
2019年もあとわずか。今年も様々な広告が出されましたね。
最近では「バズる」という言葉も出てくるほど広告や広報への注目が集まっています。
今年はどんな広告が「バズった」のか?個人的におもしろいと思った2019年注目の広告をまとめてみなさんにお伝えしたいと思います。
目次
広告関連企業大手のサイバーエージェントは、国内動画広告の市場動向調査を行い、相対比141%の見通しであることを明らかにしています。YouTubeやTicTok、Instagram(ストーリー)等、動画系のサービスの伸びに伴い、市場規模が拡大しているのだと考えられます。
また、同調査によるとデバイス別では、その89%がモバイル。モバイルでの閲覧や拡散を念頭に置いた広告戦略を効果的に実施したところが結果的に「バズっている」ようにも見受けられました。
それでは、2019年度に注目を集めた広告をお伝えしていきます!
ご覧ください。
また、これまでブックオフは「本を売るならブックオフ」というキャッチコピーからも象徴されるように「ブックオフ=本」というイメージがありましたが、「ブックオフなのに本ねーじゃん」というキャッチーな言葉で見事に「本だけではない」という印象を広げることに成功しています。
CMもさることながら、TicTok(動画投稿SNS)にて「#ブックオフなのに本ねーじゃんチャレンジ」なるキャンペーンを実施しました。それは、音楽に合わせて踊って投稿して、オリジナルTシャツをゲットするというもの。
参加型のキャンペーンも打つことでより強力な広告となっていましたね。
■詳しくはこちら
これまで、魔女の宅急便のヒロインであるキキや、国民的アニメ「サザエさん」などが青春アニメとして登場してきました。
こちらは、日本を代表する漫画「ワンピース」のキャラクターたちが高校生だったら…という視点で描かれています。本作では描かれることのないストーリーが描かれ、ワンピースファンにとってはたまらないCMだったと思います。長編映画を見ているような感動を与えてくれるCMですね。
■日清食品HPはこちら
これに対し、フォード社は怒り心頭。テスラのCybertruckは4輪駆動に対し、テストに使用されたF-150は二輪駆動。タイヤも不利なものだったとして、勝負のやり直しを要求しました。この対決は第二ラウンドが開催されることとなりそうなんです。
結果的には、Twitterという全世界が視聴可能な媒体で、会社同士がケンカをすることによりテスラの「Cybertruck」とフォードの「F-150」の名は一気に拡散されました。Cybertruckの予約台数は5日間で25万台を突破。
2016年に売れまくったセダン「モデル3」(1週間で32万台の予約)と同等程度バカ売れしています。
続いてはスポーツです。
2019年度のシーズンを15年ぶり4度目の優勝で飾った横浜・Fマリノス。
既に各方面の専門家が、勝利の要因を分析していますが、その一つに「一体感」があげられています。
なぜ、「一体感」が醸成されていったのか。それは、「#すべてはマリノスのために」というキャッチフレーズのもと、それをスポンサー・選手・観客などあらゆる人が一体となって勝利へと動いていたからです。
大津動きました。
結果報告ですがトリコロール版も作っていただくことができました。
選手、サポーター、クラブが共に作り上げた最高の物👍#すべてはマリノスのためにhttps://t.co/qKuZ3Lj7sK— 大津祐樹 (@yukiotsu23) November 15, 2019
特に紹介したいエピソードがこちら。実は、最終節に販売予定だったタオルの色が黒で、「ゴール裏をチームカラーであるトリコロールに染めたかった」というサポーターの残念がる声が聞こえてきたところ、大津選手が動きました。なんと、大津選手がチームに掛け合い、その数時間後にはトリコロールカラーのタオルの発売を発表したのです。
SNSを活用し、一つのキャッチフレーズのもと、チームが一体となってシーズンを戦い抜いた、素敵な例ですね。
■公式サイトはこちら
サークルの広告を駅に出そうとしたんですが、印刷データを間違えて送ってしまって、僕の証明写真が掲載されました pic.twitter.com/WUDzxJOWGx
— オカダダイキ🔥 (@OKD_OOPS) 2019年4月24日
続いてはこちら、早稲田駅が一時騒然とした事件があったこと、ご存知でしょうか。駅構内に奇妙なポスターが貼られていたんです。実物はこちら。
出典:twitter.com@OKD_OOPS
なんと、証明写真が駅広告として貼りだされていたんです。
本人はtwitterで、「サークルの広告を駅に出そうとしたんですが、印刷データを間違えて送ってしまって、僕の証明写真が掲載されました」とつぶやいています。これに対し、多くの反応が!
これまでに11.5万件のリツイートと、33.5万件のいいねがあり、さらにはテレビ出演まで果たす、大きな話題となりました。
実は、この事件、本当に間違えてしまったのではなく、バズらせるために狙ったそう。自身が所属する「東北学生稲門会」の宣伝を低予算で行うため、twitterでの拡散を計画したのです。
余白の使い方までも計算されつくされており、本当に見事な戦略だなと感じます。
出典:PRTIMES
お笑いコンビ「キングコング」の西野さん。最近何かと話題になっていますよね。続いては、そんな西野亮廣さんの著書「新世界」の新聞広告です。
こちらは新聞社主催の最古の広告賞、「毎日デザイン賞」の「広告主参加作品の部」において最高賞を受賞しました。
西野さんは、これまで新しい著書を公開するたびに”自腹”で新聞広告を打っていることも話題となっていますよね。今回は、「広告を読み物にすること」をコンセプトに、「新世界」の23ページ分となる「はじめに」を紙面に落とし込みました。
”話題”を生むとともに、広告としての成果も見込める素晴らしいアイデアですよね。これからも、クリエイター西野亮廣さんの動向に注目ですね。
■西野亮廣ブログはこちら
続いては、キャッシュレス決済に関する話題。こちらも2019年度大きな話題になりましたよね。8%から10%への消費増税が行われたこともあり、キャッシュレス決済を行うと最大5%のポイント還元が受けられるというキャンペーンを政府主導で行っています。(消費者還元事業)
さらに、その流れに乗って各キャッシュレス事業者も独自のポイント還元施策を打っていました。
例えば、PayPay。PayPayで支払うと、先ほど紹介した消費者還元事業に加え、PayPayから最大5%のポイント還元が行われます。つまり、最大合計10%も戻ってくるんです。
キャッシュレス化を推し進めたい政府やキャッシュレス事業者は、増税の流れやポイント還元キャンペーンによって一気にキャッシュレス決済のユーザー数を拡大することに成功しました。
■参考ページはこちら「政府広報」
■参考記事はこちら「PayPay導入の理由を調査する旅」
最後にご紹介するのは、16歳の少女「グレタ・トゥーンベリ」さん。9月23日に国連で行われた「気候変動サミット」での演説をきっかけにその名が知れ渡りました。彼女は、スウェーデンの高校生であり、環境活動家。2015年の夏から議会前に座り込む抗議活動を開始。「気候変動のための学校ストライキ(Skolstrejk For klimatet)」と書かれたプレートを掲げ、ひとりきりで座り込みを始めました。この活動は次第に賛同者が増え、数百を超える規模に拡大。その後、COP24や、世界経済フォーラムに招待され、そこでのスピーチがさらに注目を集めており今や全世界で一つのムーブメントにまで発展しています。
始まりは、ひとりで議会前に座り込む抗議活動だったこの活動が、こうして人々の興味を引き付け、議論を巻き起こし、共感を生みました。
純粋な”想い”や”感情”をダイレクトに届けることによる社会的インパクトの大きさを見せつけられた気がしますね。
いかがだったでしょうか。
2019年の話題となったものに関して、その火種となった部分をみなさんにご紹介しました。
それぞれ、新たなアイデアや、純粋な想いが魅力的なものでしたね。
2020年はどんなことが話題となるのでしょうか。モバイルデバイスが全世界に広がり拡散しやすい時代となっています。今後もますます創造性が求められるようになっていきそうですね。