VR
#小売 #広報・PR
VRを活用したバーチャル工場見学とは?作り方や導入事例16選

現在、新たな工場見学のスタイルとして注目されているのが、VR技術を活用した「バーチャル工場見学(VR動画/バーチャルツアー)」。
バーチャル工場見学は、どこにいてもオンライン上でリアルな工場見学気分が味わえるコンテンツです。
「バーチャル工場見学って導入メリットは何?」
「どんなシーンで活用されているのか知りたい」
「どんな風に作るんだろう?費用は?」
このような疑問を解決するため、バーチャル工場見学を導入するメリット、事例や作り方をまとめてご紹介いたします。
バーチャル工場見学や工場のバーチャルツアーについて詳しく知りたい方はぜひ、参考にしてください。
1. バーチャル工場見学(バーチャルツアー)とは
バーチャル工場見学とは、その名の通りバーチャル空間で行う工場見学のことです。WebブラウザやVRヘッドセットを用い、現地に足を運ばずに好きな場所・時間で工場内を体験できます。
最大の特徴は、単なる“現地の代替”にとどまらない点。360度視点の自由な移動や、立ち入り禁止エリア・大型設備の内部、ドローンによる俯瞰など、バーチャルならではの表現で工程や安全対策、品質管理の実態を伝えられます。制作したコンテンツは繰り返し活用でき、企業PR、営業、採用、教育まで幅広い用途で効果を発揮します。
こんな疑問に答えます:
・「VR工場見学の導入メリットは?」
・「どんなシーンで活用されている?」
・「作り方や費用感は?」
本記事では、VR 工場見学/バーチャルツアーのメリット、活用シーン、作り方、そして導入事例16選をまとめてご紹介します。
2. バーチャル工場見学(バーチャルツアー)の5つのメリット
企業がVR工場見学を導入する主なメリットは次の5つです。
2-1. 24時間365日アクセスできる
オンライン公開により24時間365日アクセス可能。遠方・海外からの見学、時間の合わない層にもリーチできます。現地調整の手間や予約の制約を解消し、常時稼働の営業資産になります。
2-2. 自由度の高い表現ができる
360°の視点操作で臨場感を実現。ECリンクや工程ムービーの埋め込み、BGM/ナレーション、注釈ポップアップなど、目的とターゲットに合わせて情報設計が可能です。
2-3. 人件費などのコストを削減
受付・案内・機械稼働など現地見学の運用負荷を軽減。コンテンツは一度制作すれば繰り返し利用でき、来場者数の増減に左右されにくい運用が可能です。
2-4. SNS・Web・商談と活用の幅が広い
Webサイトへの埋め込み、展示会でのVR体験、オンライン商談の同時視聴など、用途横断の活用ができます。営業現場ではアピールポイントの可視化に有効です。
2-5. 感染症・災害時のリスク回避
来場を伴わないため、感染症や災害時でも継続的に情報発信が可能。安全配慮やBCPの面でも有効な選択肢です。
3. バーチャル工場見学(バーチャルツアー)の主な活用シーン
VRを活用したバーチャル工場見学(バーチャルツアー)の、4つの主な活用シーンをご紹介します。
3-1. 営業活動
製造プロセスや品質管理を直感的に可視化し、非対面でも対面以上の理解促進を実現。製品優位性や差別化ポイントの訴求に役立ちます。
3-2. 採用活動
職場の雰囲気・動線・設備規模を360°で伝え、求職者の不安を解消。入社後ミスマッチの低減や、地方・海外からの応募ハードルも下がります。
3-3. 広報・IR・教育
Web/SNSでの発信、パンフレットのQR連携、研修教材としての利用など社内外コミュニケーションに活用可能。IRでは生産拠点の見える化に貢献します。
3-4. ESG・サステナビリティ
環境配慮の取り組みや地域連携をストーリーで発信。生産地・原料・物流など工場外の舞台も取り入れ、短時間で印象的に伝えられます。
4. バーチャル工場見学(VR動画)の導入事例10選
以下の事例は主にYouTubeで視聴可能です。スマートフォンならアプリで手軽に体験できます。
4-1.アサヒビール【飲料メーカー】
日本の大手ビールメーカーである「アサヒビール株式会社」のVR工場見学です。動画は実写とCGを合わせながら、ビールができるまでの製造工程をビール目線で体験することができます。
ガイドの案内を聞きながら、ビール作りをあらゆる角度から見学することで、見終わる頃には商品への愛着が増していることでしょう。ビール目線での見学は、バーチャル工場見学ならではの特徴と言えます。
4-2.牛乳石鹸【製造販売メーカー】
続いては、化粧石鹸の製造・販売を行う「牛乳石鹸共進社株式会社」のバーチャル工場見学。動画では日本最大級の石けん工場での職人による石鹸づくりの様子が紹介されています。
各工程のシーンでクイズが登場するので、小さいお子様も楽しんで体験できるでしょう。また、機械の中や石鹸が運ばれてくるレーンの上など、普段見ることができない場所も映しています。
様々な視点で製造工程を知ることで、商品への理解が深まります。
4-3.沢井製薬【製薬メーカー】
ジェネリックの医薬品で有名な沢井製薬のバーチャル工場見学。
主人公である勇者になりきり、「ジェネちゃん®」と共に工場内の6つの秘密を解き明かすようなRPG風の動画となっています。
VR動画で制作されているので、没入感も満載。ゲームの世界に入り込む体験ができるなんて、子どもたちも楽しく学べそうです。
4-4.カゴメ【飲料メーカー】
野菜ジュースで知られる「カゴメ株式会社」の工場見学。にんじんジュースがつくられる過程が紹介されていますが、動画は生産者がにんじんを収穫するシーンからはじまります。
口に入れるものだからこそ、素材がどのようにつくられているのか、という部分まで見ることができると安心感がありますよね。
さらには、随所にクイズを交えることで、動画にメリハリをつける工夫もされています。
4-5.萩原工業株式会社【製造販売メーカー】
合成樹脂繊維の製造や産業機械の製造・販売等を行う「萩原工業株式会社」。VR工場見学では、ブルーシートができるまでの製造工程が見られます。
工場内を映しながら、要所要所でポイントを紹介していますね。次のシーンに移動するときに矢印を表示することで、視点をスムーズに誘導しています。
4-6.東京エールワークス【ビールメーカー】
続いては東京都にあるクラフトビールブルワリー「東京エールワークス」の事例です。
リプロネクストが制作を担当しました。こちらは、ビールのサブスクリプション・サービス契約者の特典として、VRゴーグルとセットでお送りしている「バーチャル・ブリュワリーツアー」。(上記の動画は告知用の30秒動画です。)
約8分30秒の本編は、製造・品質最高責任者のボブ・ストックウェル氏が案内人となり、醸造所でビールができるまでの様子や、タップルームのツアーなどを臨場感たっぷりで楽しく紹介してくれます。
▶︎▶︎東京エールワークス 様 【バーチャル・ブリュワリーツアー制作】
4-7.トーアス株式会社【食品メーカー】
食料品缶詰・清涼飲料水の製造、開発を行う企業「トーアス株式会社」。バーチャル工場見学では、第1工場の食缶ラインの様子を映しています。
缶詰の製造工程の流れを360度すべて見渡せる動画。約30秒の動画の中で作業の様子がリアルに伝わる工場見学です。
4-8.株式会社トクヤマ【化学工業メーカー】
総合化学工業メーカー「株式会社トクヤマ」のVR工場見学動画です。
工場の外観を、普段は見られない場所から撮影しているので、スケールの大きさを感じることができます。
エリアごとに社員の方が説明をしてくれるので、親しみを持ちながら工場見学ができます。
4-9.ウメダニット×五泉高等学校【ニット工場】
新潟県立五泉高等学校のVRニット工場見学ツアーコンテンツをご紹介します。こちらはリプロネクストが制作をサポートさせていただきました。
動画ではニットが作られるまでの工程を地元の高校生がナビゲートしています。
五泉の地場産業である「五泉ニット」の制作過程を360°コンテンツで届けることで、地元の方に改めて理解を深めてもらうきっかけや、県外・海外の方に向けてのPRなど、地域の魅力発信にも繋がります。
▶︎▶︎五泉高等学校様 【工場見学VRコンテンツ制作・サポート】
4-10.三郎丸蒸留所【ウイスキーメーカー】
最後に紹介するのは、富山県にあるウイスキー蒸留所「三郎丸蒸留所」のバーチャル・ディスティラリーツアーです。
こちらは、カスクオーナー契約者への特典として、スマホ装着型VRゴーグルを使って三郎丸蒸留所の見学気分を味わうことができます。
ビギナーの方から愛好家の方まで幅広い層に楽しんでもらえるよう、ウイスキーができるまでの流れに添いながら、三郎丸蒸留所の特徴や歴史に触れています。
▶︎▶︎スコッチモルト販売株式会社 様 【バーチャル・ディスティラリーツアー制作】
5.工場内をじっくり見せたい場合は静止画バーチャルツアー2選
VR動画に加え、静止画ベースのバーチャルツアーは設備・掲示物を丁寧に閲覧したい用途に最適です。リプロネクストの制作事例をご紹介します。
5-1.国立印刷局【印刷業】

こちらは、私たちが日頃から使用している紙幣を作っている「国立印刷局」のバーチャルツアー。新型コロナウイルスの影響で通常通りに実施できなくなってしまった工場見学をオンラインで発信したいとご相談をいただきました。
VR展示室では歴史や豆知識を学べ、工場見学では印刷の様子を知ることができます。
バーチャルツアー内には動画や写真を随所に使い、幅広い世代の方に楽しんでもらえるコンテンツです。
▶︎▶︎独立行政法人 国立印刷局|オンライン工場見学&動画 事例は こちら
5-2.難波製作所【金属加工メーカー】

生産現場の魅力を伝えるうえで、多くの製造業が直面する課題の一つが「工場内部の見学機会の制限」です。特に安全管理や衛生面の理由から、現地見学を実施できないケースが増えており、企業の魅力発信や採用活動における課題となっていました。
株式会社難波製作所では、この課題を解決するため、リプロネクストと共同で「バーチャル工場見学ツアー」を制作。360度VR映像を用いて、実際の生産工程や設備をリアルに体験できるコンテンツを開発しました。これにより、遠方の学生や取引先にも臨場感ある工場体験を提供し、企業理解の促進や採用ブランディング強化につなげています。
▶▶株式会社 難波製作所|バーチャル工場見学ツアー」の詳細は こちら
5-3. 吉年【鋳物製造メーカー】

製造業の現場は高度な技術や設備を有していますが、外部の人にとっては理解しづらく、現地見学の機会も限られているという課題がありました。特に取引先候補や採用希望者にとって、工場内部を知ることができないのは企業理解の妨げとなっていました。
株式会社吉年は、この課題を解決するため工場バーチャルツアーを導入。工場内を360度映像で再現し、オンライン上で製造工程や設備を臨場感をもって体験できる仕組みを整えました。これにより、顧客や求職者に対して技術力や品質へのこだわりをわかりやすく伝えることができ、信頼性の向上や採用活動の支援にもつながっています。
▶▶株式会社吉年|工場バーチャルツアー 事例は こちら
5-4. 瑞穂工作所【板金部品メーカー】
製造現場の強みや技術力は、実際に工場を訪れなければ伝わりにくい一方で、距離や時間の制約により見学機会が限られるという課題がありました。特に顧客や採用希望者に対して、現場の雰囲気やものづくりの工程を十分に伝える手段が不足していました。
株式会社瑞穂工作所は、この課題を解決するために工場バーチャルツアーを導入。工場内部を360度映像で再現し、オンラインで設備や製造プロセスを体感できる仕組みを構築しました。その結果、企業理解の促進や信頼性の向上につながり、営業活動や採用活動における有効なツールとして活用されています。
▶︎▶︎株式会社瑞穂工作所|工場バーチャルツアー 事例は こちら
5-5. ひげ工房【福祉用具製造メーカー】

製造現場の魅力や技術力は、実際に工場を訪れてこそ理解できる部分が多い一方で、距離や時間の制約から見学の機会が限られるという課題がありました。特に新規顧客や採用希望者にとって、現場を体感できないことは判断材料の不足につながっていました。
株式会社ひげ工房では、この課題に対応するため工場バーチャルツアーを導入。工場内を360度映像で再現し、オンライン上で自由に見学できる仕組みを整えました。これにより、製造プロセスや技術力を直感的に理解できるようになり、企業理解の促進や信頼性向上に寄与しています。
▶︎▶︎株式会社ひげ工房|工場バーチャルツアー 事例は こちら
5-6. 東海バネ工業【金属バネメーカー】

製造業の現場は高い技術力や独自の強みを持っていますが、実際に工場を訪れなければその魅力を理解しにくいという課題がありました。特に遠方の学生や求職者、取引先にとって現地見学は負担が大きく、企業理解が進みにくい状況がありました。
東海バネ工業株式会社は、この課題を解決するため工場見学VR動画を制作。工場内部を臨場感ある360度映像で紹介し、視聴者は自宅や学校からでもリアルに製造工程を体感できる仕組みを整えました。その結果、採用活動や営業活動において企業理解の促進や信頼性向上に寄与しています。
▶︎▶︎東海バネ工業株式会社|工場見学VR動画 事例は こちら
6. バーチャル工場見学の作り方(プロセス)
バーチャル工場見学を制作する際の流れを紹介します。
7-1. ヒアリング
導入目的・対象者・活用チャネル(Web/展示会/商談/採用など)を確認。オンラインで全国対応します。
7-2. 企画
ゴールに応じてVR動画/静止画バーチャルツアーを選定。情報設計・導線・KPIを定義します。
7-3. 撮影
動線確認や安全配慮を行い、効率的な撮影スケジュールで進行。必要に応じてドローン・マクロ・タイムラプス等を活用。
7-4. 編集
工程解説テロップ、ナレーション・BGM・UIホットスポットを設計。視聴完了率・理解促進を意識して編集します。
7-5. 納品・公開
YouTube/自社サイト/L Pなど適切な公開形式で納品。公開後の配信・分析・改善もサポート可能です。
8. 費用・納期の目安
内容や尺により変動しますが、約3分のVR動画で40〜60万円前後/制作期間の目安は約1カ月。撮影範囲が広い、高度な演出を伴う場合は100万円程度となるケースもあります。目的・予算を明確化し、見積取得をおすすめします。
9.まとめ
VR工場見学/バーチャルツアーは、製品の機能だけでなく**「誰が、どのように」**を伝える最適な手段です。営業・採用・広報・ESGまで、24時間稼働するデジタル工場見学で価値を可視化しましょう。
リプロネクストでは、VR動画/静止画の企画・撮影・制作を一気通貫でサポートします。「こんな表現はできる?」など、まずはお気軽にご相談ください。
▶お問い合わせはこちら