーチャル取材にフォーカスし、実際の様子や体験して感じたメリット・デメリットを紹介します。
当記事では、VRのCG仮想空間でアバターを介して取材を行うことを「バーチャル取材」と呼んでいます。
Web上で「バーチャル取材」で調べてみると、同じくアバターを使った事例が出てきましたが、まだまだ広く浸透はしていません。
ですが、メタバースへの注目の高まりや、新型コロナウイルス感染症による非対面コミュニケーションの増加に伴い、今後普及していく可能性を秘めた新たな取材スタイルといえます。
今回は、アメリカの「VRChat Inc.」が運営するソーシャルVRプラットフォーム「VRChat」を使いました。
VRChatを選定した理由は下記です。
VRChatの始め方やアカウント設定などは、下記記事で詳しく紹介しているので、合わせてご確認ください。
▶︎▶︎関連記事:Meta Quest 2でVRChatに参加してみた!参加方法&楽しみ方
ここからはバーチャル取材の流れをご紹介します!
「VRChat」はすでに用意されているアバターでコミュニケーションを取ることができますが「少しでもリアリティを出したい」「自分でカスタムしたアバターを使ってみたい」という方は、事前にアバターを用意しましょう。
今回は、アバター作成無料サービス「Ready Player Me」を使い、難波社長と私のオリジナルアバターを制作しました。(似てない等のクレームは受け付けておりません。笑)
髪型や服装などのパーツを着せ替えのように選び、簡単にアバターが完成。
フォームに沿ってVRChatにログインすれば、そのままアカウントとアバターを連携させることができます。
ここまでは、取材前日までに用意しておくとスムーズです。
当日は、お互いに初のバーチャル取材ということで設定や操作を共有するため、対面で行いました。
それぞれがVRヘッドセット「Meta Quest 2」を装着し、事前にダウンロードしていた「VRChat」にログインします。
お互いログインしてから合流するためには、VRChat内でFriend(友達)になり、ルームに招待する必要があります。
検索窓から取材対象である難波さんのIDを検索し、友達申請をします。
申請許可が降りると、友達一覧に追加されるので、そこからInvite(招待)を選ぶことで、ルームへの招待通知が相手に届きます。
相手が招待通知を受け取れば、ルームに相手のアバターが現れ、合流することができます。
ルームで会うことができれば、あとは通常の取材のようにコミュニケーションが取れます。
身振り手振りや口の動きなどもアバターに反映されるので、まるで対面のような感覚で会話ができます。
アバター同士で合流できた時は、ちょっとした感動が生まれるのでアイスブレイクにもなるかもしれません(笑)
VRChatにはカメラ撮影機能があり、アバターがスマホを持って写真を撮るようなイメージでデータを残すことができます。
最後には難波さんと記念写真を撮ってバーチャル取材を終えました。
ここからは、バーチャル取材を実際にやってみて感じたメリットとデメリットを紹介します。
アバターには分身という意味があるように、表情・動作も再現してくれるので、対面のような感覚でコミュニケーションが取れるのは魅力です。
ビデオ通話は、顔を合わせられるというメリットがある一方で、平面的であるがゆえに物理的な距離感を感じることも。また、対面の場合でも現在はパーテーションを入れたりと、相手の声や表情が読み取りにくくなります。
バーチャル空間であれば、アバター同士で握手をするなど、相手を身近に感じるシーンが生まれやすいでしょう。
バーチャル空間であれば参加する場所を問わないので、どこからでもアクセスすることができます。
アバターを介して、海外アーティストへ取材を行うことも実現できるかもしれません!
対面であれば、移動に伴い時間やお金がかかる取材ですが、コストがかからず気軽にバーチャル空間で行えることで、アプローチしやすくなります。
仮想世界で取材をするので、空間やアバターを自在にアレンジでき、一つのイベントのように実施できるのも魅力の一つです。バーチャル取材自体が珍しいので企画としての話題性も見込めます。
思いきり作り込んだルームとアバターで、取材をしてみるのも面白そうですね!
一方で、バーチャル取材ならではのハードルの高さを感じる場面もありましたので紹介します。
VRヘッドセットを持っていたとしても、アプリの共有や合流するまでの流れを取材対象者に伝える必要があります。
動画マニュアルや説明書を用意するほか、予期せぬトラブルやアクセスできない場合の対処法や連絡手段も事前に共有しましょう。
そう考えると、使い方が普及したテレビ会議ツールに比べて、時間もコストもかかってきます。
取材となると30分から1時間、長いものだと1時間以上を要することもあります。VRヘッドセットをつけた状態でフル取材を行うのは、身体的にも負担がかかってしまいます。
また、人によってはVR酔いしやすい方もいるので、注意や配慮が必要です。
コミュニケーションは取りやすく盛り上がる一方で、記録が疎かになってしまったのが難点でした。
今回、VRChatを使ったということもあり、取材内容をVR空間でテキストに残すことはなく、なんと私は、VRヘッドセットの隙間から見えるメモに手書きしていました(結局、アナログ。笑)
記録は、VRヘッドセットの録画機能を使ったり、他の方法を模索した方がよいでしょう。
初のバーチャル取材を終えて、アバターで会えた時の感動やワクワク感を覚えたと同時に、取材として重要な記録面での難しさを実感しました。
もしかすると「VRChat」よりも「Horizon Workrooms」の方が取材向きなのかもしれない…など、まだまだ検証の余地はありそうなので、次回は「Horizon Workrooms」で実践してみます!
今回、このような機会をくださった難波さん、ありがとうございました!
私たちはVRサービスを提供する企業として、今後もVRの新たな可能性を追求していきます。
バーチャル取材をやってみたい!というメディアの皆様、ぜひお問い合わせをお待ちしています…!