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【メタバース展示会とは】AI活用メリットや導入事例、サービス提供企業5社を紹介

【メタバース展示会とは】AI活用メリットや導入事例、サービス提供企業5社を紹介

企業の商談創出や新製品PRの場として欠かせない展示会。しかし、会場費・人件費・移動の負担など、リアル展示会の課題は年々大きくなっています。
こうした背景で注目されているのが、仮想空間で開催する「メタバース展示会」です。3D空間とAIを組み合わせることで、リアルとオンラインの強みを融合した新しい展示会の形が生まれています。

この記事では、メタバースの概要から、メタバース展示会のメリット・デメリット、サービス提供企業、開催事例までを一貫して紹介します。

1. メタバースとは?

メタバースとは、インターネット上に構築された3D仮想空間の総称です。ユーザーはアバターを操作し、空間内を自由に移動しながらコミュニケーションやショッピング、イベント参加など多様な活動を行えます。

近年は企業のDX、採用、研修、展示会などビジネス領域での活用が加速。AIとの連携により、来場者情報の分析、自動説明、レコメンドなどの機能も進化しており、マーケティング施策としての導入が進んでいます。

2. メタバース展示会とは?

メタバース展示会とは、3Dで構築された仮想会場を舞台に、製品展示や商談、説明会などをオンラインで行う展示会のことです。
アバターで空間を移動しながら製品を閲覧でき、動画・音声・資料など多様なコンテンツを組み合わせた体験が提供できます。

AIを組み合わせることで、来場者に最適な製品を提示したり、行動データを自動蓄積したりと、リアル展示会にはない価値を生み出すことが可能です。

3. メタバース展示会のメリット

メタバース展示会は、従来のリアル展示会ともオンライン展示会とも異なる独自の価値を持ち、企業のマーケティングや商談活動に新しい選択肢をもたらしています。とりわけ「展示会 メタバース」という観点では、移動を前提としない参加体験、AIを用いたデータ分析、ブランド世界観の立体的表現など、リアルでは実現が難しいメリットが数多くあります。ここでは、メタバース展示会が企業にもたらす主要なメリットを順に説明します。

3-1. 場所や時間・天候に左右されない

メタバース展示会は、インターネットに接続できれば国内外どこからでも参加でき、移動や日程調整に伴う制約が大幅に軽減されます。遠方の顧客や海外バイヤーも参加しやすくなり、これまで接点が作りにくかった層へのアプローチが容易になります。台風や豪雪など外部要因による開催中止の心配もなく、時差のある地域へ向けて24時間公開することも可能です。結果として、従来の展示会では取りこぼしてしまっていたリードを確実に取り込める環境が整います。

3-2. 開催コストを削減できる

リアル展示会では、会場費、ブース施工、備品や装飾、輸送、設営スタッフの確保など多くのコストが発生します。これらはイベントの規模が大きくなるほど負担も増し、「参加したいがコストに見合わない」という声も少なくありません。メタバース展示会の場合、空間そのものをデジタルで構築するため施工費や輸送費がかからず、運営人員も最小限で済みます。さらに、一度制作した空間は新製品の追加やデザイン変更にも柔軟に対応でき、長期的に活用し続けることで運用コスト全体を抑えられます。展示会を年に複数回実施する企業にとっては、長い目で見たときのコストメリットが非常に大きい施策と言えます。

3-3. AIで行動データを可視化し、マーケティングに活用できる

メタバース展示会の大きな特長は、来場者の行動データを詳細に取得できる点です。空間内のどこに興味を示したか、どの商品説明に滞在したか、どの動画を視聴したかといった情報は、リアル展示会では把握が困難でした。メタバースであれば、こうしたデータが自動的に蓄積され、AI分析によって来場者の傾向を可視化できます。さらに、AIが来場者の行動からニーズを予測して最適なコンテンツを提示したり、購買意欲の高い層を抽出したりと、展示会後の営業活動に直結する活用も可能です。展示会が単なる「イベント」ではなく、「営業プロセスに直結するマーケティング基盤」へと進化する点が大きなメリットです。

3-4. 長期的に利用でき、マーケティング資産として蓄積できる

メタバース展示会は、公開期間が限られたリアル展示会とは異なり、オンライン上に空間を保管できるため、常設ショールームとして継続的に利用できます。製品ラインアップが更新されるタイミングでブースを改修することも容易で、発表会や採用イベント、会社紹介など別の用途に転用することも可能です。さらに、来場データを継続的に蓄積・分析することで、年々「参加者が何を求めているのか」が明確になり、展示方法やコンテンツの改善が進みます。このように一度作った空間が企業の資産として成長し続ける点は、メタバース展示会ならではの価値と言えます。

3-5. 世界観やブランドイメージを立体的に表現できる

メタバース空間では、物理的制約に縛られることなく企業の世界観を自由に表現できます。製品を拡大して内部構造を可視化したり、ブランドカラーで統一した空間をデザインしたりと、リアル会場では実現が難しい演出も可能です。加えて、ストーリー性を持った空間設計やアバターによる案内を取り入れることで、来場者に深い没入感を提供できます。ブランドの世界観を体験として伝えたい企業にとって、メタバース展示会は強力な手段となります。

3-6. 海外展開やBtoBマーケティングと相性が良い

メタバース展示会は、海外顧客や遠隔地のパートナーとの商談創出に特に効果を発揮します。出張が不要なため、参加のハードルが大幅に下がり、移動コストもゼロになります。多言語対応のAIガイドを導入すれば、説明を自動化しながら多様な地域の顧客へ同じ品質の情報を届けることができ、BtoBの情報提供においても高い効率性を実現できます。世界に向けた販路拡大を検討する企業にとって、メタバース展示会は非常に相性の良い施策です。

4. メタバース展示会のデメリット

メタバース展示会は、場所の制約がなく、AI活用やデータ分析など多くのメリットを持ちますが、導入にあたって注意すべき点や運用の難しさも存在します。特に、初めて「展示会 メタバース」を検討する企業にとっては、リアル展示会とは異なる準備項目や運営のポイントを理解しておくことが重要です。ここでは、メタバース展示会を導入する際に押さえておきたいデメリットを詳しく解説します。

4-1. 準備やWeb・3Dの知識が必要

メタバース展示会を構築するには、仮想空間の設計や3Dモデルの制作、動画・画像などの素材準備、デバイスごとの動作確認など、リアル展示会とは異なる知識が求められます。たとえば、製品を3Dで再現する場合は、データが重くなりすぎないよう調整が必要であり、空間内の動線やUI配置もユーザーの体験に影響を与えます。そのため、企業が自社だけで全てを完結させるのは難しく、多くのケースでは、専門の制作会社やプラットフォーム提供企業のサポートが不可欠です。また、出展者側もインターネット接続環境の確保や、オンラインコミュニケーションへの慣れといった準備が求められ、導入前のハードルを感じることもあります。

4-2. 触覚を伴うリアルな体験を完全に再現することは難しい

メタバース展示会では、空間の没入感や立体的な表現は可能ですが、製品を手に取る、質感を確かめる、重さを体感するなど、リアルならではの触覚体験は完全には再現できません。特に、素材感や操作性が重要視される製品を扱う業界では、オンラインのみでのコミュニケーションでは情報が不十分になる場合があります。こうした課題を補うためには、サンプル送付やARとの連携、動画による詳細説明など、オンラインとオフラインを組み合わせた体験設計が必要になります。単に仮想空間を作るだけではなく、リアル体験とのバランスをどう取るかが成功の鍵となります。

4-3. 参加者へのプッシュ型のアプローチが難しい

リアル展示会では、ブースの前を通りかかった参加者に直接声をかけることで、偶発的な接点や立ち話から商談につながるケースが多くあります。しかしメタバース展示会では、来場者が自由に空間を回遊するため、従来のように近くを通ったタイミングで声をかけることが難しく、自然な形での接点創出に工夫が必要です。とはいえ、この課題は導線設計やコンテンツの工夫によって十分に補うことができます。例えば、興味を持ちやすい動画を入口付近に配置する、アバターを使って自動案内を行う、AIが来場者の行動パターンをもとに推奨コンテンツを提示するなど、リアルとは異なるアプローチが求められます。

4-4. 参加者のITリテラシーに依存する面がある

メタバース展示会は、参加者がPCやスマートフォンを利用してアクセスするため、一定のITリテラシーが求められます。特に、ブラウザやデバイスによって表示の最適化が異なる場合や、3D空間の操作に慣れていない参加者にとっては、最初の操作が負担になる可能性があります。また、企業の来場者には幅広い年代・業種の方が含まれるため、全てのユーザーにとって使いやすい体験設計が必要です。そのため、UI設計や操作ガイドの整備、サポート体制の準備が求められます。

4-5. 通信環境に体験品質が左右される

メタバース展示会は3D空間を読み込む仕組みであるため、安定したインターネット環境が体験品質を左右します。高速・安定した回線がある環境ではスムーズに閲覧できますが、通信環境が弱い地域では動作が重く感じられたり、動画がスムーズに再生されなかったりするケースがあります。特に、海外からの参加が多い展示会では、通信環境の差を前提にした設計が必要となります。軽量なデータ設計、動画サイズの最適化、複数デバイス対応など、ユーザー環境を想定した工夫が不可欠です。

4-6. 空間制作に初期投資が発生する

長期的にはコスト削減につながるメタバース展示会ですが、初期段階では空間制作や3Dモデル制作に一定の費用が発生します。リアル展示会の施工費ほどではありませんが、企業が初めて取り組む場合は「どの程度の投資対効果が見込めるのか」を判断しづらい面もあります。ただし、一度制作した空間は継続的に活用できるため、短期イベントではなく長期的なマーケティング資産として捉えることが重要です。

5.メタバース開発企業5選

5-1. リプロネクスト|Roomiq

リプロネクストが提供する「Roomiq(ルーミック)」は、ブラウザから簡単にアクセスできる国産メタバースプラットフォームです。アプリのインストールや専門的な機材を必要とせず、URLを共有するだけで誰でも参加可能な手軽さが特長で、イベントや展示会、ライブ配信、企業プロモーション、自治体の広報活動など、さまざまな場面で活用されています。

2025年7月からは、NTTグループが開発・提供していたメタバース「DOOR」の運営をリプロネクストが正式に引き継ぎ、「Roomiq」として再始動。これにより、累計300万人以上のユーザー、26万以上の公開空間を有する大規模なメタバースプラットフォームへと進化しました。

特に日本国内においては、自治体や教育機関での導入実績が豊富で、行政の広報・広聴活動や、地域課題の解決、非対面型の相談窓口、教育現場での遠隔授業など、公共性の高い用途で多くの信頼を集めています。また、地方創生やひきこもり支援といった社会的課題への対応にも活用されており、実践的かつ持続可能なメタバース活用モデルを提案しています。

▶法人向けサイトはこちら

5-2. クラスター|cluster

・出典:cluster公式サイト

クラスター株式会社が展開する「cluster」は、日本国内で高い認知度を誇るメタバースプラットフォームです。PCやスマートフォン、VRデバイスなど幅広いデバイスに対応しており、ユーザーのアクセスのしやすさが特徴です。これまでに「バーチャル渋谷」などの大型イベントを開催し、企業や自治体とのコラボレーション実績も豊富です。さらに、音楽ライブや展示会、発表会などの実施環境も整備されており、法人イベントの開催プラットフォームとしても注目されています。。

5-3. HIKKY|Vket Cloud

・出典:Vket Cloud公式サイト

株式会社HIKKYは、世界最大級のバーチャルイベント「バーチャルマーケット(Vket)」を企画・運営している企業です。イベントの制作だけでなく、メタバース参入支援のコンサルティングや、クラウド型の開発エンジン「Vket Cloud」の提供も行っており、企業や自治体のメタバース活用を幅広く支援しています。独自のワールド構築や3Dモデル開発、プロモーション設計まで一貫して対応できる体制を持ち、国内外での事例も増加しています。

5-4. VRChat, Inc.|VRChat

・出典:VRChat公式サイト

VRChatは、VR空間でのソーシャル交流に特化したプラットフォームで、ユーザーが自らワールドを作成し、公開・共有できる自由度の高さが特徴です。アバターによるコミュニケーションが活発で、コミュニティ形成に強みがあり、イベントやサロン、ファン同士の交流などに活用されています。オープン性の高さから個人クリエイターによる創作も活発で、エンタメ・教育・文化など多様なジャンルの利用が広がっています。

5-5. Roblox Corporation|Roblox

・出典:Roblox公式サイト

Robloxはアメリカ発の世界的なメタバースプラットフォームで、子どもから大人まで幅広い層に利用されています。ユーザー自身がゲームや仮想空間を作成・共有できる「ユーザー生成コンテンツ(UGC)」の仕組みが大きな特徴で、教育現場でのプログラミング学習ツールとしても注目されています。世界中の開発者が収益を得ながらコンテンツを提供できる仕組みも整っており、グローバルなエコシステムが構築されています。

6. メタバース展示会と相性の良い業界

メタバース展示会は幅広い業界で活用できますが、特に立体的な表現や大量の情報提供が求められる分野とは非常に相性が良いと言われています。製品のサイズ感や構造、世界観の表現が重要な業界ほど、メタバースの特性を活かしやすく、リアル展示会とは異なる価値を提供できます。ここでは、その中でも特に導入効果が高い3つの業界について詳しく紹介します。

6-1. 製造業

製造業はメタバース展示会との相性が圧倒的に高い領域です。機械設備や精密機器は、構造や仕組みを説明するために多くの時間や資料が必要になりますが、メタバース空間であればこれらを立体的に可視化し、内部構造を分解したり、製品を拡大して見せたりといった演出が可能です。リアル展示会では搬入ができない大型設備も、仮想空間なら実寸大で展示でき、重量やコストの制約もありません。

さらに、AIによる動線解析を活用すれば、どの機器に注目が集まったか、どの説明コンテンツが最も閲覧されたかといったデータを取得でき、営業活動や開発にもフィードバックできます。海外拠点への説明や販売パートナーへのトレーニングにも転用しやすく、グローバルに事業を展開する製造業にとって、メタバース展示会は強力な武器となります。

6-2. インテリア・住宅・建材業界

インテリアや住宅関連の商材は、実際の空間に配置したときの雰囲気やサイズ感、色の相性が判断の大きな決め手になります。しかし、カタログやECサイトの画像だけではイメージが掴みにくく、リアル展示会でも数に限りがありすべてのパターンを見せることは困難です。

一方、メタバース展示会では、家具や建材を仮想空間に自由に配置でき、照明や色味の条件を変えて比較するといった体験も実現できます。来場者が自分のペースで空間を移動しながら商品を確認できるため、購買判断に必要な情報が得やすくなります。また、展示会後も空間を残せば常設ショールームとして活用でき、商談時の説明ツールとしても使えるなど、営業活動との相性も非常に良い領域です。

6-3. ファッション・アパレル業界

ファッション・アパレル業界は、ブランドの世界観やコレクションのテーマを空間全体で表現できる点で、メタバース展示会との相性が非常に高い分野です。従来、展示会やファッションショーは「空間演出」が重要視されてきましたが、メタバースではより自由度高く世界観を構築できます。ブランドカラーで統一した3D空間、季節ごとのテーマを反映した演出、アバターが着用して動きを確認できる仕組みなど、リアル以上に表現できる幅が広がります。

また、海外バイヤーとのやり取りが多い業界のため、物理的に現地まで足を運ばなくても新作コレクションを紹介できる点は大きな利点です。AIが閲覧履歴から関心の高い商品をピックアップし、自動でおすすめを提示するなど、効率的な商談創出にもつながります。

6-4. 教育・研修・採用領域

展示会に近い用途として、教育や採用の分野もメタバースとの親和性が高い領域です。企業紹介や実習体験の提供、学生向け会社説明会など、リアルだと時間や場所に左右される施策をオンライン化でき、全国の参加者に平等な体験を提供できます。採用ブランディングや自社カルチャーの伝達など、空間表現が価値になるケースも多く、メタバース展示会で作った空間をそのまま他領域に展開できる点も魅力です。

7. まとめ

メタバース展示会は、場所や時間に縛られず、立体的な情報提供やデータ活用を可能にする新しい展示会の形として存在感を高めています。これまでリアル展示会では伝えきれなかった製品の構造や世界観をより深く表現できるだけでなく、AIによる行動分析やレコメンドなど、次の営業活動へ直結する価値も提供します。特に製造業やインテリア、ファッションなど、立体性や空間表現が重要な分野においては導入効果が大きく、国内外の企業で活用が広がっています。

今後、通信環境の進化やAI技術の発展により、メタバース展示会はより高度で洗練された体験へと進化していくことが予想されます。単なるオンライン展示会の代替ではなく、ブランド表現やマーケティング資産として長期的に活用できる手段として、企業のDX戦略の中心に位置づけられるケースも増えていくでしょう。

リプロネクストでは、実写と3DCGを活用したメタバース空間の設計から、展示会としての体験設計、動画・導線づくりまで一気通貫でサポートしています。「展示会 メタバースの可能性を検討したい」「自社に合ったオンライン展示の形を相談したい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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