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失敗しやすい進め方|多くの失敗は「順序」と「体制」から生まれる

失敗しやすい進め方|多くの失敗は「順序」と「体制」から生まれる

この章では、デジタルアーカイブ事業において特に失敗につながりやすい進め方を整理します。多くの失敗事例を見ていくと、問題は技術やツールそのものではなく、事業の進め方にあることがほとんどです。どのような順序で進めたのか、どのような体制で進めたのかが、結果に大きく影響します。

デジタルアーカイブは、専門用語や技術要素が多く、外部事業者も関わることが多い取り組みです。そのため、どうしても制作や技術の話に意識が向きやすくなります。しかし、その結果として「まず作る」「できることから始める」という判断がなされやすくなり、ここに大きな落とし穴が生まれます。

1. なぜ失敗する進め方になってしまうのか

1-1. 技術や制作に意識が集中してしまう

デジタルアーカイブ事業では、撮影、スキャン、3D化、システム構築など、制作工程が目に見える形で存在します。そのため、事業の議論も自然と制作工程に集中しやすくなります。どの機材を使うのか、どのツールを選ぶのかといった議論が先行し、設計の議論が後回しになりがちです。

しかし、本来重要なのは制作の前段階にある設計です。目的や活用方針が整理されていない状態で制作を始めると、事業の方向性そのものが曖昧になります。

1-2. 「まず作る」という判断が生まれやすい

制作工程が明確に見える一方で、設計は形が見えにくい作業です。そのため、「まず作ってみる」「できるところから始める」という判断が選ばれやすくなります。

しかし、目的や活用方針が整理されないまま撮影やスキャン、システム選定に入ると、何を達成した事業なのか説明できない状態になりやすくなります。結果として活用も広がらず、事業の価値が見えにくくなります。

2. 失敗しやすい進め方の共通点

2-1. 目的と活用イメージが整理されていない

事業の目的や活用イメージが整理されていない場合、「なぜこの事業を行うのか」「どのように使うのか」という基本的な問いに答えられなくなります。その結果、事業の成果を評価する基準も曖昧になります。

評価基準がない事業は、改善の方向性も見えません。最初の設計段階で目的と活用方針を明確にしておくことが不可欠です。

2-2. 作成後の運用が後回しになっている

デジタルアーカイブ事業では、制作が完了すると達成感が生まれます。そのため、公開後の運用や更新が後回しにされるケースが少なくありません。

しかし、誰が運用するのか、どのように更新するのかが決まっていなければ、アーカイブは時間とともに使われなくなります。運用設計は制作と同じくらい重要な要素です。

2-3. 一部の担当者だけで進めている

事業を少人数の担当者だけで進めてしまうと、属人的な構造になりやすくなります。その結果、引き継ぎが難しくなり、事業の背景や目的を説明できる人が限られてしまいます。

理解者が組織内に広がらない場合、事業は担当者の異動とともに停滞する可能性があります。組織として共有された取り組みにすることが重要です。

3. 問題は技術ではなく進め方

3-1. 技術選定は結果を左右しない

失敗事例を見ると、高性能なカメラを使ったかどうか、最新のツールを導入したかどうかは、結果を決定づける要因ではありません。機材やツールはあくまで手段にすぎません。

それよりも重要なのは、どのような考え方で事業を設計し、どのような順序で進めたのかです。進め方が整理されていなければ、どれだけ高度な技術を使っても活用につながりにくくなります。

3-2. 多くの失敗は順序の問題

デジタルアーカイブ事業における多くの失敗は、「設計 → 制作 → 運用」という順序が守られていないことから生まれます。制作から始めてしまうと、後から設計を補う必要が生まれます。

順序を守ることは単純なことのように見えますが、実際の現場では非常に重要なポイントになります。

7. 本章のまとめ

デジタルアーカイブ事業における多くの失敗は、技術の問題でも人の能力の問題でもありません。その多くは、どのように事業を進めたのかという進め方の問題です。

特に、「とりあえず作る」「後で考える」という判断は、失敗につながりやすい傾向があります。設計を先に行い、順序を守って進めることが、失敗を避けるための最も基本的な考え方になります。

次章では、こうした進め方の問題が、実際の現場でどのような失敗として現れるのか、具体的な事例を整理します。

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