メタバース
無料で利用できるメタバースプラットフォーム10選!利用時の注意点も紹介
メタバースを始めてみたいけど、有料のものしかないのではと考えている方もいるのではないでしょうか。有料の場合、始めるにあたってのハードルが高く感じてしまい利用を躊躇ってしまう場合もあります。
しかし、メタバースは無料のものがあるほか、パソコンやスマートフォンがあれば気軽に利用できます。
今回は、無料で利用できるメタバースプラットフォームの紹介や、利用時の注意点について解説します。
本記事を読むと各プラットフォームの特徴が把握できるので、メタバースに興味のある方や、これから導入を考えている企業の関係者はぜひ最後までご覧ください。
1.メタバースとは
メタバースとは、インターネット上に構築された三次元の仮想空間を指します。
語源は「超越」を意味する meta と「世界」を意味する universe を組み合わせた造語で、1992年に発表されたアメリカのSF小説『スノウ・クラッシュ』で初めて登場しました。
現在のメタバースは、パソコンやスマートフォン、VRヘッドセットを通じてアクセス可能な「共有型バーチャル空間」として発展しています。ユーザーはアバターを介して他者と交流したり、イベントや商取引に参加したりすることができ、エンターテインメントから教育、ビジネスまで幅広い分野で活用が進んでいます。
このように、メタバースは「人と人」「人と空間」「現実とデジタル」をつなぐ新しいコミュニケーション基盤として注目されています。次章では、なぜメタバースがこれほど関心を集めているのか、その理由を詳しく解説します。
2.メタバースが注目されている理由
メタバースが注目されている背景には、技術進化や社会構造の変化が深く関係しています。
特に以下の3つの要素が、普及を後押ししている大きな理由です。
- オンラインコミュニケーションの進化
- 関連技術(NFT・仮想通貨)の発展
- 大手企業の参入による市場拡大
これらはそれぞれ独立した要素ではありますが、相互に影響しながらメタバースの拡大を支えています。
2-1.オンラインコミュニケーションの進化
インターネットの通信環境が向上し、テキストや映像、音声をリアルタイムで共有できるようになりました。これにより、物理的な距離を超えて交流できる「メタバース空間」が、新しいコミュニケーション手段として注目されています。
さらに近年では、企業の採用面接や社内研修、教育現場での授業配信などにもメタバースが活用されています。従来のオンライン会議とは異なり、3D空間で「対面しているような感覚」を再現できるため、より高い没入感とエンゲージメントを得られる点が特徴です。
こうした“デジタル越しでも人を感じられる仕組み”が、多くの組織や教育機関で導入を後押ししています。
2-2.関連技術(NFT・仮想通貨)の発展
メタバースの発展を支えるもう一つの要素が、NFTや仮想通貨といった関連技術の進化です。NFT(非代替性トークン)は、デジタルデータに「唯一の所有証明」を与える技術であり、ブロックチェーン技術の進歩とともに大きな注目を集めています。
これにより、デジタル上の土地やアート、アイテムなどを「所有・売買」できる仕組みが生まれ、メタバース内に経済活動が成立しました。ユーザーや企業が独自コンテンツをNFTとして販売・流通させることで、新たなビジネスモデルや収益源が生まれています。
このように、メタバースは単なる交流空間から「経済圏」へと進化し、デジタル上で価値を創造・取引する時代を牽引しています。
2-3.大手企業の参入による市場拡大
2021年にFacebookが社名を「Meta」に変更し、メタバース事業に本格参入したことをきっかけに、世界中の企業が新市場への投資を加速させました。総務省の調べによると、2030年にはメタバース関連市場が約9,000億ドルに達すると予想されています。
また、近年では大手IT企業だけでなく、小売・教育・自治体など異業種からの導入も急増しています。メタバースは、企業にとって「新たな顧客接点」や「ブランド発信の場」としての価値が高まっており、仮想展示会や地域観光プロモーションなどの事例も増えています。
このように、技術革新と企業参入が相まって、メタバースは「次世代の社会インフラ」として存在感を高めています。次は、誰でも無料で利用できる代表的なメタバースプラットフォームを紹介します。
3.無料で利用できるメタバースプラットフォーム10選
メタバースはこれまで、高性能な機材や専門知識を必要とする分野と考えられてきました。
しかし現在では、無料で利用できる高機能なプラットフォームが登場し、個人・企業・教育機関・自治体など、幅広い組織が気軽にメタバースを体験できる環境が整いつつあります。
ここでは、目的や用途に応じて選びやすい代表的な10のプラットフォームを紹介します。
それぞれに異なる特長があるため、実現したい体験や対象ユーザーに合わせて検討することが大切です。
- Roomiq
- cluster
- The Sandbox
- VRChat
- Fortnite
- Everdome
- Decentraland
- Roblox
- REV WORLDS
- REALITY
3-1.Roomiq(株式会社リプロネクスト)

最初に紹介するのは、株式会社リプロネクストが提供するブラウザ型メタバースプラットフォーム「Roomiq」です。
アプリのダウンロードが不要で、PC・タブレット・スマートフォンからアクセスできる手軽さが特長です。もともとNTTコノキューが開発した「DOOR」を継承し、直感的な操作性と高解像度グラフィックを備えています。
自治体によるひきこもり支援や観光案内、教育現場でのオンライン授業など、さまざまな活用事例があります。
オリジナル空間の構築やアクセス分析にも対応しており、初めてメタバースを導入する組織にも利用しやすい設計です。
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3-2.cluster(クラスター株式会社)
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続いて紹介するのは、国内発のメタバースアプリとして高い認知を得ている「cluster(クラスター)」です。
イベント開催やワールド制作が可能で、企業展示会や社内研修、大学のオープンキャンパスなど、多人数が同時に参加できる環境を提供しています。
3D開発ツール「Unity」との連携により、オリジナル空間の構築も比較的容易です。
国内企業が運営しているため、日本語サポートが充実している点も安心材料です。教育・文化イベントなど、幅広い分野で利用事例が見られます。
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3-3.The Sandbox(The Sandbox Game / Animoca Brands)

画像引用元:https://hello.vrchat.com/
「The Sandbox(ザ・サンドボックス)」は、ブロックチェーン技術を活用したメタバースプラットフォームです。
ユーザーはメタバース上で「LAND」と呼ばれる土地を所有し、独自の空間を開発できます。作成したアイテムやキャラクターをNFTとして販売できる仕組みを備えています。
企業やクリエイターがバーチャル展示やイベントを実施する事例もあり、NFTと連携した経済活動の可能性が広がっています。
エンターテインメントやブランド表現の新たな舞台として注目されているプラットフォームです。
3-4.VRchat(VRChat Inc.)

画像引用元:https://hello.vrchat.com/
「VRChat(ブイアールチャット)」は、世界的に利用されている交流型のメタバースプラットフォームです。
ユーザーは自分のアバターを作成し、3D空間内で他のユーザーと会話や共同作業を楽しむことができます。VRヘッドセットを使うことで、より高い没入感を得ることも可能です。
また、ユーザー自身が「ワールド」と呼ばれる仮想空間を自由に制作・公開できる点が特徴です。
個人制作による文化的なコミュニティや教育向けの利用など、多様な使い方が生まれています。国際的なユーザーが多く、世界中の人々と交流できる点も魅力です。
3-5.Fortnite(Epic Games, Inc.)

画像引用元:https://www.fortnite.com/?lang=ja
「Fortnite(フォートナイト)」は、アメリカのEpic Games社が開発したオンラインプラットフォームです。
もともとはバトルロイヤル型ゲームとして知られていますが、現在では音楽ライブや映画上映、ブランドイベントなどが行われるエンターテインメント空間としても活用されています。
Fortniteには主に3つのモードがあります。
- Save The World(世界を救え)
- Battle Royale(バトルロイヤル)
- Creative(クリエイティブ)
「Save The World(世界を救え)」は協力プレイ型モード、「Battle Royale(バトルロイヤル)」は対戦型モード、そして「Creative(クリエイティブ)」では、ユーザー自身がオリジナルの空間やルールを自由に作成できます。
特にCreativeモードでは、ユーザーが自分で地形や建物を作り、オリジナルルールで遊ぶことができます。創造性を活かした表現活動の場として利用するユーザーも増えています。
3-6.Everdome(Everdome.io)
「Everdome(エバードーム)」は、火星をテーマにした高精細な3Dメタバースです。
建築物や地形、光の反射などを現実に近いクオリティで再現しており、没入感のある体験が可能です。ユーザーは仮想土地を購入・開発し、イベント開催や広告展示などを行うことができます。
高いビジュアル表現力を活かし、建設・デザイン・不動産などの分野で注目されています。
また、すべてのデジタル資産がNFT化されており、知的財産の保護や安全な取引が行える環境も整っています。
3-7.Decentraland

「Decentraland(ディセントラランド)」は、ブロックチェーン技術を活用した分散型メタバースです。
ユーザーは仮想通貨「MANA」を用いて土地(LAND)やアイテムを売買でき、自分の所有空間を自由にカスタマイズできます。
海外では、ファッションイベントや展示会の開催事例もあり、企業やクリエイターが作品やサービスを発表する場として活用されています。
取引の透明性が高く、Web3時代の新しい経済活動のモデルとして関心を集めています。
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3-8.Roblox

「Roblox(ロブロックス)」は、世界中で4億人以上が利用する大規模メタバースプラットフォームです。
ユーザーが自らゲームや体験を作成・共有できる仕組みを持ち、教育分野では子ども向けのプログラミング学習にも利用されています。
また、企業やブランドがRoblox上に独自の空間を構築し、体験型のコンテンツを提供する事例もあります。
たとえばナイキが展開した「Nikeland」では、ユーザーが仮想空間で製品を体験しながら交流するなど、エンターテインメント性を活かした取り組みが行われています。
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3-9.REV WORLDS(三越伊勢丹ホールディングス株式会社)

画像引用元:https://www.fortnite.com/?lang=ja
「REV WORLDS(レヴ・ワールズ)」は、三越伊勢丹ホールディングスが運営するバーチャル百貨店です。
伊勢丹新宿本店を3D空間で再現しており、アバターとして店舗を回遊しながら商品を閲覧し、オンラインストアを通じて購入することができます。
現実の店舗と連動した体験設計が特長で、ショッピング体験をデジタル上で再現しています。
今後は、イベント開催や顧客体験の拡張など、リアルとデジタルの融合を目指す取り組みも検討されています。
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3-10.REALITY
「REALITY(リアリティ)」は、スマートフォン1台でアバター作成・ライブ配信・コミュニティ運営ができるプラットフォームです。
配信者と視聴者がリアルタイムで交流できる点が特長で、個人だけでなく企業の情報発信にも活用されています。
自社キャラクターやアバターを使ったイベント配信など、ファンとの距離を近づける施策に適しています。
SNSとの連携機能が充実しているため、拡散力を活かしたマーケティングにも応用できます。
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これらのプラットフォームはいずれも無料で利用を開始でき、それぞれに異なる強みがあります。
導入にあたっては、自社の目的やターゲット層、利用環境を明確にし、最も適したプラットフォームを選定することが重要です。
次は、実際にメタバースを導入した企業の具体的な事例を紹介します。
4.無料でメタバースを利用する際の注意点
メタバースは気軽に利用できる一方で、安全に活用するためにはいくつかの注意点があります。
ここでは、無料のメタバースプラットフォームを利用する際に特に意識しておきたい3つのポイントを解説します。
- 長時間の利用
- パスワードの漏えい
- 偽サイトへのアクセス
上記のリスクを把握し、安全にメタバースを利用しましょう。
4-1.長時間の利用
メタバースでは、VRヘッドセットを使用することで高い没入感を得られますが、長時間の利用は身体的・心理的な負担につながるおそれがあります。
長時間利用を続けると、現実世界での人間関係や生活リズムに影響を与えることもあるため、利用時間を決めて適度な休憩を取ることが大切です。
特に教育現場や業務での活用時には、参加者に対して使用時間や環境整備に関するガイドラインを設けるなど、健康的な利用環境の設計が求められます。
4-2.パスワードの漏えい
メタバースはインターネット上のサービスであるため、セキュリティ対策が欠かせません。
アカウントの乗っ取りや不正アクセスを防ぐために、強固なパスワードの設定や二段階認証を導入することが推奨されます。
また、公共Wi-Fiなど不特定多数が利用するネットワークでのログインは避け、信頼できる環境下でアクセスすることが重要です。
万が一のトラブルに備えて、プラットフォームごとのセキュリティポリシーを事前に確認しておくことも安心につながります。
4-3.偽サイトへのアクセス
近年、金融機関やオンラインサービスを装った偽サイトへの誘導による被害が報告されています。
メタバースでも、公式を装った偽サイトや不審なリンクを通じて個人情報を盗まれるリスクがあります。
アクセス前にURLやドメイン名を確認し、メールなどで送られてきた不明なリンクは開かないよう注意が必要です。
また、公式サイトや信頼できる提供元からログインすることを習慣づけることで、安全な利用が可能になります。
5.まとめ
メタバースは今や特別な技術がなくても体験できる時代になりました。
無料で利用できるプラットフォームも多く、パソコンやスマートフォンから簡単にアクセスできます。
自分の分身であるアバターを通じて他者と交流したり、イベントに参加したりと、仮想空間での体験はますます多様化しています。
また、メタバースはエンターテインメントだけでなく、教育・観光・広報など、社会的な活用も広がりつつあります。
一方で、長時間利用やセキュリティに関するリスクもあるため、適切なルール設定と安全管理が欠かせません。
リプロネクストでは、法人・自治体向けメタバースの企画・構築・運用を一貫してサポートしています。
「自社でメタバースを活用したい」「地域の情報発信に取り入れたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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