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  • 2022/07/26
  • 2024/04/11

医療×VRのメリットとデメリットとは?11の活用事例とあわせて徹底解説

VRという言葉が少しずつ浸透し、活用の幅を広げています。そんなVRですが、医療現場でも活躍していることをご存知ですか?

手術前のトレーニングや社員研修などの教育コンテンツ、救命活動など様々なシーンで活用されているんです。


この記事では医療現場でVRを活用するメリットやデメリット、導入事例などをご紹介します。

これからの医療業界で重要な役割を担うであろう医療×VR、その可能性を詳しく見ていきましょう。

1.医療×VRのメリットとデメリット

まず、VR医療のメリット・デメリットを確認します。

VRを活用する最大のメリットは、VRゴーグルを装着するだけでリアルな映像が360度広がること。

医療現場では日々様々な症状の患者と接することになりますが、症状に合わせた治療方法や対処法はいつでも現場で学べるというわけではありません。そこで役立つのがVRです。

360度映像が広がるVRは、実際の感覚に近い状態で効果的に学習することができます。手術本番前のイメージトレーニングや現場に出るまでの訓練、遠方の医師とのイメージ共有など様々なシーンで有効です。

また、VRゴーグルがあればリアルな練習を何度でも行うことができます。繰り返し練習することで本番のミスを防ぎ、医師の知識・技術力の向上にも繋がるでしょう。

一方で、VRコンテンツの制作や導入には、やはりコストがかかります。

リアルな研修コンテンツの制作や必要な台数によっては、ある程度の費用は必要になってしまいます。しかし、一度コンテンツを制作すれば半永久的に使用できるので、長期的にはメリットの多いコンテンツと言えるでしょう。

2.医療×VRの問題点について

現在、VR医療の問題点と言われているのが、利用者の健康面についてです。

VRゴーグルを装着していると、めまいや吐き気など身体の不調を感じる場合があります。この症状はVR酔いと言われており、もともと乗り物酔いしやすい方はVRを長時間使用していると、身体にに影響が出る場合があります。

VR技術とどう向き合っていくかが今後の課題になりそうです。

3.医療分野でのVR活用事例11選

それでは実際に、医療分野でのVR活用事例を見てみましょう。今回紹介する事例が以下の11個です。

  1. The Stanford Virtual Hearts
  2. Guru Job VR
  3. Embodied Labs
  4. Limbix
  5. 災害医療支援
  6. 株式会社モリタ
  7. zSpace
  8. Airway Ex
  9. Farmooo
  10. Iris Vision
  11. Floreo

各事例の詳細を解説していきます。

3-1.The Stanford Virtual Hearts

こちらは、スタンフォード大学が開発した心臓について学ぶための教育用VR「The Stanford Virtual Hearts(バーチャルハート)」。

手元のコントローラーで心臓を動かし、様々なパーツをあらゆる角度から観察することができます。また、心臓の中に入るような体験も可能。実際に心臓を手に取ってよく見る機会は医学生でもほとんどないでしょう。VRを活用することによって理論がリアルと結びつき深い学びを得ることができますね。

▶︎▶︎Virtual Hearts 公式サイトはこちら

3-2.Guru Job VR

多視点で手術の様子を同時に何人も見学することのできるVRコンテンツ「Guru Job VR」。

実際の治療現場は限られた人数しか立ち会えないため、名医の技術を習得できる数に限界があることが課題でした。しかし、医療教育にリアルで高品質なVRを活用することで、何人でも同時に名医の真横にいる視点で手技を学ぶことができます。また、執刀医による解説もあるので貴重な手術のポイントを学ぶことも可能です。

▶︎▶︎Guru Job VR 公式サイトはこちら

3-3.Embodied Labs

続いては「We Are Alfred」。没入型トレーニングプラットフォーム「Embodied Labs」が提供するこちらは、医師が74才の体を体感できるVRコンテンツです。

加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)などの視界の障害や、聴覚の障害などをリアルに体験でき、高齢者の手の衰えなども忠実に再現されています。VRによって高齢者の体の感覚が分かれば、患者さんがどのようなことに困っているのかイメージしやすくなり、より細やかなケアができそうです。

▶︎▶︎Embodied Labs 公式サイトはこちら

3-4.Limbix

続いては、トラウマ・恐怖症などの心的外傷後ストレス障害(PTSD)に対するVRセラピー。

医療プロバイダー向けVRキットやデジタル療法アプリなどを提供する「Limbix」が開発したこちらは、PTSDを負った患者とセラピストが一緒に、VRによって様々な場面を擬似体験をしながらセラピーを施します。

セラピーの現場ではPTSDを引き起こした原因となる場所が遠方だったり、現実的なケアを行うには患者のトラウマが大きすぎることもあります。そのような時に患者の心理的安全をセラピストが確認しながら段階的にケアを行っていくことができます。今後、セラピストにとって新しい治療ツールとなっていきそうです。


▶︎▶︎Limbix 公式サイトはこちら

3-5.災害医療支援

防衛医科大学校とKDDI株式会社と株式会社Synamonが「5G(第5世代移動通信システム)」とVRを活用した災害医療対応支援の実証実験を2019年8月に実施しました。

これまで、災害時において平面映像での通信のみでは、被害状況などの災害の全体像がつかみづらいという課題がありました。しかし、360度のVR技術による双方向の連携が可能となり、遠隔地からでも現場に指示を出すことができ、救命活動を円滑に進められることを確認したそう。

災害時など、一刻も早く現場の詳細を確認することが必要となる場面でもVRが活躍していきそうですね。

▶︎▶︎KDDI 公式サイトはこちら

3-6.株式会社モリタ

歯科医療機器メーカー「株式会社モリタ」は、VRゴーグルを装着しながら治療ができるMRを開発しました。

歯医者さんはヘッドセットを装着し、モニターに映し出された情報と現実の映像をみながら治療を行います。治療の際はVRのガイドが歯医者さんをサポートしてくれるので、安心して治療ができそうです。

▶︎▶︎株式会社モリタ 公式サイトはこちら

3-7.zSpace

https://youtube.com/watch?v=SRaOkh88k1U

「zSpace」は、富士通が開発したVRディスプレイです。

メガネのようなゴーグルを装着すると、ディスプレイ上にVR映像を映し出すことができます。ディスプレイ上に映し出されたVR映像は、自由に動かしたり向きを変えたりすることも可能。活用範囲も広く、医療教育現場はもちろん、研修活動や教育現場、製品開発など多岐に渡ります。

ヘッドセットよりも軽量なメガネは負担も少ないので、利用者にとっては嬉しいポイントと言えるでしょう。

▶︎▶︎富士通 公式サイトはこちら

3-8.Airway Ex

Airway Ex

「Airway Ex」は、医療教育アプリです。こちらのアプリでは、実際の手術の様子をゲーム感覚で体験できます。

無料でダウンロードできますので、気になる方はチェックしてみてください。

▶︎▶︎iphone ダウンロードはこちら
▶︎▶︎Android ダウンロードはこちら

3-9.Farmooo

こちらの「Farmooo」は、小児入院患者向けに開発されたゲームです。ゲームの内容はシンプルで、VRの世界の中で牧場を運営するというもの。野菜を育てたり牛を飼ったり、小屋の中に入ることもできます。

小児ガンの治療のため長期間の入院生活を過ごす子供たちにとって、開放的な空間を味わえるVRゲームはリフレッシュにも繋がりそうです。

3-10.Iris Vision

続いてご紹介するのは、「Iris Vision」。こちらのVRコンテンツは、「視力の低い人のためのメガネ」の役割を果たします。

一般的なメガネと異なる点は、状況に合わせて最適な視界を提供してくれる点。室内や室外などの違いだけでなく、本を読む際やテレビを見る際などの細かい状況の変化にも対応します。

まだ「メガネの代わりにVRを活用する」という時代にはなっていませんが、技術の進歩により今後、このような時代が訪れる可能性もあります。

3-11.Floreo

「Floreo」は、自閉症の子供たち向けのVRコンテンツです。「Floreo」は子どもたちと同じ画面を先生がタブレット上で見ることができるので、円滑なコミュニケーションが可能になります。

自閉症の子供たちが楽しく学習できるコンテンツは、家族にとっても安心感のあるものとなるでしょう。

4.VRを医療トレーニングに導入した事例

VRは医療トレーニングにも導入されています。その詳細が以下の通り。

4-1.OSSO VR

こちらは、手術の体験学習ができる「OSSO VR」。

アメリカのOsso VR社が開発したこのシステムは、あらゆる国・大学で活用されており普及が進んでいます。実際の手術でのミスは禁物ですが、VRではトライアンドエラーを繰り返しながらより手術の精度を上げていくことができます。画面上に指示が出たり音声が聞こえてくるので、研修中の医師や学生も安心して活用できそうです。

▶︎▶︎OSSO VR 公式サイトはこちら

5.VRをリハビリ医療に導入した事例

VRはリハビリ医療にも導入されており、代表歴な事例が3つあります。

5-1.mediVRカグラ

こちらは、リハビリステーション用医療機器「mediVRカグラ」。

脳梗塞などの後遺症や加齢が原因で、身体をうまく動かせない方のリハビリとして活用されています。座位トレーニングで歩行や上肢機能、認知機能の改善が期待でき、医療現場からも高い評価を得ているVR医療機器です。

VRを活用してゲーム感覚でリハビリできるのでストレスも少なく、楽しんでリハビリを行えそうですね。

▶︎▶︎株式会社mediVR 公式サイトはこちら

5-2.VR歩行訓練

アメリカのデューク大学で行われている「VR歩行訓練」。脊髄損傷により自力歩行が困難な患者さんを対象に行われている歩行訓練です。

VRを装着するとバーチャルの歩行画面が現れ、その映像を見ながら歩行の練習を行います。映像では、患者さんが少しずつ歩けるようになることがわかりますね。VRの没入感を効果的に活かしたリハビリの一つです。

5-3.MindMaze

「MindMaze」は、脳卒中などが原因で手や指を動かすのが難しい患者さんのリハビリとして、応用が期待されているVRコンテンツです。

患者さんの手首や指にセンサーを装着し、画面を見ながら指先を動かす練習を行います。こちらのコンテンツの特徴は、ゲーム感覚で行えること。リハビリの負担を軽減して続けることができそうです。

▶︎▶︎MindMaze 公式サイトはこちら

6.医療×VRの今後の可能性

事例にもあるように、VRは医療現場で様々なシチュエーションで活躍しています。

医師にとっては医療現場やトレーニングなど、VRを活用することで新たな可能性や医療の進歩が期待できるでしょう。また、患者にとってはリハビリを楽しく行えるだけでなく、治療方法についてもVRを用いて詳しく理解できるなど、安心して治療に向かうことができます。

VRが私たちの生活にとって当たり前になる日も、近づきつつあると言えるでしょう。

7.まとめ

一概に医療といっても、医療現場の様々なシーンでVRは活用できます。医師だけでなく患者にもVRは有効なので、これからも活用の幅はますます広がりそうです。

今回紹介してきた事例以外にも、実用化に向けて動いている医療×VRのサービスがたくさんあります。まだ見つかっていない新たな治療法も生まれるかもしれません。今後の医療とVRの可能性に期待が高まりますね。

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