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広告費を多くかけている企業は価格の割に品質が悪いというのは本当か?

広告費を多くかけている企業は価格の割に品質が悪いというのは本当か?

生活している中でこんな言葉を聞くことはないでしょうか?


「広告費にお金をかけている会社は、広告費分も価格に入っているから品質が悪い」

実際に当社のお客様として住宅会社様とのお取引が一番多いですが、色々な会社を見比べてみると大手ハウスメーカーはテレビCMなど広告費をおおくかけているので住宅価格が高く、小規模な工務店や設計事務所は広告費をかけていないので商品価格が安い。ということはなさそうです。


身近な例から広告費をかけることが悪いことなのか?考えてみたいと思います。

価格からみて品質は悪いのか?

テレビCMを多く行っている企業を批判する方が言っていることを簡単に表すと下記のようになります。

大手ハウスメーカー

・価格:高
・品質:低

工務店
・価格:低
・品質:高

これについて考えてみたいと思いますが、例えとして個人でデザイナーをしている人で考えてみたいと思います。
個人でデザイナーをやっていると、仕事は多くないですが広告費をかけてしまうと払う人の費用が高くなると考えて一切広告を行わないとします。その場合、紹介などから少しずつ仕事がもらえたとしても自分の生活費を稼ぐには何件か仕事を行わないといけません。仮に生活費として必要なのが月に20万円だったとして、仕事が月2件しかなければ1本10万円の単価にしないと続けていくのが厳しいです。

 

それに比べて、仕事を受注するためには広告を出そうと思いWEB広告を行った場合に月4件の仕事が安定的に入ってきたとします。この場合は、1本10万円も必要ないので7万円に値下げしても28万円の売上です。こう考えると広告費に5万円使っていたとしても仕事が2件しかない時と比べると3万円利益があり、さらにお客様の単価も安くお互いにメリットがでます。

こんなイメージです。

広告費なし
・価格:高い
・品質:同じ

広告費あり
・価格:安い
・品質:同じ

この時に仕事量が増えたのに品質が同じわけがないと感じるかもしれませんが、仕事量が増えたからと言って仕入れ価格が高くなる(時間が増える)とは限りません。もし、安定的な仕事があれば、経理は外注しようとかアシスタントを入れようとするため、むしろ大切な部分に時間を集中することができ、品質も高くなる可能性があります。

住宅会社で再度考えてみると

これを再度住宅会社で考えてみると大手ハウスメーカーはテレビCMを行うことで商品が売れて安定的な売上を上げることができるとします。当然、仕入れ(木材など)もありますが、仕入れ業者も毎月安定的な売上になるのであれば多少コストを安く納品するはずです。


それに比べ、同じ品質の材料を小規模な会社が購入しようとしても販売数も少ないので、大手企業と同じ値段では販売してくれないはずです。
こう考えると品質の仕入れだけで見るとこう考えられるのではないでしょうか?

大手ハウスメーカー

・仕入れ価格:低
・品質:同じ

工務店
・仕入れ価格:高
・品質:同じ

これは、様々な業界で考えても同じことが起こっています。
テレビCMを行っている牛丼チェーンや業界No.1のハンバーガーチェーンは価格は安いですが、個人経営のお店で牛丼を300円代で出していたり、ハンバーガーを100円で食べることができるお店はないと思います。
また、インターネットの世界で考えてもAmazonや楽天は露出も多いですが、同じ家電を買うなら街の電気屋さんとは比べ物にならないくらい安く購入ができます。

大手が必ずしも良いか?

では、どの業界も大手が品質が高く、価格が安くて良いのか?というとそういうことではないと思っています。



大手企業は大量仕入れ大量消費の分野では圧倒的に安く良いものを購入できると思いますが、個別の対応を相談した場合には対応できないか、できても費用が高くなる可能性があります。

例えば、楽天で販売している家具の使い方も自宅に来て説明してほしいとした場合には、イレギュラーの対応となりますので、そもそも受付けてくれないはずです。それが、街の電気屋さんであれば、すぐに自宅に届けてくれてセットアップまで行ってくれるはずです。

 

住宅会社の話に戻ると、多くの方が好む家や大手企業のコンセプトに共感できる場合には大手ハウスメーカーの品質や価格に満足できると思いますし、今までにない家を造ってほしいということであれば小規模の工務店や建築事務所などは柔軟な対応をしてくれるはずです。

最終的には、購入するのは人それぞれの考え方で、露出が多いから価格の割に品質が悪いということはないというこです。
むしろ、顧客獲得をしたいにも関わらず、広告費を一切かけずに年々縮小していくお店・企業が一番厳しいというのが現状ではないでしょうか。


会社やお店が広告費をどういうふうに使っていくのが良いかについてはまた明日書きたいと思います。