山梨県甲府市 県央ネットやまなし メタバース合同企業説明会(令和7年度・第2回)

背景と課題
甲府市では、深刻化する人材不足と若者の県外流出という課題に対し、令和6年度に「県央ネットやまなし メタバース合同企業説明会」を初開催。自治体主催のメタバース合同企業説明会としては国内最大級の規模(出展109社)を達成し、参加者満足度84.2%という高い評価を得ました。
一方で、初めての取り組みとして空間操作性や集客導線など改善すべき点も浮き彫りになり、「1年目の実績を踏まえ、より目的達成に資するイベントへ改善すること」が2年目の命題となりました。こうした背景のもと、令和7年度は第2回の実施が決定。引き続きリプロネクストが空間設計から運営まで一貫して担当しました。
プロジェクトについて
1. メタバース空間の設計・構築(導線を全面リニューアル)
前回の最大の課題だった「空間内の移動しにくさ」を解消するため、空間構造を3層から2層へシンプル化。エントランスから企業ブースへ直接移動できる設計に変更しました。また、同時に閲覧できる企業ブース数を約3社から6社へ倍増させ、参加者の移動回数を削減しました。
アンケートでも「昨年より操作しやすかった」という声が寄せられました。また、午前・午後でプログラムを前後半に分け、昼休憩にはももかさんのトークショーなど特別コンテンツを配置したことで、午前のみの参加者の一部が午後にも再入場するなど、前回より参加継続率が向上しました。
2. 意思表示アバターの制作(オリジナル4種)

参加者が自分の状態や目的を表明しやすくし、企業との交流を促すために、「話したい」「御社推し」「聴き専」「就活初心者」など4種類の意思表示アバターをオリジナルで制作・導入し、ワンボタンでその場で切り替えられる仕組みとしました。
参加者アンケートでも「顔を出さなくていいので緊張せず企業と話せた」「聴き専アバターがありがたかった」という声があり、心理的ハードルを下げる仕掛けとして機能しました。
3. AIキャリアコンシェルジュ「キャリたん」の導入(今回初)

エントランスにAIコンシェルジュ「キャリたん」を初設置。「事務職を探している」「自動車免許が不要な仕事を知りたい」「電気工事士の資格を活かせる企業は?」など、参加者一人ひとりの希望・資格・条件に合わせてリアルタイムで企業ブースを案内しました。
当日は19名・99対話の会話が発生し、従来のブース回遊では出会いにくかった求職者と企業のマッチングを後押しする新たな導線として機能しました。山梨県職員として参加された方からは「AIが自分に合った企業を提案してくれるのはとても興味深かった」という声も寄せられています。
4. 企業PR動画の編集・エントランス放映
出展各社から提供いただいた動画を1本に編集し、エントランスにてランダム放映。参加者からは「従業員が説明する手作りタイプの動画は企業の雰囲気が伝わってよかった」「音で情報を得られるのでよかった」という声があり、求職者が意図せず気になる企業と出会うきっかけとして機能しました。
5. ブース生中継の実施


イベント後半では、さらにPRしたい企業をピックアップしてブースをリアルタイム中継。エントランスでの放映をきっかけに中継後のブース訪問につながる効果も確認されました。
6. 運営サポート全般(リハーサル5回・企業向け操作説明会を複数回実施)
企業向け操作説明を一斉説明2回と個別フォローの形で実施しました。社内リハーサルも5回行い、突発的なトラブルにも迅速に対応できる体制を整えました。出展企業からは「事前説明会や操作練習の時間を設けてくれたので、安心して当日に臨むことができた」という声も寄せられています。
■ルーム体験は、こちら
※ 2026年3月末をもって公開終了予定です。
集客施策
山梨県の公式インフルエンサー「Momokaさん」を招いたトークショーをイベント内で開催。就活生だけでなく、山梨の観光や暮らしに興味を持つ幅広い層へのリーチを図り、Uターン・Iターン促進にも寄与しました。

告知動画の制作にも協力いただき、SNS(Instagram・X)や甲府市公式LINEなど複数チャネルを通じて情報拡散。なお本イベントは新卒者だけでなく中途採用希望者も対象としており、チラシ・ポスター・Google検索・知人紹介など多様な経路での参加も見られました。
■インスタ投稿詳細はこちら
実績データ
| 項目 | 第2回(令和7年度) | 第1回(令和6年度) |
|---|---|---|
| 出展企業数 | 103社 | 109社 |
| 事前申し込み者数 | 141名 | 192名 |
| 実参加人数(ユニーク) | 260名 | ― |
| 延べ参加人数(アクティブ) | 347名 | 約300名 |
| 全空間アクセス数 | 2,756件 | ― |
| AIコンシェルジュ会話 | 99対話 / 19名 | ―(未導入) |
※ 「―」は該当データ未取得。第1回はアナログ集計での対応でしたが、第2回よりGoogle Analyticsによる正確なデータ取得が可能となりました。
参加者・出展企業の声
参加者より
- 昨年度よりバージョンアップしており、操作方法がわかりやすくなっていたり、AIが自分に合った企業を提案してくれるのはとても興味深かった。
- 顔を出さなくていいので、あまり緊張せず企業の方と話ができた。聞きづらいことも質問できてよかった。
- 気軽にブースに行けました。ゲームみたいで楽しかったです。
- 家からアクセスでき、臆することなく説明を聞けた。
出展企業より
- 事前に操作説明を企業に向けて手厚く実施いただいたので、当日の操作がスムーズにできた。
- 新しい採用チャネルとして非常に興味深い取り組み。ぜひ継続して参加したい。
- このような他県にはない取り組みはかなり面白い。やり方次第では学生の数を相当数増やすことができるのではないか。
今後に向けて
今回のイベントを通じて、参加者・出展企業双方から空間導線や参加者数の増加に関する改善要望が寄せられました。
特に企業PR動画への関心が高まった一方でブース訪問が減少するという課題は、動画視聴からブース訪問へ誘導する動線設計の最適化が次回に向けての重要テーマです。また、運営視点からは、山梨県内の大学と組織的に連携し、講義内での告知や教員からの紹介を通じた学生へのアプローチ強化も1つの検討要素だと考えます。今後、参加率のさらなる向上が期待されます。
