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初の海外展示会でVRを活用|対面イベント・展示会のVR活用事例を紹介vol.2【株式会社ナカヤ】
対面イベント・展示会は、製品や技術の訴求だけにとどまらず、来場者との直接対話を通じた信頼形成や、他社動向の情報収集など、プロモーション・マーケティングの観点から多面的な価値を持つ場です。一方で、パンフレットや動画による「視聴型」の訴求が主流である現状では、短時間の接触で製品の本質的な魅力を伝えることには限界があります。
製造業・建設・インフラ分野の展示会において、安全管理や立地制約により実地体験の提供が難しく、技術力・製品価値が十分に伝わらないことが課題です。バーチャル(メタバース/VR)を活用することで、安全意識の均質化と継続的な研修更新を実現できます。リプロネクストでは、こうした課題に対してVRコンテンツの制作・活用提案を行っています。
今回は、当社として初の海外展示会への出展事例として、新潟県三条市を拠点とする建設用機械メーカー・株式会社ナカヤの事例を紹介します。
1.展示会ブースにおけるVR活用の意義
対面型のイベント・展示会では、物理的制約から多くの場合パンフレット・写真・動画による「視聴型」の訴求が中心となります。しかし、特にBtoB領域の専門製品においては、仕様や操作感といった製品固有の価値は、視聴するだけでは伝わりにくいという課題があります。
危険環境や再現困難な状況を安全に体験させる必要がある場合、VRは疑似体験を通じて理解を深める手段として有効です。ただし、実地経験を補完する設計が前提となります。
VRを活用することで、来場者は製品を「視聴」から「体験」へと転換した形で受け取ることができます。体験者のリアクションが周囲の関心を引き、連鎖的な集客につながる点も、展示ブースにおけるVRの実践的な利点です。
2.株式会社ナカヤ様のVR活用事例を紹介【国際展示会】
株式会社ナカヤは、ものづくりの街として知られる新潟県三条市に拠点を置く建設用機械メーカーです。BtoBの専門的な製品を製造・販売しており、国際展示会への出展も行っています。
同社が抱えていた課題は、「製品の特徴を分かりやすく伝えることが難しい」という点でした。専門性の高い製品は、パンフレットや写真だけでは構造・操作感・スケール感の伝達に限界があり、特に初対面となる外国人バイヤーへの訴求においてその課題は顕著でした。
2-1.VRコンテンツの制作
今回制作したVRコンテンツは、製品の操作を疑似体験できる構成です。海外展示会での活用を前提としていたため、外国人バイヤーに魅力が伝わりやすいよう、色使いやテイストにも配慮しました。制作したVRコンテンツは以下から確認できます。
制作上の注力点のひとつは、オープニングのロゴモーションです。メタリックなテイストにアニメーションを加え、第一印象を印象づける仕上がりとしました。

技術面では、背景をマスキングするための「壁」の設置に注力しています。手前のオブジェクトが動いても壁が剥がれず、常に向こう側が見えない状態を維持する実装は技術的難易度が高く、当社として初めて実現した手法です。


2-2.当日のブースと来場者の反応
ナカヤのブースには製品パネルと実物展示に加え、VR動画を視聴できるモニターとVRゴーグルが設置されました。VRを体験した来場者は、製品の疑似体験に対して驚きの反応を示し、アテンド役の社員との距離が縮まる場面も多くみられました。VR体験者のリアクションが周囲の来場者の興味を引く連鎖も生まれ、ブース全体の雰囲気づくりにも寄与しました。


一方で、専用ゴーグルの装着に抵抗を示す来場者も一定数おり、体験への誘導が課題として浮かび上がりました。来場者の属性としてはヨーロッパ系が多かった一方、VR体験者に限るとアジア系が多数を占めるという傾向も確認されています。
3.ナカヤ様のご感想
展示会終了後、株式会社ナカヤから以下のコメントをいただきました。
- VRを体験した来場者は等しく驚きの声を上げ、一気に距離感が縮まった
- ひとたびVRショーが始まると、周囲の来場者も興味深そうに集まってきた
- VRはここぞという場面で、相手に強い印象を残すためのツールとして使用すると効果的かもしれない
- お付き合いが以前からある人にも「こんなことやってるんだ」と言われ、チャレンジ精神をみせられた
- VRゴーグルの存在に気付かれず、スルーされてしまうこともあった
- 今後は海外展示会での運用方法や、シャイな方への体験誘導の方法を考えていきたい
4.まとめ
今回の事例は、専門性の高いBtoB製品の価値を体験型コンテンツで伝えた実践例です。VRによって「視聴」から「体験」への転換が図られ、来場者との関係構築や場の活性化にも寄与しました。同時に、ゴーグル装着への心理的ハードルや体験誘導の設計など、運用面での課題も明確になっています。
体験型コンテンツとしてのVRの可能性は、BtoB領域にとどまらず幅広い分野に広がっています。運用面での課題も含め、今後の活用設計の参考として本事例をご活用ください。