
技術開発が進みVRゴーグルを導入される企業も珍しくない昨今、シンプルなVR映像であれば個人でも簡単に作成できるようになりました。導入ハードルが下がったVRサービスとはいえ、解決すべき課題はいくつか残されてますので、導入前に確認しておくことをおすすめします。
この記事では、ユーザーへ提供するVR体験をより快適なものにしていくため、VR導入初期時に生じやすいデメリットと対策について解説していきます。問題点を知ってサービス改善を計っていきましょう。
360°動画を4Kの解像度で10分間撮影すると、目安としておおよそ6GB前後のデータファイルになります。通常の4K動画と比較すると、約2倍のデータ容量を使用することになります。動画のアップロード、ダウンロード、いずれにしても大量のデータ通信が必要になりますので、VRゴーグルを日常的に使用されるなら、通信量無制限のインターネット環境が必須と言えるでしょう。
さらにオリジナルVRコンテンツを作成する場合は、アップロード速度が遅いと大変非効率な作業になってしまうため、光回線の契約も検討する必要があるでしょう。また通信速度の他には、動画を処理するPCなどのスペックも重要な要素となります。
視覚を最大限に利用するVRでは、画質の良不良によって映像コンテンツへの没入度が変わってきます。例えばPSVRの解像度はそこまで優秀ではありませんが、画面の書き換え速度を表すリフレッシュレート値 が高いため、滑らかでチラつきが少ない特徴があります。Oculus Questは高画質かつ有機EL画面搭載なので、臨場感あふれる映像を楽しむことができるのです。
このように、どのVRゴーグルを選ぶかによって動画の見え方に大きな影響を与えます。写真多めで動きが少ないコンテンツをメインに使用するならスマホ用VRゴーグルでOK、動きの多い3D映像をフルに使ったコンテンツならOculus Questのようなハイスペック機器がベター、用途に合わせてチョイスすることをおすすめします。
スマホ脱着式のVRゴーグルは、簡単なセッティングで誰でもすぐに利用開始できるメリットがありますが、本格的なVR体験をするには力不足に感じることもあるでしょう。美しいグラフィックで圧倒的な非現実を味わうためには、PC用VRゴーグル、スタンドアロン型VRゴーグル、PSVRなどが必須であると言えます。
しかしハイレベルなVR機器にはそれなりの基礎知識が必要になります。ソフトのインストール、外部センサーの取り付け、PC・プレイステーションのセットアップなど始めるまでにいくつかのステップを踏まなければなりません。また初心者の方で海外製品を使用する場合は、翻訳された解説を理解するのに少し時間がかかるかもしれません。
おすすめはスタンドアロン型VRゴーグル
「難しい設定はしたくないけど本格的なVRを体験してみたい」という方には、スタンドアロン型VRゴーグルがおすすめです。スタンドアロン型VRゴーグルとは、PCの用意、外部センサーやコードの取り付け、ソフトのインストールなど面倒な準備が不要で、本体だけで気軽にVRを始めることができます。
スタンドアロン型VRゴーグルについて詳しく知りたい方は、下記の関連記事もチェックしてみてください。
■参考:スタンドアロン型VRとは?【おすすめHMDを一挙公開】
乗り物酔いと同じ原理で、VRでも三半規管が刺激されて気分が悪くなってしまうことがあります。VR体験中に起きてしまう酔いの主な原因は、ゴーグル越しに見えている世界と自分の身体の動きの間に生じる僅かなズレです。首を動かした際、画面の切り替え速度が0.02秒以上遅れて表示されてしまうと酔いやすいと言われています。
対策としては、遅延の少ない高機能なVRゴーグルを使用する、動きに強い有機EL搭載のゴーグルを使用する、体調管理を意識して長時間の使用は避ける、激しい動きがある動画やユーザー自身が高頻度に動く必要のあるコンテンツは避ける。このような方法が考えられます。
映画鑑賞やスポーツ観戦のお供に、ドリンクや軽食があると最高ですね。しかし残念ながらVRコンテンツを再生中には、ながら作業ができません。飲み食いだけではなく、誰かと話しながらや家事などのタスクをこなしながらも難しいのです。
ユーザーは目の前のVR体験に集中してしまうため、そばにいる人とのコミュニケーションが取りづらい状態となってしまいます。スムーズでストレスの少ないVR体験をしてもらうには、テキストや音声ガイダンスを活用した、1人で夢中になったとしても分かりやすいコンテンツ作り・選びが重要だと言えるでしょう。
VRゴーグル導入にあたって生じるデメリットは、できる限り最小限に抑えていきましょう。基本的な対策として下記のルールを参考にしてみてください。
以上のポイントを抑えれば、利便性の高いサービスを作ることができるはずです。1つでも多くの課題をクリアして、ユーザーに喜んでもらえるVR体験を届けていきたいですね。