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なぜ高額商品のデジタル化は進まないのか

~ 顧客が“決められない構造”の正体 ~
本記事では何を扱うのか
本記事では、高関与商材を扱う企業において、なぜデジタル化が進みにくいのか、その背景にある構造を整理します。
ここでいう高関与商材とは、価格が高い、または人生や事業に大きな影響を与えるために、顧客が慎重に比較検討する商品やサービスを指します。住宅、進学、採用、製造業の設備投資、自治体の移住施策などが該当します。
これらの分野では、顧客が関心を持っているにもかかわらず、問い合わせや次の行動に至らない現象が生じています。
その背景には、意思決定を前に進めるための設計が十分に構造化されていないという問題があります。
顧客は動いているが、前進できていない
多くの企業が見落としている前提
多くの企業は、問い合わせが少ないことを「関心の不足」と捉えがちです。しかし実際には、顧客は行動しています。
各種調査においても、消費行動や比較検討は夜間や休日に集中する傾向が示されています。特に高関与商材においては、仕事終了後の時間帯に情報収集や検討が進むケースが多く見られます。
一方で、企業の対応時間は主に日中の営業時間内に限定されています。その結果、顧客が最も検討している時間帯に、体験や相談の機会が存在しないという状況が生じます。
関心はあり、検討も進んでいます。
しかし、意思決定を前進させる接点が設計されていません。
この時間的断絶が、問い合わせ前の停滞を生み出しています。
なぜ高額商材はデジタルで前進しにくいのか
高額商品がデジタル上で前進しにくい理由は、単純なオンライン化の遅れではありません。
本質的な課題は、意思決定に必要な「体験」と「対話」が、デジタル上で体系的に設計されていない点にあります。
高関与商材には共通する特徴があります。
・選択肢が多い
・将来への影響が大きい
・失敗リスクが高い
・意思決定者が複数存在する
・感情と論理の両面での納得が必要
このような商材においては、情報提供のみでは十分ではありません。
具体的な体験を通じた理解の深化と、対話を通じた迷いの整理が不可欠です。
情報が増えても問い合わせにつながらない理由
企業はしばしば「情報量を増やせば問い合わせが増える」と考えます。
しかし現実には、顧客はすでに大量の情報に接触しています。比較サイト、SNS、レビュー、動画、広告など、情報環境は飽和状態にあります。
それでも行動に至らない理由は明確です。
第一に、判断軸が整理されていません。
第二に、体験が不足しています。
第三に、個別状況に即した対話が存在していません。
情報は存在しています。しかし、意思決定を前に進める構造が設計されていません。
これが、高関与商材における停滞の本質です。
高関与商材に共通する3つの止まりポイント
問い合わせ前の段階で、顧客は主に三つの地点で停滞します。
① 比較疲れ
選択肢が多すぎるため、差異を整理できず判断が保留されます。
② 納得不足
理解はしていても、自身の状況に照らした腹落ちに至っていません。
③ 相談不在
疑問や不安が存在していても、それを整理できる場がありません。
この状態では、問い合わせボタンは押されません。
重要なのは、顧客が動いていないのではないという点です。
行動はしています。しかし前進できない構造が存在しています。
リプロネクストが向き合っている課題
私たちは、この「問い合わせ前の停滞」を、営業力の問題ではなく構造の問題として捉えています。
高関与商材に必要なのは、営業時間内の営業強化ではありません。夜間や不在時間帯でも、体験と対話が可能な設計です。
体験型デジタルスペースRoomiqは、距離や時間の制約を超えて選択肢を具体化します。
対話型AIコンシェルジュNOIMは、迷いを言語化し、整理し、次の行動を明確にします。
両者を組み合わせることで、問い合わせ前の停滞を前進へと転換する構造を設計しています。
まとめ
高額商品のデジタル化が進まない背景には、顧客が「決められない構造」が存在します。
顧客は行動しています。しかし体験と対話が設計されていないため、意思決定が前に進みません。
高関与商材におけるデジタル化とは、情報のオンライン化ではありません。意思決定を前進させる構造そのものを設計することです。