経営・戦略
やらないことを決めるフェーズ
「ありがとうございます!!」
2017年の夏、車の中で泣くくらい嬉しかった。
起業して、初めて仕事をもらえた瞬間だった。
会社をつくると決めて名刺だけ先に作り、
「何か困っていることありませんか?」と
ひたすら企業を回る日々。
仕事はなく、事業計画は見る意味もない状態。
収入はアルバイトの月7万円。
外食はできないから、おにぎりを握って3分で食べて、スタバは高いからマックで100円の紅茶を頼んで仕事をしていた。
そんな時期を過ごしたからこそ、仕事をもらえるありがたみは今でも忘れていない。
「せっかく依頼してくれたんだから」
そう思って、どんな仕事にも全力で向き合ってきた結果、会社は9年目まで続いてきた。
でも、これからは
全部に応えないと決めた。
メンバーが増え、自社プロダクトとしてRoomiqやNOIMを育てていく中で、何でも引き受けることが会社の成長を分散させていると感じるようになった。
自分が1時間で終わらせていたことも、チームでやると何倍もの時間がかかる。
それ自体は悪いことじゃない。
でも、やるべきでない仕事まで抱えると、組織は確実に弱くなる。
このままでは、自分たちらしい価値を社会に届けられない。
そう強く思うようになった。
自社の強みを活かせない受託案件。
採用や成長につながらない講演やイベント。
付き合いだけの参加。
まだ整理途中ではあるけれど、
これからは意識的に断っていく。
それは冷たさではなく、この会社を次のフェーズに進めるための判断。
今は、選択肢を増やす時期ではない。
選択肢を絞り、勝ちに行くフェーズに入った。
3年後、今とはまったく違う景色を見るために、今日から行動を変えていく。