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リリース
2025.04.25

甲府市でメタバースを活用したひきこもり支援を実施。交流会が個別相談のきっかけに

個別相談ゼロからの前進。ミニゲームを含む交流会を新たに実施

甲府市メタバース 心のよりどころ空間

XR・メタバースで社会課題を解決する株式会社リプロネクスト(本社:新潟県新潟市、代表取締役CEO:藤田 献児 以下、リプロネクスト)は、山梨県甲府市精神保健課(以下、精神保健課)が運営する、ひきこもり相談窓口「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」の制作を担当しました。また、精神保健課と連携し、令和6年6月から12月にかけて、3回の交流イベント「おいでよ!メタバースの森」を開催しました。本リリースでは、これらの取り組みについてご報告いたします。

◾️「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」紹介サイトhttps://www.city.kofu.yamanashi.jp/kenko_zoshin/seisinhoken/20190903hikikomori.html

イベント開催の背景

甲府市では、ひきこもり支援の一環として、これまで電話相談や来所相談、訪問相談などを実施してきました。しかし、初回相談の約8割は当事者本人ではなく、ご家族や支援者からのものであり、当事者への直接的な支援が十分に行き届かない状況が続いていました。

対面での相談が苦手な方でも、アバターを通じてコミュニケーションが取れるメタバース空間であれば、当事者がより気軽に相談できるのではないかと考え、令和5年10月10日に「甲府市メタバース 心のよりどころ空間」を開設しました。

開設以来、令和6年3月末までに7,000件近くのアクセスがありましたが、ひきこもり当事者との個別相談にはなかなかつながりませんでした。

メタバース空間内のアンケートなどから、メタバース上であっても個別相談に不安を抱える方や、何を相談したら良いかわからないといった当事者がいることがわかりました。このため、個別相談につながる前段階として、メタバース空間上で家族以外の他者と関わるきっかけをつくること、メタバース空間に慣れることを目的として令和6年6月から12月にかけて、当メタバース空間を活用した初の交流イベント「おいでよ!メタバースの森」を開催しました。

「おいでよ!メタバースの森」活動報告

本イベントでは、メタバース体験をはじめ、アバター体操やミニゲーム、ゆったりとおしゃべりを楽しむなど、さまざまなコンテンツを提供しました。

対象者は、甲府市在住のひきこもり当事者やそのご家族、生きづらさを抱える方々。参加は完全匿名で行われ、自由に選んだアバターの姿で参加できます。チャットのみのやり取りや、直接の会話など、自分に合った方法を選ぶことができるため、安心して参加できる環境を整えました。

各回の定員は10名以内とし、少人数制を重視しています。実際の参加者は1〜5名程度で、アットホームな雰囲気の中で実施されました。参加者からは「ゲームのようで面白かった」「発言できて楽しかった」といった前向きな感想が寄せられています。

この取り組みを通じて、令和6年度には初めての個別相談が実施され、当事者への支援の機会が着実に広がっています。

開催概要

第1回 令和6年6月27日 (木) 15:00〜16:00
内容:空間内に隠された宝箱を探すミニゲーム「宝探し」

第2回 令和6年9月30日 (月) 15:00〜16:00
内容:2種類の写真やイラストを見て似ているところやそれぞれの個性を探す「共通点&個性探し」

第3回 令和6年12月23日 (月) 15:00〜16:00
内容:究極の2択問題でどちらかを選ぶ「あなたはどっち派?究極の2択編」、クリスマスツリーの飾り付け、アバター記念撮影

甲府市メタバース 心のよりどころ空間 クリスマス仕様

今後の展望

ひきこもり支援のゴールは、当事者やその家族がそれぞれの状況に応じて決めるものであり、必ずしも就労や就職のみを目指すものではありません。しかし、困ったときに支援を求めやすい環境を整えることは、支援において重要な要素とされています。

メタバースは、そうした環境づくりを支援する有効な手段の一つとされており、対面での相談が難しい状況においても、気軽に参加しやすい環境を提供することが可能です。この新たな取り組みは、ひきこもり当事者やその家族にとって、より良い未来に向けた第一歩となることが期待されています。

これらの取り組みは多くの関心を集めており、令和6年度には山梨県外から5件の視察が行われました。関心の高まりを受け、令和7年度もメタバースを活用したひきこもり支援事業の継続が予定されています。

リプロネクストでは、これまでの取り組みを踏まえ、より多くの方が安心して参加できる環境の提供に向けて、支援の充実を図ってまいります。

甲府市 精神保健課 担当者 コメント

「ひきこもりがちな生活を送っている方が、アバターの姿で集い、ゆるやかにつながることができたら」。そのような想いを込めて、交流会を企画いたしました。

自分のペースで過ごしたり、アバターの姿で話したり、誰かと交流するきっかけになりましたらと考えています。

リプロネクストご担当者とは、参加しやすく、楽しめるメタバース交流会を、一緒に企画いただいています。今後は、参加者の皆様の声を生かしながら交流会を継続し、支援が必要な方とつながるきっかけができましたら幸いです。

株式会社リプロネクスト 担当者 コメント

今年度実施した交流会では、「リラックスして楽しめる場・心が軽くなる場・つながりを感じられる場」ということを大切に、アイデア出しから企画運営、各回の振り返りまで、甲府市様とともに心を込めて実施してまいりました。

昨年は相談予約があったものの相談までには至らず、もどかしい思いを抱えていましたが、今年は交流会に参加いただける方が複数名いらっしゃり、お話しをすることができて本当に嬉しく思っています。参加者様の声から、空間と交流会の内容をよりよくしていくことにもつながりました。各回参加いただいた方々には楽しんでいただけており、アンケート等でも前向きなお言葉を多数いただき、手応えも感じています。

一方、このような場を必要としている方々にしっかりと情報を届けていくという部分については多くの課題があります。

内閣府 「こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)」によると、「ひきこもり状態である」方が15歳〜64歳の生産年齢人口において推計146万人、およそ50人に1人にのぼるということがわかりました。4年前の調査では推計115万人。わずか4年で30万人も増えたことになります。こうした現状を踏まえ、一刻でも早くこの場を必要としている方々に、情報と機会を届けられるよう改善を重ねながら運営してまいります。

1人でも多くの方々が、この空間をきっかけに心が軽くなり、前向きな気持ちになることを切に願っています。

株式会社リプロネクスト 概要

リプロネクストは「BREAK THE WALL」をビジョンに掲げ、先端テクノロジーを活用して社会に存在する壁(課題)を壊し(解決し)、新たな価値を創造する企業です。XRやメタバースを手段として、時間・場所の制約を超えたコミュニケーションを提供し、人と人、人と社会をつなぐ新たな仕組みを構築しています。

単なるメタバース空間の制作会社ではなく、テクノロジーの力で社会課題を解決する事業を展開し、分断や障壁のない社会の実現を目指しています。

名称:株式会社リプロネクスト

所在地:[新潟オフィス]新潟県新潟市西区小針が丘2-54 2F

   [東京オフィス]東京都千代田区神田須田町2-3-12 010

   [大阪オフィス]大阪府大阪市北区芝田2丁目8-11 共栄ビル3F

代表取締役:藤田 献児

設立日:2017年2月13日

事業内容:XR・メタバース開発

URL:https://lipronext.com/

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本空間は「DOOR」を用いて制作しています。

※「DOOR」はNTTコノキューが提供する、WEBブラウザで使える仮想空間プラットフォームです。

バーチャル空間で、イベントの開催、コンテンツの展示等に活用でき、法人・個人問わず、様々な業界の方にご活用いただけるサービスです。

https://door.ntt

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報道関係の方からのお問い合わせ先

株式会社 リプロネクスト 広報担当:高橋宛 TEL:050-1724-4946 MAIL:stakahashi@lipronext.com