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メタバースオフィスとは?需要の背景とAIを含む活用事例

メタバースオフィスとは?需要の背景とAIを含む活用事例

メタバースオフィスは、企業のDXや採用・広報活動における新たな選択肢として注目を集めています。コロナ禍をきっかけにリモートワークが広がったことで、オンライン上でのコミュニケーションや企業理解の在り方を見直す動きが進みました。そうした流れの中で、メタバースやAIといった技術を活用したオフィスの形が、実証的な取り組みとして導入され始めています。

本記事では、BtoB企業のDX・情シス・人事採用・広報担当者向けに、メタバースオフィスの基本的な考え方から、AIアバターと組み合わせた最新の活用方法、実際に企業や自治体で導入が進んでいる事例までを体系的に解説します。業務活用だけでなく、採用や広報といった対外的な取り組みにどのように活かせるのかを整理していますので、メタバースオフィスの導入を検討し始めた段階の方や、資料請求・問い合わせの前段として、ぜひ参考にしてください。

1. メタバースとは

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想空間の総称です。ユーザーはアバターを通じて空間内を移動し、他者とコミュニケーションを取ったり、イベントや体験に参加したりすることができます。

近年では、ゲームやエンターテインメント領域だけでなく、ビジネスや教育、行政分野でも活用が進み、企業のブランディングや採用、情報発信の場としても注目されています。現実空間では伝えきれない世界観や価値観を体験として届けられる点が、メタバースならではの特徴です。

2. メタバースオフィスとは

近年、メタバース市場は国内でも拡大を続けています。矢野経済研究所の調査によると、国内メタバース市場規模は2023年度に約1,863億円(前年度比約35.3%増)に達し、2028年度には約1兆8,700億円規模まで成長すると予測されています。こうした市場拡大を背景に、エンターテインメント領域だけでなく、業務や採用、広報といったビジネス分野での実証的な活用も進み始めています。(出典:矢野経済研究所

メタバースオフィスとは、メタバース空間上に構築された仮想のオフィス環境を指します。ユーザーはアバターとして空間内を移動し、音声やチャットを通じて他の参加者とコミュニケーションを取ることができます。

オンライン会議ツールと異なり、「近づくと会話が始まる」「誰がどこで何をしているかが視覚的に分かる」といった特性があり、対面に近い偶発的なコミュニケーションを再現できる点が特徴です。

3. メタバースオフィスの需要が高まる背景

3-1. リモートワーク定着によるコミュニケーション課題

テレワークの普及により、場所に縛られない働き方は実現しましたが、その一方で「雑談が減った」「相談のタイミングが掴みにくい」「新人や若手が組織に馴染みにくい」といった課題を抱える企業も少なくありません。

従来のオンライン会議ツールは、目的が明確な会議には適している一方で、偶発的な会話やちょっとした確認といった“オフィスならではのやり取り”を再現しづらい側面があります。

メタバースオフィスは、オンラインでありながら同じ空間に存在している感覚を提供することで、こうした課題を補完します。アバターの距離によって会話が生まれる設計は、意図しないコミュニケーションを自然に生み出し、組織内の情報循環や心理的安全性の向上につながります。

3-2. 採用・広報活動における活用ニーズの拡大

近年、メタバースオフィスは業務用途にとどまらず、採用説明会や企業広報の場としても注目されています。特にオンライン採用が一般化したことで、「いかに企業の雰囲気や価値観を伝えるか」が課題となっています。

メタバース空間を活用することで、求職者は単なる説明資料ではなく、空間体験を通じて企業を理解できます。実際のオフィスを再現したり、企業の価値観を象徴する空間を設計したりすることで、企業理解の深度を高めることが可能です。

また、顔出し不要でアバター参加できる点は、若年層との相性が良く、説明会やイベントへの参加率向上にもつながっています。

4. メタバースオフィスでできること

メタバースオフィスで実現できる主な機能は、以下の3点に集約されます。

  • 自由度の高い空間設計
  • アバターを通じたコミュニケーション
  • 資料・画面のリアルタイム共有

4-1. 自由度の高い空間設計

メタバースオフィスでは、実在するオフィスを忠実に再現するだけでなく、企業の価値観やビジョンを反映した空間設計が可能です。例えば、開放感のあるオフィス、自然を取り入れた空間、非日常的な世界観など、現実ではコストや制約の面で難しい表現も実現できます。

こうした空間設計は、社内利用だけでなく、採用説明会や広報イベントにおいても有効です。訪れた人に「その企業らしさ」を直感的に伝えることができ、ブランディングの一環として機能します。

4-2. アバターを通じた自然なコミュニケーション

先輩社員就活体験セッション

・参考画像:山梨県甲府市メタバース合同説明会

アバター同士が近づくことで会話が始まる仕組みは、実際のオフィスで声をかける感覚に近く、オンライン特有の堅さを和らげます。チャットや音声を使い分けることで、業務連絡から雑談まで幅広いコミュニケーションが可能です。

また、誰がどこで誰と話しているかが可視化されるため、チームの状況を把握しやすく、マネジメントやオンボーディングにも活用できます。

4-3. 会議・資料共有への対応

メタバース空間内では、会議の開催や資料共有、動画の同時視聴など、日常業務に必要な機能を一通りカバーできます。会議室に移動して打ち合わせを行う、資料を画面に投影して説明するといった行為も直感的に行えます。

これにより、単なる雑談空間ではなく、実務に耐えうるオフィス環境として活用できる点が、メタバースオフィスの大きな特徴です。

5. AIと組み合わせたメタバースオフィスの進化

5-1. AIアバターによる24時間対応の実現

近年注目されているのが、メタバース空間内にAIアバターを設置する活用方法です。AIアバターは、来訪者への一次対応や施設案内、よくある質問への回答などを自動で行うことができます。

これにより、人が常駐していない時間帯でも企業との接点を維持でき、24時間365日情報提供が可能になります。特に採用や広報の文脈では、営業時間外に訪れる求職者や関心層の声を取りこぼさない点が大きなメリットです。

5-2. 採用活動におけるAI×メタバースの相性

採用説明会をメタバースオフィスで実施することで、遠方の求職者にも疑似的な出社体験を提供できます。オフィスの雰囲気や社員の働き方を空間として体験できるため、企業理解を深めやすくなります。

さらに、AIアバターを配置することで、説明会後の個別質問対応や、よくある問い合わせへの即時対応が可能です。人事担当者の工数を抑えながら、求職者体験の質を高める施策として注目されています。

6. メタバースオフィスの主なメリット

6-1. オフィスコストの削減

物理的なオフィスに比べ、メタバースオフィスは賃料や内装費、備品購入といった固定費を大幅に抑えることができます。拠点を集約したり、フルリモートと組み合わせたりすることで、柔軟なコスト設計が可能です。

特に複数拠点を持つ企業や、採用イベントのためだけに会場を用意しているケースでは、コスト削減効果を実感しやすいでしょう。

6-2. コミュニケーションの活性化

メタバースオフィスは、目的を限定しない会話が生まれやすく、雑談や相談の機会を増やします。こうしたコミュニケーションは、チームの一体感やエンゲージメント向上に寄与します。

リモート環境下でも、人との距離を感じにくい働き方を実現できる点がメリットです。

6-3. 勤務状況の可視化

アバターの存在によって、誰がオンラインで活動しているか、どのエリアで作業しているかを視覚的に把握できます。これにより、マネジメント側の不安を軽減し、声掛けやサポートのタイミングを掴みやすくなります。

7. 導入時の注意点と課題

7-1. 初期設定・定着までのサポート体制

メタバースオフィスは新しいツールであるため、導入初期は操作や運用に戸惑うケースもあります。社内向けの簡単なマニュアル整備や、運用ルールの策定、問い合わせ対応の窓口設置など、定着を見据えたサポート体制が重要です。

7-2. デバイス・ネットワーク環境の確認

安定した通信環境と、推奨スペックを満たしたデバイスが必要になります。導入前に、社内の利用環境や想定ユーザーの端末状況を確認し、無理のない形で導入を進めることが重要です。

8. メタバースを活用した取り組み事例

8-1. リプロネクスト|自社メタバースオフィスをRoomiq上で制作

株式会社リプロネクストでは、採用イベントやオンライン会社説明会において「企業の雰囲気や価値観が伝わりにくい」という課題を感じており、自社専用のメタバース空間の整備を検討していました。そうした中、メタバースプラットフォーム「Roomiq」への移行を機に、自社オフィスをバーチャル上で再現するプロジェクトを開始しました。

Roomiq上には、エントランスや各フロアを自由に回遊できるバーチャルオフィスを構築。ミッション・ビジョン・バリュー、事業内容、制作実績などを空間内で体験的に理解できる情報設計とすることで、オンラインであってもリプロネクストらしさが伝わる仕組みを整えています。現在は説明会やイベントでの活用を中心に、今後は営業プレゼンテーションやオンライン商談など、用途の拡張も視野に入れています。

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8-2. きら星×リプロネクスト|AIアバターを活用した移住促進メタバース

きら星株式会社・新潟県長岡市「デジタル移住相談所」を「Roomiq」内に開設

地方移住への関心が高まる中、新潟県第2の都市である長岡市は、豊かな自然環境と充実した生活基盤を兼ね備えた移住先として注目されています。一方で、地理的距離や情報不足により、移住後の暮らしを具体的にイメージしにくい点が、移住検討のハードルとなっていました。

こうした背景を受け、きら星株式会社長岡オフィスの開設を契機に、AIアバターを活用したデジタル移住相談所の実証事業を実施。24時間365日どこからでもアクセスでき、住宅、子育て支援、仕事、生活環境など、移住に関する幅広い情報をAI移住コンシェルジュが整理して案内します。対面相談の前段階として活用できる点も特長で、移住検討者が自分のペースで情報収集できる仕組みを実現しています。

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8-3. 日亜鋼業株式会社|NICHIA METAVERSE WIRE WORLD

NICHIA METAVERSE WIRE WORLD

日亜鋼業株式会社は、めっき線で業界トップクラスのシェアを持つ線材加工メーカーですが、一般消費者や若年層への認知度向上に課題を感じていました。そこで、自社製品の価値や活用シーンを分かりやすく伝える取り組みとして、メタバースによる仮想テーマパーク「NICHIA METAVERSE WIRE WORLD」を構築しました。

本空間では「Roomiq(旧DOOR)」をプラットフォームに採用し、ブラウザから国内外のユーザーがアクセス可能な設計としています。都市・自然・交流といった複数のエリアを巡りながら、製品が社会や暮らしの中でどのように使われているかを体験的に学べる点が特徴です。エンターテインメント要素も取り入れることで、幅広い層に親しみやすいブランド体験を実現しています。

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9. まとめ

メタバースオフィスは、単なる仮想空間ではなく、AIとの組み合わせによって企業の採用・広報・DXを支える重要な基盤へと進化しています。

リプロネクストでは、企業や自治体の課題に応じたメタバースオフィスの企画・開発・運営を一貫して支援しています。AIアバターを活用した事例も含め、最適な活用方法をご提案可能です。

メタバースオフィスの導入をご検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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