皆さん、こんにちは!広報・メディア担当のたかはしです。
コロナ禍で最近は移住やUターンの動きが活発になり地方が注目されていますが、社長の藤田も地元である新潟に27歳でUターン。2017年に株式会社リプロネクストを一人で立ち上げ、現在3年半が経ちました。
そこでこの記事では、会社員時代のことや起業エピソード、起業した面白さや難しさなどなど根掘り葉掘りインタビュー! 普段何気ない会話からこれまでの話を聞いていましたが、本当に色んな苦悩や出会い・発見があったことを改めて知りました。
これから起業やUターンを考えている方にとってヒントになれば嬉しいです。それでは、いってみましょう!
「新潟に必ず戻りたい」「地元で働きたい」という思いが当初からあったわけではないという藤田さん。ただ「絶対に起業する」という気持ちは学生の頃から固めていたんだそう。そんな藤田さんが”新潟で起業”を決めた理由って?
高橋:藤田さんは大学進学で上京して、就職も関東だったんですよね?新潟に戻る選択肢はあったんですか?
藤田:いつかは新潟に帰るかもしれないとは思っていたけど、「仕事を頑張りたいなら東京の方が合ってるんじゃない?」と家族も言ってたし、当初は新潟に帰る選択肢はなかったなぁ。自分でいつか会社を起こすと決めてたからベンチャーを経験したくて、東京でWEB系の広告代理店に営業として就職したんです。
教わるというよりはとにかくやってみろという感じで、当時は辛くも感じたけど今思えばすごく鍛えられたと思う。
高橋:就活の軸が、その先の起業の夢に繋がっていたとは…! WEB系の広告代理店ということは、リプロネクストに通じる部分もありそうですね。その後、プロバスケットボールチームの営業もやっていたと聞きました。スポーツやエンタメに興味があったんですか?
藤田:実は、それまでバスケのルールすら知らなくて(笑)でも学生時代はずっとサッカー、ラクロスに打ち込んできてスポーツは好きで。ある時に友人とバスケの試合を見に行った時に、アリーナスポーツの可能性を感じたんですよね。
そこからビジネスに関わりたいと思って、募集があった訳でもないのに頼み込んでホームゲームの手伝いをさせてもらい、営業として働かせてもらえることになって…。
高橋:行動力がすごいです! 全く畑違いの業界に移ったということですね。
藤田:そうですね。スポンサー獲得やイベント開催、チケット販売など本当に色んな業務を経験して面白かった。でも実際働いてみて、バスケチームの経営の難しさを目の当たりにしました。やっぱり、スポンサーになるメリットをいかにお客様に感じてもらえるかって難しくて。自分がそこの認識を変えていきたいと思ってたんですけど、当時は挫折のような感覚を味わいましたね。
高橋:そうだったんですか…。でも藤田さんは今も、いつかはプロスポーツチームに関わってみたい! っておっしゃってますよね。
藤田:そう! それはまた次の夢だから、実現できるように今はまず会社を大きくしていきたいと思ってます。
高橋:それから、今のリプロネクストの”リプロ”の名前をいただいたのが前職なんですよね。そこではどんなお仕事を?
藤田:広告代理店でイベント系に強い会社だったんです。僕は主に小学生向けのミニバス大会の運営に注力してましたね。サッカーや野球の大会に比べて、バスケって注目度が低かったんですが、企業をスポンサーにつけて協賛をもらったり、集客用のパンフ制作やテレビ放映を行って盛り上げていました。
高橋:なるほど! それまでの経験が総じて生きている感じがありますね。この頃に起業について具体的に考え始めたんですか?
藤田:そうですね。起業ってやろうと思ったらいつでもできると思っていたけど、その頃ちょうど「人の人生は3万日」って知って。27歳と数ヶ月でちょうど1万日を迎えるから、次の一万日は「人に与えられるようになりたい」と思って10,001日目に起業しようって決意したんです。
…とかここだけ切り取ると綺麗なんだけど、実際調べると結構資金も必要で、当時貯金はゼロ…。
で、その当時の彼女(現在の奥様)の家に居候したり、色々迷惑をかけながら準備を進めていったんです(笑)そしてやっとお金も貯まり、いよいよ起業に向けてという時期に結婚しました。
高橋:ここまで話を聞いていると、東京でバリバリ働いていた藤田さんがなぜ新潟で起業したんだろう?と思ったんですが、新潟を起業の地に選んだ理由を教えてほしいです!
藤田:理由は二つで。一つ目は、東京に出て初めて”変わりゆく新潟の姿”に気づいて、なんとかしたいと思ったから。帰省するたびにどこかのお店が閉店していたり、マイナス面での変化を感じて悲しい気持ちになったんですよね。
二つ目は、影響力のある会社を作りたかったから。東京には本当に沢山の会社があるし、競合ももちろん沢山いる。正直、自分の会社がなくなったとしても、他の会社がすぐに代わりになると思っていて。
でもこの新潟という地で頑張れば、地域の雰囲気を変えるような会社が作れるかもしれない。せっかくなら、周囲の人や地域にいい影響を与えられる会社を作りたいと思って、地元で起業しようと思ったんですよね。
高橋:すごい! でも確かに、東京と新潟で比べた時に新しい会社が生まれることで地域に与えるインパクトって地方の方が大きい気がしています。私も初めてリプロネクストを知ったときは、創業間もなくて、こんな事業をやっている会社が新潟にあるんだ〜って思いましたもん。
藤田:うちは東京にもオフィスがあって、東京での仕事も会社が成長する上で大事なんだけど、地域でインパクトを与えるような存在になりたい!って思っているんですよね。
高橋:新潟で起業すると決めて、周囲の反応はどうだったんですか?
藤田:正直、めちゃくちゃ反対されました(笑)頑張りたいんだったら東京にしなよって。しかも、それを言うのが一人二人じゃないからちょっと不安にもなったんだけど、会社にはもう起業するって伝えたし、後に引くつもりもなくて。
勢いも含めて、東京を飛び出して新潟に戻ってきましたね。
高橋:起業当初から今のようにVRやストリートビュー、webマーケティングを事業に決めていたんですか?
藤田:いや、決まっていたのは「会社を作る」という決意と事務所だけ。まず新潟のニーズがわかんなかったから、色んな企業を回ってどんな需要があるのかヒアリングしていたんですよね。そしたら、とんでもなく驚いたことがあって…。
高橋:え!? なんですか!?!
藤田:新潟と東京の企業の広告規模が全然違うことに衝撃を受けてしまって。新潟は東京の半分くらいかななんて考えていたのは甘かったです。広告への考え方にギャップがありすぎて、あ、これは厳しいかもしれないと心折れかけました(笑)
高橋:そうだったんですね…! そこからどうやって気持ちを持ち直したんですか?
藤田:PRできていないところってサービスや商品の質が悪いわけではないので、そういったものこそストーリーを届ける価値があると思って、”WEBでリアルを届ける”サービスを地方でやっていこうって思ったんですよね。
大きな広告予算を持っている会社はパンフやホームページがしっかりしてて、動画PRやイベントまでやってどんどん集客していて。でも”WEBでリアルを届ける”サービスならば、広告費に左右されずにいいものを多くの人に届けられると思い、現在のサービス展開に繋がっています。
地方こそ、WEBを活用して県外・海外も含めてPRしていかないと、本当にこのまま経済が縮小してしまうと思いましたね。
高橋:なるほど! だからWEB上でリアルに近い体験ができるGoogleストリートビューやVRのサービスを地方で展開したということなんですね。起業当初の思い出も聞かせてもらえますか?
藤田:広告に対する考え方の違いとの直面もそうだったけど、起業当初は日々恐怖を感じてたなぁ…。
起業したって時って高揚感とかアドレナリンが出てる感じだけど、生活は全く変わらなくて。というか、会社員時代は毎月お給料が貰えていたけど、それもなく。誰にも必要とされていないんじゃないかという恐怖感、暇の恐怖感はもう味わいたくないですね(笑)
でも仕事を進めていく中で、少しずつ会社を気にかけてくれる人や応援してくれる人が増えていくのはすごく励みになりました。
高橋:現在会社は4期目に入り、さらなる成長を目指して動いていますよね。今、思うことを教えてもらえますか?
藤田:起業当初から大切にしてきた気持ちをこれからも守っていきたいなと思っています。
というのも、会社が成長していく中で、自分自身がいつか変わってしまうんじゃないかという怖さを感じることはあって。
先輩経営者の話を聞くと、会社が大きくなり人やお金が増えていった時に、どこかで挑戦せずに折り合いをつけるようになってしまうようなことも多々あって。
そういう話を聞くと、守りに入るのはもったいないなと思っちゃうんですよね。せっかくやっと、色んな挑戦ができる土台が固まったのになんでだろうって。
自分自身はいつまでも会社や仕事を面白がっていきたいし、夢中になる喜び・できるようになった時の喜びの感覚はずっと忘れたくないですね。
高橋:新潟という地方で起業してみて感じる、面白さや難しさも聞きたいです!
藤田:会社経営はドラクエみたいで面白いんです。実際ドラクエはやったことないんだけど(笑)何者でもないところから始まって、武器が増えて、仲間が増えてストーリーに厚みが出ていくというか。仕事が増えて、仲間が増えて、どんどん強くなっていく感覚が面白いですね。
あと地方での面白さという点では、企業が地域に与える影響が大きいということ。
よく「地域を挑戦する雰囲気に変えていきたい」ということを言っているんですが、この新潟で本気でできると思っています。
例えば自分が起業当初に言われたような「起業するなら新潟じゃなくて、東京がいいよ」みたいな雰囲気を変えていけるようにまずは自分たちが挑戦していき、良い事例を作っていきたいですね。
逆に難しいと思っているのは、地域にこれまで根付いてしまっている雰囲気を変えるのって簡単じゃないなって。さっきの広告への感覚の話もそうだけど、働くことに対してのムードとか色々根付いている部分はあると思いますね。
東京だと学生起業やインターンするのって特別目立つようなことでもなかったりするけど、新潟だと「インターンをしてる」と言うとちょっと話題になったり。ちょっと周りと違うんだね、すごいね、みたいになっちゃうのはなんか違うと思っていて。
特別なことになってしまうんじゃなくて、みんなが自然と盛り上がっているし、そんな人が沢山いるような地域にしていけたら良いなと思っているので、自分としてもそんな会社づくりをしていきたいですね。
起業するのが幸せだ、とかやった方が良いとは全く思いません。ただ、起業ってすごいこと、周りと違うこととは思わないでほしいと思っていて。
例えば、家庭教師のアルバイトは大学生にとって馴染みの選択肢だと思うけど、生徒の人生に大きく関わる大事な仕事ですよね。「周りがやってるから」で身近な仕事になっていると思いますが、じゃあそれと起業の何が違うのというと周りのムードなだけな気がしています。
起業が選択肢として身近になってほしいという思いはあるのでムードを変えるためにも、まずは自分がしっかり成果を出さなきゃ、一生懸命やっていきたいと思ってるところです。
高橋:最後に今後の未来ビジョンを教えてください!
藤田:働くことに対してポジティブな人が集まる会社を作っていきたいと思ってます。「地方で働く方がかっこいいよね」っていうムードをここから発信したいと思うし「リプロネクストがあるから新潟に移住したい」と言われる日がきたら最高です。
「地域の雰囲気を変える」には、まだまだ会社としての規模が小さいので、仲間を増やして実現に向けて成長していきたいですね。
事業でいうと、サービスは時代と共に変わっていく部分ではあるので”WEBでリアルを届ける”という軸を持ちながら色々な可能性に挑戦していきます。
高橋:ありがとうございました! 私も改めて会社のことや社長の想いを知ることができました。私も地元を盛り上げていきたいという思いで働いているので、皆で一緒に前に進んでいきましょうー!
高橋:新潟に戻ってきてよかったな〜〜と思うことも聞かせてもらえますか?
藤田:自然が身近にあるって、住む環境としてもだけど、働く環境としてもめっちゃ良いと思ってます。
仕事を頑張りたい人は地方の方がむしろ良いんじゃないかって。やるときはやる、そして短時間でもリラックスできる環境が身近にある。
東京だと、出かける時に満員電車に乗って〜とか、行列に並んで〜というストレスがあるけど、そこからも開放されました。
あとはとにかく、今日やりたい!と思ってBBQができるこの環境は最高ですよ!(笑)
いかがだったでしょうか。現在4期目のリプロネクストですが、これからさらなる成長を目指し、地域を盛り上げていきたいと思っています。今回のインタビューで改めて、社長の想いを知っていただけたら嬉しいです。
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